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監査法人を退職する3つの理由とその後のキャリアプラン

HUPRO 編集部
監査法人を退職する3つの理由とその後のキャリアプラン

離職率の高い監査法人ですので、今現在、監査法人にいて、退職を考えている公認会計士の人も多いことと思います。退職を考えるにあたり、他の人たちが、どんな理由で監査法人を退職していったのか、その後何をしているのか、気になるところではないでしょうか。今回は、監査法人のよくある退職理由とその後のキャリアプランについて、まとめてみました。監査法人は離職率が高いと同時に、一度監査法人を離れた人が、再び監査法人に戻ってきて働くことも多く見受けられ、恵まれた職場でもあるのだと思います。それでは詳しく見ていきましょう。

監査法人を退職する3つの理由

退職理由は、もちろんその人のポジションによっても変わってきます。監査法人では、スタッフ(4年程度)、シニアスタッフ(5年程度)、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーと昇進をしていきますが、今回お話をしたいのは、マネージャークラスまでの人が中心になります。勤続年数で10年程度までの人です。監査法人は、公認会計士が共同で出資をした法人です。シニアマネージャー以降は、役員と株主を兼任するパートナーを目指している人が大半でしょうから、退職理由も少し異なってきます。

私が周りを見ていて感じるのは、勤続年数10年程度まで、マネージャークラスまでの人の退職理由というのは、大きく3つに分けられるように思います。拘束時間が長い、監査以外のことがしたい/監査以外のこともしたい、独立を意識したい、の3つです。

1. 拘束時間が長い

監査法人の仕事はやはりハードです。これは、慢性的な人手不足に加えて、監査が日増しに厳格化されていることもあり、監査法人の仕事はやることが増える一方といったイメージです。繁忙期にはかなりの時間外労働や休日出勤もしばしば。このため、ワークライフバランスを考え、退職をして転職をするというものです。特に、結婚や子どもの誕生などのライフイベントをきっかけに監査法人を退職することが多いようです。

2. 監査以外のことがしたい/監査以外のこともしたい

監査法人に入って間もないスタッフレベルの人が、単純作業の多いルーティンに飽きてしまう、もしくは監査という業務が合わないと感じて、キャリアチェンジのために監査法人を退職するケースがあります。また、会計の監査一筋の会計士より、経理や経営にもフィールドを広げていくことで将来の安定を得るために監査法人を退職して転職をする人もいます。

3. 独立を意識したい

将来独立することを意識しており、独立した際にクライアントから信頼を得るためには、監査の経験だけでは難しく、より経営者視点を育めるところで経験を積みたいと思い、監査法人を退職するケースです。もちろん、監査法人を退職してすぐに、会計事務所を創設して独立する人もいます。

その後のキャリアプラン

それでは、監査法人を退職した後は、どのようなキャリアを歩んでいるのでしょうか。大きくは3つに分かれるようです。組織内会計士として働く、独立する/独立の準備をする、非常勤で働く、の3つです。

1. 組織内会計士

公認会計士として監査法人以外の道を選ぶこともできます。組織内会計士は、ファームに所属し監査業務やアドバイザリー、コンサルタント業務を行うのではなく、組織のメンバーとして組織のために働く会計士をいいます。一般事業会社や金融機関、行政機関等広い範囲に及びます。魅力としては以下の二点が挙げられます。

①会社の数字に内側から関わる

組織内会計士の魅力は監査法人では経験できないキャリア形成が可能となることでしょう。一般事業会社や金融機関、行政機関等では、基本的には会計士としての知識や経験を活かし予算策定への深い関与が求められます。また、社内ではビジネスの深い理解に加え、営業担当部署や経営陣との調整が不可欠です。対外的には金融機関との交渉や予算の修正の公表など、様々な業務に関与することになります。実際に予算を策定するという経験は、監組織内会計士ならではと言えます。

②違う専門分野の人と関わることで視野が広がる

また、組織に入ると会計・税務以外の様々な職種の人と関わりを持つことになります。監査法人に勤務していると会計分野にネットワークが偏りがちです。組織には営業や技術職といった様々な分野のスペシャリストが所属し、新たに形成されるネットワークは、組織内会計士だからこそ作ることができると言えるでしょう。

2. 独立する/独立の準備をする

税理士法人や税理士事務所、会計事務所へ転職をする人です。目的はもちろん独立して将来自分の事務所を開設することです。監査法人を退職して、すぐに会計事務所を開設する人もいます。

3. 非常勤で働く

監査法人の非常勤として監査を続けて、収入を確保している人です。この選択肢を選ぶ人は、非常勤で働くことが目的ではなく、非常勤で収入を確保しながら、育児や家庭のことであったり、独立の準備であったり、別の目的を大切にしています。

退職時に気を付けたいこと

監査法人を退職することが決まった場合は、丁寧に退職の準備を進めましょう。公認会計士協会の登録変更も必要になります。また、監査法人ではCPEを考慮した研修を提供していますが、退職後は、自分自身でCPOの取得単位の把握と必要単位数の取得を目指す必要があります。
そして、大切にしたいのがやはり人間関係でしょう。元の職場の人たちとは円滑に退職の話を進め、退職後も良好な関係を保てるようにしたいものです。特に、退職後も公認会計士として仕事をしていくのであれば、何かの際には、助けたり、助けてもらったりという関係が築けていたらいいのではないかと思います。

まとめ

退職をして転職をすることをネガティブなこととして捉える人がいますが、転職は決してネガティブなことではありません。自分のキャリアプランを明白に持つことで、必要なステップの一つになります。まずは、なぜ退職したいのか、その理由と自分のキャリアプランをとことん検討して、次の一歩を踏み出してください。
最後に、ご参考までに、監査法人出身の公認会計士のキャリアインタビュー記事をご紹介します。ぜひご覧ください。

〈キャリアインタビュー〉
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