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会計コンサルタントの年収完全解説〜高収入を実現する資格とスキルを徹底分析〜

Hupro Magazine編集部 川辺
会計コンサルタントの年収事情とは?高年収に繋がる資格やスキルも解説!

会計コンサルタントは、財務戦略やM&A支援などを担う専門職で、近年のグローバル化・デジタル化により需要と年収がともに上昇しています。本記事では、会計コンサルタントの年収実態や高収入を目指すための具体的な方法を解説します。

会計コンサルタントとは

会計コンサルタントは、会計・財務の専門知識を活用してクライアント企業の課題解決をサポートする専門職です。企業の財務体質改善、会計システムの導入、M&A支援、内部統制構築など、「お金」に関わる幅広い領域でコンサルティングサービスを提供する職業です。

近年、企業のグローバル化や会計基準の複雑化に伴い、会計コンサルタントの需要は着実に増加しており、高い専門性と年収の両方を兼ね備えた魅力的な職種として注目を集めています。

仕事内容

会計コンサルタントの主な業務は以下の通りです。

財務・会計制度の構築支援

クライアント企業の会計処理方法の見直しや、新しい会計基準への対応を行います。特に国際会計基準(IFRS)への移行支援や、収益認識基準の適用サポートなどが重要な業務となっています。

M&A支援業務

企業の買収・合併における財務デューデリジェンス、企業価値評価、統合後の会計システム統一などを担当します。案件規模が大きく、完了までに長期間を要する分、高い報酬が期待できる業務です。

内部統制・リスク管理支援

企業の内部統制システムの構築や運用支援、不正防止体制の整備などを行います。上場企業では法的義務となっているため、安定した需要があります。

会計システム導入支援

ヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源を一元管理するシステムである、ERPシステムやクラウド会計システムの導入プロジェクトにおいて、業務フローの設計や運用定着支援を行います。DX化の流れで需要が急拡大している分野です。

業務の流れ

会計コンサルタントの業務の流れを紹介します。

初期段階

クライアントとの面談を通じて現状の課題や要望をヒアリングし、プロジェクトの目標設定と提案書の作成を行います。この段階での課題の本質的な把握が、プロジェクト成功の鍵となります。

現状分析

クライアントの現行システムや業務プロセスの詳細調査を実施します。財務データの分析、業務フローの可視化、問題点の洗い出しなどを体系的に行い、改善すべき点を明確化します。

解決策設計

分析結果を基に具体的な改善策を立案します。新しい会計処理方法の提案、システム要件の定義、業務プロセスの再設計などを行い、クライアントに最適なソリューションを提供します。

実行支援

設計した解決策の実装をサポートします。システム導入の進行管理、従業員への研修実施、運用マニュアルの作成などを通じて、確実な定着を図ります。

会計コンサルタントの年収相場は?

会計コンサルタントの年収相場は700万円〜1,000万円程度とされており、日本全体の平均年収461万円と比較すると約2倍の水準となっています。この高年収の背景には、専門性の高さと市場価値の希少性があります。

経験年数別の年収目安を見ると、新卒・第二新卒レベルで400万円〜600万円、3〜5年の経験者で600万円〜800万円、シニアレベルで800万円〜1,200万円、マネージャーレベルで1,000万円〜1,500万円程度が相場となっています。

高年収が実現される理由として、複雑で頻繁に改正される会計制度への対応力、M&A案件などの高単価業務への従事、無形サービスによる高い収益率などが挙げられます。特にインセンティブ制度を導入している企業では、成果に応じてさらなる年収アップも期待できます

4大会計コンサル(BIG4)の平均年収ランキング

国際的な4大会計コンサル(BIG4)における平均年収ランキングは以下の通りです。

1位:デロイトトーマツコンサルティング

平均年収約950万円。戦略コンサルティングから業務改革まで幅広いサービスを展開し、特に会計・財務領域でのM&A支援に強みを持っています。

2位:PwCコンサルティング

平均年収約920万円。グローバルネットワークを活かした国際税務や移転価格、IFRS導入支援などの専門サービスで高い評価を得ています。

3位:KPMGコンサルティング

平均年収約900万円。リスクマネジメントや内部統制支援、会計システム導入に強みを持ち、中堅企業向けサービスも充実しています。

4位:EYストラテジー・アンド・コンサルティング

平均年収約880万円。デジタル変革支援や新興技術を活用した会計業務効率化サービスに注力しています。

これらの数値は職位や経験年数により大きく変動し、パートナーレベルでは2,000万円を超えるケースも珍しくありません。

会計コンサルタントの働き方〜激務って本当?〜

会計コンサルタントの働き方について「激務」というイメージを持つ方も多いですが、実態は企業や担当プロジェクトによって大きく異なります。

繁忙期の特徴として、M&A案件のクロージング前や決算期、システム導入時期などは確実に忙しくなります。この時期は月80時間程度の残業も珍しくなく、深夜作業や休日出勤が発生することもあります。

一方で、プロジェクトのない時期や準備フェーズでは比較的落ち着いており、残業時間も月20〜40時間程度に収まることが多いです。近年は働き方改革の影響で、多くのファームが労働環境の改善に取り組んでいます。

リモートワークの普及により、在宅勤務やフレックスタイム制度を活用した柔軟な働き方も可能になっています。クライアント先での常駐が必要な案件もありますが、オンライン会議の活用により移動時間の削減も進んでいます。

