大学4年生のときに公認会計士試験に合格し、その後は1年間のアメリカ留学を経て大手監査法人に入社し、現在は起業家として活躍する白井佑弥さん。会計士試験当時や監査法人での仕事、現在展開している事業内容についてHUPRO編集部がお話を聞いてきました。
ー公認会計士を目指したきっかけを教えてください
一言で言うと“勢い”で始めた感じなのですが、いくつか理由があります。まず、小学校から付属高校でずっとエスカレーターで進学し、まともに勉強もしたことがなく、大学に入学してそろそろ真剣に勉強しないといけないなと思っていました。そんなときに、たまたま友人が会計士予備校のパンフレット持って会計士を目指すというのを聞いて、大学2年生のときにノリで申し込みました。当時、実際に会計士が何をするのかよく知らずにとりあえず申し込みましたね。(笑)
あとは、就活って実際に運の要素が多いと思っていて、当時就職したい会社があったわけではないですが、面接に行ってたまたま面接官と相性が合わずに落とされることだって十分にあり得るだろうし、自分が行きたい会社や取りたい選択肢を選べないというのは嫌だなと思いました。
そこで、将来のことなんてわからないけど、少しでも自分が希望した進路を選べるようにしたいと思い、会計士を目指すことにしました。合格率もろくに調べなかったので、正直どのぐらい難しい試験なのかもよく分かっていなかったですね。(笑)
結果として、勉強を始めてから約2年経ち、大学4年生のときに無事合格しました。最後の1年間は、予備校で朝7時から夜9時ぐらいまで、結構勉強しましたね。
ー会計士試験合格後はそのまま就職ですか?
合格後、監査法人に就職する方がほとんどで、僕もとりあえず監査法人に行こうと考えましたが、実は合格発表の1ヶ月後、当時大学4年生の12月からアメリカへ1年間留学に行っちゃいました。なので、大学の卒業式も出てないですし、卒業後すぐに就職もしていません。
ーそうなんですね!?なぜアメリカに留学に行かれたんですか?
カッコいいなと思って!(笑)
大学生の後半は結構勉強でしたので、働く前に少し外を見たり、自分の時間を作りたいと思い、これも勢いで、とりあえず世界一の国に行こうと思ってアメリカに留学を決めました。
あと、会計士試験に大学4年生で合格すると、大学卒業後の4月に監査法人へ入社になるのですが、社会人で合格している方は合格後すぐに働き始めるので、同期と言っても3ヶ月ぐらい差ができる。スタート地点が違うのが嫌だなと思いまして。
大学の授業も一部残っていたのですが、遠隔でのレポート提出で単位を認めてもらい、合格後にすぐにビザを取って、アメリカに行っちゃいました。(笑)そして、1年間の留学から帰国して、2010年の1月に大学時に内定をもらっていた監査法人トーマツに入社しました。
ー新卒で入った監査法人について、入社経緯を教えてください。
今、考えると、盲目的に入っちゃいました。
将来的には起業したいという思いがありましたが、まず会計士になるための実務経験が必要でしたので、とりあえず監査法人に入ろうと。
色々と調べる中で、監査法人トーマツに、ベンチャー企業を専門に扱う、IPOの実績が断トツ1位の部署がありまして、そこの部署の方々と話してみたら、明らかに面白い、変わった人たちがいっぱいいまして。(笑)よくわからないけど、この部署で働いたら、楽しそう!って直感で決めましたね。
あとは真面目な話、自分が起業するために多くの経営者と接したかったのと、ベンチャー中心なので、クライアント規模が他の部署と比べて小さく、早い年次から幅広く業務経験が積めると聞き、入るならここだと思いました。そのため、トーマツに入りたいというよりこの部署に行きたいという思いしかなかったです。
内定を頂いたときから、そこの部署に行けなかったら入社しないと決めて、採用担当者にもそう伝えていました。今考えると相当、生意気でしたね。(笑) 入社後は幸い、希望の部署に配属して頂きました。
入社当時はとりあえず2〜3年と思っていましたが、自分が思っていたよりも監査が奥深いのと、やりたいことも色々やらせて頂き、成長できている実感があったので、結局、監査法人には約7年間いましたね。
ー監査法人をやめたのはなぜですか?
