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大手企業における公認会計士の仕事とは?

HUPRO 編集部
大手企業における公認会計士の仕事とは?

現在監査法人にお勤めの方で、転職を検討されている方が一番関心を持たれているのが、一般事業会社への転職。いわゆる大手企業です。本記事では、公認会計士が大手企業に転職したらどのような仕事を任されるのかを詳しく解説いたします。

公認会計士が大手企業で求められる役割

高度な会計知識を持つ公認会計士が、大手企業で求められるのはその専門性を活かした業務。現行の業務の質をより高めるほかに、新たな会計基準の導入や内部管理を強化したい場合など、主に以下のような内容が考えられます。

・決算・開示にまつわる業務、監査法人対応
・内部監査業務・社内リスク管理
・経営企画業務、中長期経営計画、予算策定、M&AやIFRS導入など

公認会計士が大手企業に転職する場合のポジション

大手企業と一口にいっても、公認会計士の転職先の部門はいくつかに別れます。
例えば、経理や内部監査部門に転職する場合は、監査法人での業務経験をそのまま生かすことができるので、監査法人と同等ポジションで転職することができる可能性は高めです。とはいえ、大手企業では管理職になる年次は高めの傾向があるので、同年齢の平均的な職位になる場合もあります。
もし、マネジメント経験がある場合は積極的にアピールしておきましょう。専門資格があるぶん、管理職への昇進についても適性ありと見なされればスムーズに進むことになるでしょう。

大手企業で公認会計士が働くメリット

(1)ワークライフバランス

終身雇用制が崩れつつあるといっても、まだまだ大手企業では長く務めるというのが前提となっており、「働き方改革」における働きやすさの推進も進んでいます。監査法人のようなクライアント都合による急な残業や休日出勤というのは少ないでしょう。有給消化率も高い傾向にあります。ビジネスカジュアルによる私服勤務やフレックスタイムなどが認められる場合も。
退職金も含めた福利厚生も、大手企業であるほど充実している傾向があり、住宅手当や提携スポーツクラブの利用、持ち株会や社内ローンといった各種制度も整っています。

(2)企業会計・経営に内部から携われる

やりがいとして挙げられることですが、企業会計や経営管理に内部から関われることです。監査法人やコンサルティングとしてかかわる場合は、あくまで企業はクライアントでしたが、自身がその中に加わることで、会社を動かす一助となる気持ちで仕事ができるのは、大きなモチベーションとなるでしょう。

大手企業で公認会計士が働くデメリット

(1)年収や職位のダウン

監査法人は年齢に対して年収が高い傾向にあるので、一般事業会社に転職した場合、大手企業とはいえ年収が下がる傾向にあります。その分、各種手当・退職金や福利厚生の充実があるので、どちらが一概に良いとは言えません。また、大手企業になればなるほど年功序列の制度がまだ厳然と残っていることもあり、職位もダウンする可能性が高いです。

(2)異動による配置換えや転勤

大手企業は全国や海外に支社や子会社を構えていたり、それぞれに経理・財務・会計部門があったりするため、専門職といえど、配置換えや転勤を経験することになりかもしれません。同じ場所でずっと働きたいという希望がある場合は、あらかじめ専門職採用など異動のない職種採用があるかどうかを確認しておく必要があるでしょう。

大手企業で求められる公認会計士像

大手企業においては、公認会計士を企業内に抱えることについてもスタンダードとなっており、近年その在籍数も増えております。
その企業によって公認会計士に求めるものは様々ですが、何より大事なことはコミュニケーションです。大手企業は部署同士や子会社・関連会社などの企業同士のかかわりも多く、部署のメンバーのスキルも千差万別です。周りが公認会計士ばかりの監査法人とは異なり、プロフェッショナルという自負のない社員も少なからずいますので「話が通じない」と思うようなこともあるでしょう。
そんな中でも、事業への興味を持ち、自分が会社にどのように役に立てるのかという視点に立って、積極的に関わっていくことが求められます。大手企業になればなるほど、一人で仕事は完結できません。専門資格があるからといって驕らず、企業の事業を自分ごと化して、チームワークを重視し、周囲との信頼関係を築くことができる公認会計士が最も求められています。

転職を考える時に、仕事内容や報酬などの待遇面に目が向きがちですが、実は大手企業で一番大事なのは「相性」です。せっかく転職してもその部分がミスマッチだった場合は、監査法人の方が居心地が良かったという失敗に終わりかねません。
しかし、将来的に企業経営に関わりたいと思うのであれば、公認会計士はかなり近いポジションにいる人材です。専門知識を活かして経営陣の良き相談相手としての地位を確立していければ、資格の優位性もあいまって希望する地位に登ることもできるでしょう。

この記事を書いたライター

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