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雇用保険の対象になる「週20時間」の考え方

HUPRO 編集部
雇用保険の対象になる「週20時間」の考え方

平成22年4月より、雇用範囲の適用範囲が拡大されています。しかしながら未だにパート・アルバイトなどの短時間労働者については雇用保険の対象外と考える方は多く 、手続がもれてしまうことがあります。本記事では、雇用保険の対象となる適用範囲について詳しく解説します。

雇用保険の適用範囲の変更について

平成22年4月1日より雇用保険の適用範囲は以下のように拡大しています。
パートやアルバイト、派遣社員などのいわゆる非正規労働者に対しての
セーフティネット強化の目的で緩和されました。

元々、「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」については、変更前後の条件は同じなのですが、雇用見込みについては6か月以上から31日以上、
つまり約1ヶ月以上の雇用見込みがあることに変更されています

「31日以上の雇用見込みがあること」というのは、はっきりと雇い止めの明示があるなど、31日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除いて、この要件に該当することになります。
期間の定めがなく雇用される場合はもちろん、月ごとの更新規定がある場合も該当しますし、仮に更新規定がなかったとしても、同様の契約で雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合も対象です。

つまり結果的に雇用契約期間が31日未満であったとしても、入社時には31日以上の雇用が見込まれるものとして雇用保険の対象になるのです。

これにより、31日未満の契約が明示されている短期労働者以外の雇用保険加入要件は「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」かどうかがポイントになります。

所定労働時間とは?

所定労働時間とは、契約で定められた労働時間のことをいいます。
具体的には、就業規則や雇用契約書で定められた始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を差し引いた労働時間のことです。
例えば、9:00~17:00が勤務時間で、12:00~13:00が休憩時間だとすると、所定労働時間は7時間になります。

一方で所定労働時間に対する言葉として「法定労働時間」があります。
これは労働基準法によって定められた「1日8時間、週40時間」を限度とする労働時間のことです。こちらは休憩時間を含む労働時間となります。
休憩についてはは、労働基準法の中でも「労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません」と明記されています。

所定労働時間:会社が決める労働時間。法定労働時間の範囲内で休憩を含まない時間 法定労働時間:労働基準法が定める労働時間。限度は「1日8時間、週40時間」(休憩含む)

所定労働時間週20時間の目安

いわゆるフルタイム勤務は、
法定労働時間「1日8時間、週40時間」の勤務形態であることが多く、
ここから休憩1時間を差し引くと、
所定労働時間は「1日7時間、週35時間」となります。

パートタイマーの場合は、平日出勤で短時間、もしくは週に何日かの出勤といった勤務体系を取る事が多いです。

【例1】10:00~16:00の勤務時間、休憩1時間の場合

1日の労働時間は 6時間なので、休憩1時間を引いて、所定労働時間は5時間です。
週3日勤務:所定労働時間15時間→雇用保険加入対象外
週4日勤務:所定労働時間20時間→雇用保険加入が必要
週5日勤務:所定労働時間25時間→雇用保険加入が必要

この勤務形態の場合は、週に4日以上の勤務契約の場合は雇用保険加入が必要です。

【例1】9:00~17:00の勤務時間、休憩1時間の場合

1日の労働時間は 8時間なので、休憩1時間を引いて、所定労働時間は7時間です。
週2日勤務:所定労働時間14時間→雇用保険加入対象外
週3日勤務:所定労働時間21時間→雇用保険加入が必要
週4日勤務:所定労働時間28時間→雇用保険加入が必要

この勤務形態の場合は、週に3日以上の勤務契約の場合は雇用保険加入が必要です。

適用要件に該当する労働者の方を雇い入れた場合(平成22年4月1日以前から引き続き雇用され、新たに加入していただくこととなった場合も含まれます。)には、公共職業安定所に対して雇い入れた日の属する月の翌月10日までに雇用保険被保険者資格取得届を提出することが義務づけられています。
もし、雇用保険対象になる労働者がいるのに手続きを忘れていて未加入になっている場合は、さかのぼって手続きが必要です。

当コラム内では、雇用保険についての記事を他にも公開しています。併せてぜひご一読ください。
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この記事を書いたライター

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