人生一度きりで、どうせチャレンジするなら今かなと。
正直、監査法人に対しては、内定後アメリカに1年間行くために入社を待ってもらい、希望の部署に入れて頂き、好きな業務をして成長させて頂いたので感謝しかありません。
退職の2年前には早稲田大学大学院のMBA夜間コースに受験し、働きながら通うこともできました。
そんな中で、監査法人をやめたきっかけは幾つかあるのですが、
1点目は、「会計士」という職業の将来性です。
テクノロジーに代替される職業ランキングに上位で入っていることは有名ですが、会計士の世界にパラダイムシフトが起こる可能性はかなり高い。10年、20年先を考えると、監査法人はパートナー会計士とエンジニアとアルバイトだけになる可能性もある。今は監査法人が多くの会計士を抱えていますが、会計士が事業会社に溢れ出て、「会計士×○○○」がないと、勝負できない時代が来ると思っています。だったら、僕は「会計士×起業家」になって、色々チャレンジしようと。
2点目は、先輩経営者の言葉です。
色々な経営者の話を伺い、共通して言っていることがあります。
・起業するなら早いほうがいい!
・雇うか雇われるか、どっちの人間になりたいのか?
・経営は楽しい!
こんなこと言われたらやるしかないって思うじゃないですか。ちなみに、今はめちゃくちゃ楽しいです!!
3点目は、やっぱり食いっぱぐれがないことですかね。
メリット、デメリットありますが、会計士は独立してもキャッシュを稼ぐ方法がたくさんあります。ですので、やりたいことがある方はチャレンジしない方が損だと思っています。
あとは、もともと30歳前後で起業したいと思っていたので、ちょうど30歳の時に約7年勤めた監査法人トーマツを退職して、翌月に白井佑弥公認会計士事務所を開業し、同年の9月に株式会社SAMURISEを起業しました。
ー今は起業してどんなお仕事をされていますか?
WEBサービスを2つ運営しています。
1つは、[『SAMURISE(サムライズ)』](https://www.samu-rise.com/)という士業限定のプラットフォームです。
監査法人にいるときに、他士業の方の仕事をたくさん見てきました。その中で、明らかに対価に対してサービスの品質が低い、専門領域が違うためにミスリードしているなど身近にお客さんのためになっていないなと感じる方がいました。依頼者は士業のことがあまりわからないし、専門特化していない士業も多い。そこで、端的に言うと、“イケてる士業”に仕事を集められるようにしたいと、士業版の『食べログ』を作ろうと考えました。
現在はサイト内で、“案件紹介機能”で仕事を紹介したり、“検索機能”で士業の方を探したり、“仲間機能”でつながりのある先生を可視化してお互いの信頼性を高めるようしたり、“質問機能”で士業同士でも直接質問ができるようにしています。
今後、さらにシステム開発し、テクノロジーを使って、面白いサービスにしていきたいと考えています。すべて無料なので、士業の方、是非登録してください!笑
2つ目は、[『MEMORY COMIC(メモコミ)』](https://www.memory-comic.com/)という、思い出を漫画・似顔絵にすることができる、オーダーメイドの漫画制作サービスです。漫画のポテンシャルはとても高い。こちらは、今後、大きいチャレンジもしていこうと考えています。コラボできる企業があれば是非、ご紹介ください!
ー色々な事業をされているのですね。これから活躍する士業とはどんな人だと思いますか?
専門特化、テクノロジー、コミュニティの3つが大事だと思っています。
専門特化は、ニッチでもいいので特定の領域に絞るということです。不思議と士業は競争したがる人が多い。なぜか敵が多いところを選ぶんですよね。これは開業する地域にも言えることだと思います。
テクノロジーは、今後、士業向けの業務効率化サービスがどんどん出てくると思っています。そのテクノロジーにうまく乗っかって、サービスを提供することです。例えば、会計士・税理士の領域の場合、freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計サービスを使い、新規顧客を獲得している人がたくさんいます。
コミュニティは、テクノロジーが発展すると同時にリアルなコミュニティの価値が高まっています。士業連携や士業間で紹介し合える仲間をいくつ持っているかが大事になっていくと思いますね。
まだまだチャレンジを始めたばかりですが、サムライ業をライズしていきたいと思います!
士業の方、SAMURISEに是非ご登録ください!
ー本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。
本日お話を聞かせて頂いた白井佑弥さんが代表を務める
白井佑弥公認会計事務所のホームページはこちら
株式会社SAMURISEのホームページはこちら
MEMORY COMICのホームページはこちら
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