プロジェクトベースの働き方のため、短期集中型の業務スタイルに適応できる方には向いている職種といえるでしょう。

会計コンサルタントに求められるスキルや経験

会計コンサルタントには以下のような専門スキルと経験が求められます。

会計・財務の専門知識

日本基準、IFRS、米国基準などの会計基準に関する深い理解、税務知識、財務分析能力などが必要です。また、法改正への迅速な対応力も重要です。

ITスキル

ERP系システム(SAP、Oracle、NetSuiteなど)の知識、データ分析ツール(Excel、Power BI、Tableauなど)の活用能力、RPA導入支援スキルなどが求められています。

プロジェクトマネジメント能力

複数のステークホルダーを巻き込んだプロジェクトの企画・推進・管理スキルが重要です。プロジェクト管理の実務経験があると高く評価されます。

コミュニケーション能力

クライアントとの関係構築、チーム内での連携、経営陣への提案などあらゆる場面で必要となります。特に複雑な会計処理を分かりやすく説明する能力は重要です。

会計コンサルタントにおすすめの資格

会計コンサルタントにおすすめの資格を紹介します。

公認会計士

公認会計士は最も評価の高い資格の一つです。監査、会計、税務に関する包括的な知識を証明でき、特にM&A支援や財務デューデリジェンス業務で重宝されます。

税理士

税務コンサルティングや国際税務案件で強みを発揮します。特に組織再編や移転価格税制への対応で需要が高まっています。

米国公認会計士(USCPA)

国際的な案件や外資系企業への転職に有利です。英語での業務対応が可能であることも大きなアドバンテージとなります。

簿記検定1級

基礎的な会計知識の証明として有効で、未経験からの転職時に有利に働きます。

会計コンサルタントに向いている人の特徴

会計コンサルタントとして成功しやすい人の特徴をいくつか紹介します。

数字への親和性が高い人

会計コンサルタントの基本的な適性といえます。財務データの分析、予算策定、投資効果の測定など、日常的に数字を扱う業務が中心となるため、数字に対して苦手意識がない方が向いています。

論理的思考力がある人

複雑な課題を構造化して解決策を導き出す能力に長けています。クライアントの課題を整理し、根拠に基づいた提案を行うために不可欠な能力です。

学習意欲が旺盛な人

頻繁に変更される会計基準や税制改正に継続的にキャッチアップしていく必要があるため、自己研鑽を怠らない姿勢が重要です。

コミュニケーション能力に長けた人

専門的な内容を分かりやすく説明し、クライアントとの信頼関係を構築することができます。特にプレゼンテーション能力や交渉力は重要なスキルです。

ストレス耐性がある人

プロジェクトの期限やクライアントからのプレッシャーに適切に対処できます。短期集中型の業務スタイルに適応する能力も求められます。

会計コンサルタントのメリット

会計コンサルタントとして働くことは、収入・スキル・キャリアのすべてにおいて大きなメリットがあります。まず、高い専門性と市場価値が評価され、他職種と比べても高年収を得やすい環境です。成果主義の評価制度により、努力や実力がしっかり収入に反映されます。

また、会計・財務の最前線に常に触れながらスキルアップでき、製造業やIT、金融など幅広い業界に携わることで、実践的なビジネス知識も磨かれます。さらに、将来的にはコンサルファーム内での昇進だけでなく、CFOや独立など多様なキャリアの選択肢も広がります。

会計コンサルタントのデメリット

会計コンサルタントは魅力のある職種である一方で、デメリットも存在します。まず、プロジェクトの締切や顧客対応によって、長時間労働や休日出勤が避けられないこともあり、ワークライフバランスの維持が難しい時期があります。

また、会計基準の変更や新技術への対応など、継続的な学習が求められるため、自己研鑽を負担に感じる人もいるかもしれません。さらに、経営に直結する提案を行う以上、ミスが許されない重圧や責任の大きさをプレッシャーとして感じる方もいるでしょう。クライアント先への出張や常駐も多く、生活面での柔軟性が求められる場面もあります。さらに、成果主義の文化が根付いており、結果を出し続けるプレッシャーもあります

会計コンサルタントの将来性とキャリアパス

会計コンサルタントの将来性は非常に高く、今後も幅広い分野での活躍の場が期待できます。企業のグローバル化やデジタル変革、ESG経営などの進展により、会計コンサルティングのニーズは拡大中です。AIやロボティック・プロセス・オートメーションなどの技術と会計の融合も進み、より高度で付加価値の高い業務に専念できる環境が整いつつあります。

また、キャリアの選択肢も多く、コンサルティングファームでの昇進や事業会社のCFO、独立開業や海外駐在など、自分の志向に応じたキャリアパスを描けるのも魅力です。将来的には、定型業務は自動化され、経営戦略に深く関わる会計コンサルタントの価値がさらに高まると予想されます

まとめ

会計コンサルタントは高い専門性と年収を両立できる魅力的な職種です。高水準の報酬と、多様なキャリアパスが用意されている一方で、継続的な学習と高いプロフェッショナル意識が求められます。

数字への親和性、論理的思考力、コミュニケーション能力を備えた方には非常におすすめの職種といえるでしょう。激務というイメージもありますが、近年の働き方改革により労働環境は改善傾向にあり、リモートワークなど柔軟な働き方も可能になっています。

会計コンサルタントを目指す方は、まず必要な資格の取得や実務経験を積み重ね、そして自身のキャリアビジョンの明確化から始めることをおすすめします。専門性を活かして企業の成長に貢献できるやりがいの大きな仕事として、ぜひ検討してみてください。

この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のディレクション、セミナーの運営を担当。年間500本以上の記事を監修しています。アドバイザーとして多くのご登録者様から伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
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