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給与計算の基礎について詳しく解説します!

HUPRO 編集部
給与計算の基礎について詳しく解説します!

企業に勤めていると、当たり前のように計算されて毎月もらえる給与ですが、その計算方法についてしっかり理解している人は少ないのではないでしょうか。本記事では、給与計算担当者の方も、そうでない方も知っておきたい給与計算の基礎について解説します。

給与計算の概要

給与計算とは従業員の毎月の給料を計算する業務のことです。給与をもらう側からしてみると毎月自動的に給与明細が出てくるように思われるかもしれませんが、給与を構成する項目は月ごとの変動があったり、残業代などの手当の支給額も毎月異なっていたりするため、その計算は意外にも細かく複雑です。さらにもらう側としては、正確に計算されていて当たり前のためミスが許されない仕事でもあります。

給与計算の流れ

それでは具体的にどのように給与計算を行うのかその流れを見てみましょう。

(1)総支給額を求める

給与計算はそれぞれの社員の雇用契約や会社の規定に基づく基本給に、勤怠状況や手当などを上乗せして計算し、給与の総支給額を求めるところから始まります。

勤怠状況を確認するためには、社員ごとに始業・終業時刻や休憩時間、休日など労働時間に関する情報が必要です。
また、残業や休日出勤の手当については、時間帯や日にちによって支給率が変わる場合もあります。
毎月の給与は決して定額ではありませんので、月ごとに従業員ごとに計算を行わなければなりません。

(2)社会保険料・雇用保険を控除する

次に社会保険料(厚生年金・健康保険料・40歳~64歳は介護保険料も)を総支給額から控除します。
社会保険料は、その被保険者が事業主から受ける報酬の平均額をいくつかの等級に区分した仮の報酬(「標準報酬月額」といいます。)にあてはめ、これに保険料率を乗じて計算されています。
標準報酬月額(仮の報酬)は、毎年4月~6月分に支払われた残業代や手当などを含めた給与総額の平均額から算出されます。

9月翌年の8月までは基本的に同じ額ですが、もし大幅な昇級など、賃金体系が大きく変わるような事があれば、年度途中で表授報酬月額を変更することもあります。

従業員によって報酬が異なっていることから社会保険の金額も異なりますので、注意が必要です。なお、介護保険については誕生日を迎え40歳になると、健康保険料に上乗せして介護保険料を控除する必要があります。

また、退職後の失業給付や育休手当の源泉にもなる雇用保険についても、報酬によってその金額は異なり、毎年改定されるなど、ここでも従業員ごとに異なる計算が求められるのです。

なお、社会保険については、パートタイマーも就労条件によっては加入が必要となります。この条件もどんどん厳しくなっておりますので、以下のコラムもあわせてご一読ください。

参考
社会保険の加入義務について解説します
短時間労働者は社会保険に加入できる?その条件について解説
さらに厳しくなる?厚生年金の強制加入について解説します

(3)所得税・住民税を控除する

次に控除された金額から、所得税・住民税を控除します。
いずれも前年の1~12月の所得より計算されるものですが、所得税は前年の1~12月の所得から概算で求められる源泉徴収税を1月より控除し、住民税は翌年の6月より地方自治体より通達される税金の金額を控除します。

なお、所得税については当年の所得についてかかる税金のため、年末調整で12月までの所得が確定後に源泉徴収金額との差額がある場合は還付または追徴となりますが、住民税は前年の所得についてかかるため、還付や追徴の処理はありません。

詳しくは以下のコラム記事をご参照ください。

源泉徴収の仕組みとは?所得税の計算方法を簡単にわかりやすく!
源泉徴収って何?どんな税金?
住民税の所得割額とは?所得税との違いについて解説します
住民税っていくらかかるの?計算方法を解説します

(4)非課税の手当について金額を付与する

通勤手当や住宅手当など、就業規則による非課税の手当や補助金がある場合はその金額をプラスします。

(5)給与天引きにしている項目を控除する

企業によっては、生命保険や損害保険、財形積立などを給与天引きで行っている場合があります。必要に応じてこれらの金額を控除するのも忘れないようにしましょう。

税金や法律知識・就業規則の理解が必要な給与計算

給与計算という業務については、単純なルーティンワークを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、ざっと見ただけでこれだけの段階を踏む複雑な作業なのです。

社会保険料や税金については、企業が給与から控除したものを、社会保険事務所や健康保険組合、そして税務署や自治体にそれぞれ納付することになっています。

社会保険料や税金は、その料率や金額ついても毎年改定があるため、その内容をきちんと反映させなければなりません。

残業代や各種手当などについても、労働基準法をはじめとした様々な法律による規定があり、労務管理の観点からも正しい残業時間に基づいた正確な給与計算が必要になります。

給与計算とは、正確に行われることが当たり前だと思われていますが、毎月正しい金額で給与を計算するためには、各種税金や法律の知識だけでなく、社内の就業規則の仕組みを理解していないとできない高度な仕事なのです。

関連記事:給与計算についての知識を証明できる資格を取得するメリットは?
関連記事:給与計算ソフトを導入すべき理由

この記事を書いたライター

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