米国公認会計士をはじめとする英文会計資格は、近年人気が高くなっています。その一方で、試験内容、難易度や、転職・就職など、将来への活かし方がわかりにくい点もあるようです。そこで、各試験の概観や、試験内容・受験資格等につき、一読で資格の全体像を把握できるよう下記にまとめていますので、ぜひご確認ください。
特徴:会計系国際資格の最高峰 世界中で通用する 社会人の受験生も多い
活躍できるフィールド:会計事務所 外資系会社経理部・財務部 会計コンサルティング会社など 特にオーストラリア・カナダ・メキシコ・ニュージーランド・香港・イギリスと相互承認協定(NASBA)により、これらの国・地域の公認会計士としても働くことが可能。
就職・転職に効く?:国内・国外の就職や転職に非常に有効
難易度:高い、日本人受験者合格率 約34%
米国公認会計士(CPA;Certified Public Accountant)は、米国の各州で認定される会計士の国家資格です。米国公認会計士は、国際会計基準=IFRSに準拠しているため、IFRS採用国はもちろん、世界中で通用する会計基準を熟知した専門家として活躍の機会があります。海外で働きたい国際派の方々にも人気のある資格試験です。
資格試験の概要:受験科目は、
FAR Financial Accounting and Reporting (財務会計)
BEC Business Environment and Concepts (企業経営環境・経営概念)
AUD Audit and Attestation (監査および手続論)
REG Regulation (商法および税法)
の4科目です。筆記試験の内容は、全員に対して同じで、全米のどこで受けても同じです。合格ラインは75%ほど、コンピューターで試験を実施するCBT受験で、科目合格制で1年に4回受験可能です。
州により受験資格である学歴の要件が異なっています。大学での会計系の単位取得数、ビジネス系の単位取得数により、受験資格の厳しい州・易しい州があります。例えば、モンタナ州においては、大学を卒業していなくても受験資格が得られるので、大学生も受験しています。
また、ライセンス登録は、その州における居住が要件となる州・ならない州、それと監査業務での実務経験が必要な州・不要な州があり、日本人の場合、居住要件がなく、実務経験も監査に限られないワシントン州や、グアムでライセンスを取得するケースが多くなっています。
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特徴:英語力と、簿記の能力の二つの証明資料として利用価値が高い。
日本の東京商工会議所が認定する公的資格で、国際会計基準に関する知識の証明にもなる。
活躍できるフィールド:国内系・外資系の経理部・財務部 スコアが上位になると、会計コンサルタントや、外資系企業の管理職としても活躍可能。
就職・転職に効く?:有効。スコアに相当するレベル・職位で、能力証明として利用価値高。特に外資系企業のアカウンティングマネージャーへの転職には有効と考えられる。
難易度:コントローラーレベルになると、日商簿記1級・TOEIC750点以上の英語力
が同時に必要であり、難易度は高い。
BATIC(Bookkeeping and Accounting Test for International Communication)は、英文簿記の知識やIFRSに関する能力、英語の運用能力を測定する試験です。受験資格に年齢・学歴・実務経験などの制限がないので、学生から簿記1級レベルの会計スペシャリストまで幅広い受験生がいます。
試験の概要:試験内容はSubject1の英文簿記と、Subject2の会計理論との2科目で、双方を合わせて1000点満点のスコア制。Subject 1と2の配点は、それぞれ400点・600点です。
スコアに応じた称号があります。カッコ内は、能力証明の有効期間です。
・880~1000 コントローラーレベル(3年)
・700~879 アカウンティングマネジャーレベル(3年)
・320~699 アカウンタントレベル(期限なし)
・200~319 ブックキーパーレベル (期限なし)
・0~199 称号なし
関連記事:米国公認会計士(USCPA)になると待遇は?日米比較とキャリア
特徴:米国内で申告代行業務を行うための資格試験。
合格すると、州限定での業務しか認められない弁護士や、公認会計士と異なり、全米での代行業務が遂行可能。
活躍できるフィールド:日系企業の米国現地法人の経理部・人事部、米系外資系企業の同部門などで担当業務を増やせる。米国での中小会計事務所の補助者としての勤務も可能。
就職・転職に効く?:開業資格ではないので、現状実績が多くは見られない。
難易度:比較的に易。全体の8割前後が合格している。
EAはEnrolled Agent の略称で、米国内国歳入庁(IRS)が認可する税理士の国家資格です。米国税務に関する申告書作成・代理業務が仕事の内容です。米国ではもともと、申告代理は誰でも報酬を得て行うことができる(カリフォルニア・オレゴン・ニューヨークは規制あり)ため、これだけで開業に役立つ、という資格ではありません。
しかし、英語による税法の理解の証明にはなりますので、税法科目を受験科目に持つUSCPAへの足掛かりとして学生のうちに受験する動きが出てきています。また、社会人が米国税法を知っていることで、担当業務の幅を広げることは十分可能です。
試験の概要:18歳以上であればだれでも受験が可能です。
試験科目は次の通り。
Part 1:Individuals(連邦個人所得税法・連邦贈与税法・相続税法)
Part 2:Businesses(ビジネス関連の連邦税法)
Part 3:Representation, Practices and Procedures(税務代理業務および申告等諸手続き)
試験科目により合格点が異なり、60~80%の間が合格点とされる。四択式のCBT試験。
合格すればPTIN=Preparer Tax Identification NumberをIRSから賦与されていれば即時登録可能で、日本人も登録が可能です。日本人の場合、通常、PTINのオンライン発行に必要なSocial Security Numberを持っていないので、IRSにPTINを申請します。申請から賦与まで約1か月です。1年間に24時間の継続研修を受ける必要があり、3年ごとに資格を更新することが必要です。
関連記事:米国税理士(EA)とは?実用性の高い米国税理士を徹底紹介!
英文会計に関する資格試験は、USCPAのように万能といえる資格のほか、BATICはうまく使えば、外資系転職などに有効な能力証明になります。一方、EAについては、開業資格ではないため、これまでのところ目立たない資格試験です。ただ、USCPAと同じ科目を受けることになり、足掛かりにもなりますので、難易度を実感する・英語力を証明するという意味で受験を検討してもよいでしょう。
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