公認会計士の転職は、英語ができなくても基本的に可能です。しかしより良い転職を考えている人であれば、公認会計士の資格や業務経験に英語もプラスすることで、業務の幅が広がり転職先の待遇や働き方にも差がついてくるでしょう。本記事では、これからの公認会計士の転職に英語が必要な理由について解説します。
FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)は会計士に人気の業種です。主にM&Aなどで行われる企業の価値をリスクも含めて適正に評価する「財務デューデリジェンス」や投資の価値を計算し、事業を経済的に評価する「バリュエーション」などを行い、M&Aアドバイザリーを行うコンサルティングを手掛けています。
FASでも国内関連の業務を中心と行う場合は、必ずしも高い英語力が必要ではありませんが、国際的なM&A案件に携わりたい場合は、英語力を身につけてアピールすることで、自分の望むキャリアを積む近道となります。
FASについては以下の記事でも解説しています。併せてぜひご一読ください。
・公認会計士にとってのアドバイザリー業務とは?
・監査法人からFAS業界へ|公認会計士の転職事情
FASからさらにステップアップしてハイキャリアを目指したい方におすすめしたいのが、外資系企業や投資銀行・投資ファンドです。
海外の企業との日常的なやり取りはもちろん、高度な財務分析や交渉を求められることが多いため、リーディングだけでなく、リスニングやスピーキングにおいても高い英語スキルが求められる業界といえます。
投資ファンドについては以下の記事でも解説しています。併せてぜひご一読ください。
総合商社・銀行・メーカーなどで海外進出を行っているところでは、海外の子会社や関連会社も含めた連結決算やIFRS対応など、英語力が必要な場面が多くあります。
移転価格対応や、その国の国際税務戦略などにも対応する必要があるため、こちらもかなり高度な英語力が求められます。
転職先に監査法人や会計事務所で仕事をする場合は、クライアントや就職先が国内企業であれば、英語はそれほど必要とされなかったのはこれまでの話。
日本企業においても、大企業から国際会計基準IFRS対応が徐々に始まり、会計基準の英文解釈などで英語力を必要とされる場合は確実に増えています。
また、外資系企業をクライアントに持つ監査法人になると、クライアント企業の財務・経理部門のマネージャークラスの幹部社員が外国人ということも珍しくありません。
英語力を身につけることで、確実にステップアップする案件やクライアントを得ることにつながります。
IFRSについては以下の記事でも解説しています。併せてぜひご一読ください。
・IFRS(国際財務報告基準)とは?日本基準との違いと導入が進む背景を解説
・日本にも来る?IFRS強制適用に向けて
「英語力が必要」と一口に言っても、公認会計士の転職において求められる英語力とはどの程度のものなのでしょうか。
日本での転職ではTOEICがよくその指標にあげられていますが、実は900点台のスコアをもってしても、実際にビジネスで使えるレベルかというと難しいところがあります。
TOEICはあくまで試験なので、日常的なコミュニケーションや実践的な英文でのメールのやりとり、および英文ビジネス文書の読解・作成を身につけるには適していないのです。
むしろ、TOEICの中で頻出のビジネスメールの書き方などは、実際にはネイティブの方にとっては「なんて回りくどい言い回しだ!」と意味が通じないとも言われています。
しかしながら、英語が堪能な人は基本的にTOEICも高スコアであることから、転職市場においてはまずはTOEICのスコアを上げておくことは必須です。
それと並行して実践的な英語力を身につけていきましょう。
よくドラマDVDなどを見るという勉強法がありますが、ビジネス用の英語を身につけるためには内容がフランクすぎるためおすすめできません。
ビジネス書を原書で読んだり、ネイティブの方が吹き込んだオーディオブックを聴いたりなどして、公式な場や文書で実際に使われている礼儀正しい英語にたくさん触れることを優先してください。
当コラム内では、公認会計士と英語についての記事を他にも公開しています。併せてぜひご一読ください。
・公認会計士と英語、これだけある公認会計士が英語を使う場面
・公認会計士として海外で働くには?
・英語力はどのくらい必要?国際業務に携わる公認会計士に求められるレベルを解説
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