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雇用保険の週20時間とは?休憩時間は含む?計算方法と扶養内の注意点を解説

公開日:2025/10/30更新日:2026/9/24
雇用保険の週20時間とは?休憩時間は含む?計算方法と扶養内の注意点を解説

雇用保険の加入条件である「週20時間以上」の計算方法に関して、休憩時間は含むのか、所定労働時間と法定労働時間の違い、10:00〜16:00勤務などの具体例を交えてわかりやすくお伝えします。パート・アルバイトの扶養内勤務における注意点や、人事・労務担当者が押さえるべき手続きの実務ポイントも解説!

雇用保険の「週20時間」とは?休憩時間は含む?計算方法を解説

パートやアルバイト、派遣社員として働く際、雇用保険に加入できるかどうかを左右する条件の一つが「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」です。

「この20時間、休憩時間は含むの?」
求人票や雇用契約書を見ながら、そう疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、休憩時間は含みません。
雇用保険の判定基準となるのは、契約で定められた「所定労働時間」、つまり休憩を除いた実労働時間です。

週20時間の基本的な計算方法

計算式はシンプルで、以下の通りです。

(1日の始業〜終業時刻の合計時間 − 休憩時間)× 週の所定勤務日数

注意したいのは、残業時間(時間外労働)の扱いです。
突発的な残業は一時的なものとして扱われるため、原則として週20時間の計算には含めません。
判断の軸になるのは、あくまで就業規則や雇用契約書であらかじめ定められた労働時間です。

【具体例】勤務時間ごとの週20時間の数え方

実際にどのくらいの勤務日数で雇用保険の対象になるのか、検索や問い合わせの多い勤務パターンでシミュレーションしてみましょう。

【例1】10:00~16:00の勤務時間(休憩1時間)の場合

拘束時間は6時間。
ここから休憩1時間を引くと、1日の所定労働時間は5時間になります。

  • 週3日勤務:5時間 × 3日 = 15時間(対象外)
  • 週4日勤務:5時間 × 4日 = 20時間(雇用保険の加入が必要)
  • 週5日勤務:5時間 × 5日 = 25時間(雇用保険の加入が必要)

つまりこの働き方では、週4日以上の契約になった時点で加入対象に切り替わります。

【例2】9:00~17:00の勤務時間(休憩1時間)の場合

拘束時間は8時間。
休憩1時間を差し引くと所定労働時間は7時間です。

  • 週2日勤務:7時間 × 2日 = 14時間(対象外)
  • 週3日勤務:7時間 × 3日 = 21時間(雇用保険の加入が必要)
  • 週4日勤務:7時間 × 4日 = 28時間(雇用保険の加入が必要)

こちらは週3日以上の契約から加入対象になる、と覚えておくとよいでしょう。

所定労働時間と法定労働時間の違い

雇用保険の加入要件を正しく理解するうえで欠かせないのが、「所定労働時間」と「法定労働時間」の違いです。
似た言葉なので、ここで整理しておきましょう。

所定労働時間 就業規則や雇用契約書で定められた労働時間(休憩時間を除く)。雇用保険の週20時間判定は、こちらの数字で行います。
法定労働時間 こ労働基準法が定める上限時間で、原則「1日8時間・週40時間」。

なお労働基準法上、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えることが義務づけられています。
所定労働時間を計算する際は、この休憩時間がきちんと控除されているかもあわせて確認しておきましょう。

雇用保険の主な適用条件(雇用期間の考え方)

雇用保険に加入するには、「週20時間以上」に加えてもう一つ、「31日以上の雇用見込みがあること」という条件を満たす必要があります。

所定労働時間 1週間の所定労働時間が20時間以上であること(休憩除く)
雇用見込み 31日以上の雇用見込みがあること

この「31日以上」という基準、実は平成22年の法改正によるものです。
それまでは「6か月以上の雇用見込み」が条件でしたが、より短期のパート・アルバイトも保護の対象に含めるべく範囲が拡大されました。

なお「31日以上の雇用見込み」は、明確に雇い止めが示されている場合を除き、契約更新の可能性がある場合や、過去に同様の雇用実績がある場合も含まれる点に注意してください。

【2026年最新】2028年10月からは「週10時間以上」に拡大予定

実は、この「週20時間」という基準は見直される予定です。
2024年5月に成立した改正雇用保険法により、2028年10月1日から雇用保険の加入要件は「週10時間以上」へと引き下げられます。
あわせて、被保険者期間の算定基準や失業認定基準なども、現行の半分の基準に見直される見込みです。

より短時間で働くパート・アルバイトも雇用保険の給付を受けられるようになるため、企業側は数年先を見据えた雇用契約の管理体制づくりが求められます。
今のところ現行基準(週20時間以上)に変わりはありませんが、頭の片隅に置いておいておきましょう。

パート・アルバイトの「扶養内勤務」と社会保険・雇用保険の関係

「扶養の範囲内で働きたい」というパート・アルバイトの方は、雇用保険や社会保険(健康保険・厚生年金)の加入条件との兼ね合いに注意が必要です。
実はこの2つ、条件も影響も別物だとご存じでしたか?

