2024年(令和6年)8月16日~8月18日にかけて実施された公認会計士試験(論文式)の合格者が発表されました。合格された皆様は、本当におめでとうございます!そしてお疲れ様でした!今回は合格発表に伴い、その結果はもちろん今までの合格率などの推移、公認会計士資格取得までの流れなどを解説していきます。
今年の公認会計士試験は第Ⅱ回短答式試験が5月26日、論文式試験が8月16日~8月18日にかけて実施され(第Ⅰ回短答式試験は2023年12月10日)、11月15日に金融庁の公認会計士・監査審査会にて論文式の合格者発表がされました。願書提出者数は21,573名、受験者数は4,354名、合格者数は1,603名という結果となり、合格率は36.8%、願書提出者のうちの合格者の割合を示す最終合格率は7.4%でした。
出典:令和6年公認会計士試験の合格発表の概要について│金融庁
令和6年公認会計士試験の合格者の年齢別の内訳は下表の通りです。
年代 | 合格者数 | 合格者構成比 |
---|---|---|
20代以下 | 1,422人 | 88.7%
|
30代 | 165人 | 10.3%
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40代 | 12人 | 0.75%
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50代以上 | 4人 | 0.3%
|
合格者の平均年齢は24.6歳、最年少者は17歳、最高齢者は54歳でした。昨年の平均年齢は24.5歳とほぼ同じであり、年齢別の構成比も1%ほど20代以下の割合が増えたもののほぼ同様といえます。例年通り、公認会計士を活かしてキャリアアップを目指したい20代が全体の8割以上を占め、9割に迫るほどになってきました。
出典:令和6年公認会計士試験 合格者調│金融庁
2024年(令和6年)公認会計士試験の論文式合格者を男女別にみると男性77.6%、女性22.4%で、昨年男性77.7%、女性22.3%とほぼ同程度でした。受験者数については女性比率が27.0%と昨年の26.7%、一昨年の25.8%を上回っており、女性の会計士にも活躍の場が増えている近況が認知されつつあるといえそうです。
今年の公認会計士試験の最終合格率は7.4%であり、昨年の7.6%から微減しました。一方で、合格者は1,603人と昨年に比べ59人増となり、増加傾向が続いています。
2024年(令和6年) | 2023年(令和5年) | 昨年からの増減 | |
---|---|---|---|
願書提出者数 | 21,573名 | 20,317名 |
+1,256名 |
論文式受験者数 | 4,354名 | 4,192名 |
+162名 |
論文式合格者数 | 1,603名 | 1,544名 |
+59名 |
論文式最終合格率 | 7.4% | 7.6% |
-0.2pt |
論文式試験の受験者数はコロナ禍が明けてきた2021年から徐々に増え続け、合格者数も同年から増えています。一方で論文式最終合格率(願書提出者のうちの合格者の割合)については、令和元年や令和2年には10%を超えていたことを考えると低くなってきています。論文式試験受験者のうちの論文式合格者の割合は35%前後を維持していることから、短答式試験の合格率が下がっていることが分かります。
令和6年公認会計士試験を受験された方は、金融庁ホームページにて発表された合格者発表にて自身の受験番号を確認する必要があります。下記より、金融庁ホームページでの合格発表ページがご覧いただけます。
なお、合格された方には令和6年(2024年)11月下旬ごろから合格証書などが発送されます。
今回の公認会計士試験論文式に合格された皆様、改めましておめでとうございます!合格後、正式に「公認会計士」として職務にあたるには、いくつかやらなければならないことがあります。試験突破を目指してきたならご存じの方も多いかとは思いますが、改めて確認しておきましょう。正式な登録が未完了の状態で業務を行うと法律違反になることがありますので、注意が必要です!
公認会計士になるためには日本公認会計士協会に備える公認会計士名簿に登録する必要がありますが、そのためには公認会計士試験に合格もしくは全科目免除されているほかに、次の要件を全て満たさなければなりません。
なお、合格発表までに監査法人などで実務経験を3年以上されている場合は、①の条件を満たしていることになります。それぞれの詳細については、以下の記事で詳しく解説しております。
①登録に必要な実務経験について
②修了考査について
上述の条件を満たすと日本公認会計士協会の公認会計士名簿への登録ができるようになります。この登録が完了すると正式に公認会計士有資格者として仕事ができます。
公認会計士試験は難関国家資格と呼ばれるだけあり、就職活動においてかなり有利です。ただ、公認会計士の就職活動は合格発表を合図に本格化していくので、他の公認会計士で希望求人の募集が終了する前に活動を始めていかなければなりません。
公認会計士の就職先として最も選ばれている監査法人に就職する大まかな流れは以下の通りです。
エントリーする監査法人の絞り込み | 公認会計士の合否が出る前の夏の説明会でエントリーする監査法人をある程度絞り込んでおき、試験合格後スムーズな就職活動ができるようにしておきましょう。 |
監査法人にエントリー | 説明会を受けて働きたいと思った監査法人にエントリーします。本エントリーの前にプレエントリーが必要な監査法人もありますので、必要に応じてプレエントリーをしましょう。 |
Web適性テスト受検 | Web適性テストが採用フローに盛り込まれている場合は受検します。見繕った回答をすると不採用になることもあるので、ありのままで回答しましょう。 |
面接を受ける | 対面もしくはオンラインで志望動機などの質問に回答します。面接のポイントについては後述します。 |
内定通知を受ける | エントリーしてから2週間程度で試験が終わり、監査法人に求められる人材と判断された場合は、内定通知を受けます。 |
内定承諾をする | 内定承諾期間が設けられているので、内定を受けた監査法人の中で自分が行きたいところへ、内定承諾を出しましょう。 |
公認会計士の就職については以下の記事で詳しく紹介しておりますので、就職活動の参考にしていただければ幸いです。
改めて2024年(令和6年度)公認会計士試験を受験された皆様、本当にお疲れ様でした。
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