雇用保険(週20時間以上) 加入しても、配偶者手当や税制上の扶養から外れるわけではない。保険料の負担も賃金の数パーセント程度と、比較的軽微。
社会保険(週20時間以上+雇用期間等の要件) 従業員数などの条件によっては加入対象となり、手取り額に影響する場合がある。

ここで一つ、押さえておきたい制度変更があります。
社会保険の加入要件にはこれまで「月額賃金8.8万円以上(年収換算で約106万円)」という、いわゆる「106万円の壁」が含まれていました。
ところが2025年6月成立の年金制度改正法により、2026年10月1日からこの賃金要件は撤廃される予定です。撤廃後は「週20時間以上」という労働時間要件が、社会保険加入の実質的な分かれ目になります。
年収を気にして働き方を調整してきた方にとっては、大きな転換点と言えそうです。

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雇用保険の「週20時間」に関するよくある質問

Q1. 週20時間労働を1回でも(一時的に)超えたら雇用保険に入らないといけない?

A. 一時的な残業などで週20時間を超えただけであれば、直ちに加入する必要はありません。

雇用保険の適用判断は、あくまで契約上の「所定労働時間」に基づきます。ただし、シフトの増加や残業が常態化し、実態として週20時間以上の勤務が続いている(あるいは続くことが見込まれる)場合は、雇用契約書を改定したうえで加入手続きを行いましょう。

Q2. ダブルワーク(副業)で合計週20時間を超えたら保険はどうなる?

A. 原則として、2社の労働時間を合算して週20時間を超えても、雇用保険には加入できません。

雇用保険は「生計を維持するための主たる賃金を得ている1つの会社(メインの勤務先)」でのみ加入するルールになっています。メインの会社単体で週20時間以上の条件を満たしているかどうかが判断基準です(※65歳以上を対象とした「雇用保険マルチジョブホルダー制度」など、一部例外はあります)。

Q3. 週20時間未満なのに給与から雇用保険料が引かれているのはなぜ?

A. 契約上の所定労働時間が週20時間以上になっているか、手続き上の行き違いが起きている可能性があります。

雇用保険料は「その月の実際の労働時間」ではなく、加入手続きが済んでいる被保険者の「その月の総支給額」に対して一定率が徴収される仕組みです。そのため、実働が週20時間未満に落ち込んだ月でも、被保険者資格がある限り保険料は発生します。心当たりがない場合は、雇用契約の内容か給与計算の担当部署に確認してみてください。

Q4. 週20時間の計算は「何曜日から何曜日まで」で数える?

A. 会社の就業規則などで定められた「起算日」から1週間を計算します。

特に会社で定めがない場合は、暦どおり「日曜日〜土曜日」の7日間を1週間として計算するのが一般的です。

Q5. 週20時間ピッタリの場合は雇用保険の対象になる?

A. 対象になります。

雇用保険の条件は「週20時間以上」なので、ちょうど20時間ぴったりの場合も含まれます。逆に、週19時間59分以下であれば対象外です。

人事・労務担当者が押さえるべき実務チェックポイント3選!

最後に、企業の管理部門(人事・労務担当者)が雇用保険の手続きで気をつけたい実務ポイントを整理しておきます。

1. 資格取得届の提出期限

雇用保険の対象となる労働者を雇い入れた場合、事業主は「雇い入れた日の属する月の翌月10日まで」に、ハローワーク(公共職業安定所)へ「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。
うっかり期限を過ぎてしまわないよう、社内で提出フローを決めておくと安心です。

2. 手続き漏れ・未加入時の「遡及適用」

もし加入対象者であるにもかかわらず手続きが漏れていた場合は、過去にさかのぼって(原則最大2年間)雇用保険への加入手続きを行う必要があります。
過去分の保険料は会社・労働者双方の折半負担となるため、毎月の雇用契約の見直しは欠かせません。

3. 残業やシフト増で「一時的に週20時間を超えた」場合

突発的な残業や繁忙期のシフト増加で一時的に週20時間を超えたとしても、ただちに雇用保険の対象になるわけではありません。
ただし、契約内容と異なる勤務状態(週20時間以上)が実態として続いているようであれば、雇用契約書の改定と加入手続きを進めてください。

まとめ

雇用保険の加入基準である「週20時間」は、休憩時間を含まない契約上の「所定労働時間」で計算します。
10:00〜16:00勤務で週4日以上になるケースなど、思わぬところで加入対象に切り替わることもあるため、パートやアルバイトを雇う際は手続き漏れがないよう気をつけたいところです。

なお2028年10月からは基準が「週10時間以上」へと引き下げられる予定です。
実務においては、雇用契約書の作成段階で週あたりの所定労働時間を明確にし、ハローワークへの届出を適切に行うことを心がけましょう。

この記事を書いたライター

Hupro Magazine編集部

Hupro Magazine編集部

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のライティングなどを担当。大学法学部法律学科卒業後、銀行にてエネルギーや金属など"コモディティ"の取引、司法試験を中心とした資格試験予備校にてWEBマーケターとしての記事ディレクションなどを経て現職。法令や金融、資格試験の知識も活かしつつ、分かりやすくもためになる記事の作成に注力しています!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェント「ヒュープロ」をご活用ください!

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