M&A業界は転職市場の中でトップレベルの年収が実現しやすいため、人気の業界となっています。特に未経験からの転職の場合は、選考倍率が高いため、プラスアルファの資格やスキルがあるかどうかが肝心です。
今回はそんなM&A業界で英語力は必要なのか、どの程度の英語力があると評価されるのかを解説します。
M&Aは企業の買収や合併のことを意味する言葉で、「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称です。自社を譲渡する企業を売り手企業、売り手企業を買収する企業を買い手企業と呼び、それぞれの意向や思惑がマッチした際に、M&Aの手続きに進みます。
買い手は事業規模の拡大や新規事業の立ち上げによって会社の売り上げを高めていきたい、売り手は後継者を見つけて会社を存続させたいとか、経営不振で倒産のリスクもあり、安定した経営基盤が欲しいというような企業が多い一方で、特に譲渡の意思はなかったものの買い手からのアプローチによって譲渡に踏み切るケースもあります。
上述したM&Aを行う、もしくは行おうとしている企業をサポートするM&AアドバイザーやM&A仲介などの職種があり、それらを総称してM&A業界と呼びます。
では、そんなM&A業界においては英語力は必要なのでしょうか?
結論から申し上げますと、英語力は必須ではないといえます。M&Aの業務に活かせるスキルとしては、公認会計士や税理士、弁護士などの国家資格や、M&Aエキスパート認定資格やM&Aスペシャリスト資格などの民間資格が知られています。ただ、こうした資格に限らず、英語力に関してもある程度の評価を得ることができるというのは事実です。
そのため、M&A業界において英語力は必須ではありませんが強みとなるといえるでしょう。
M&A業界において英語力が強みとなる理由について、実際の業務で活かせる場面があるからということがあります。
具体的には、クロスボーダー案件を担当する場合や、外資系のコンサルティングファームでM&Aを業務を行う場合などが挙げられます。
海外企業とM&Aを行うことをクロスボーダーM&Aといい、売り手企業または買い手企業の一方が海外企業である場合を指します。こうした案件では、相手企業の担当者との対応をはじめとして、M&Aの戦略策定からクロージングまで全て英語でやり取りをする必要があり、英語力は必須となります。
また、外資系のコンサルティングファームなどでM&A業務を行う場合、国際的な取引やプロジェクトに関与することが多く、英語は共通のビジネス言語として使用されます。さらに、従業員が英語話者であることも多く、働くうえで英語での会話や情報収集が日常的に必要であるため、英語力が求められるといえます。
では、上述のようにM&Aの業務において英語力が必要となる際に求められる英語力とは、どのくらいのレベルなのでしょうか?
転職市場で英語力を推し量る指標として最もポピュラーなものはTOEICですが、M&A業界では800点台後半を保有しているかどうかが、ポイントになってきます。PROFICIENCY SCALE(TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表)によると860点以上は次のような能力があるとされています。
2022年の平均スコアは608点だったので、800点台後半というのはかなり難関といえます。しかし、業務に活かせる公認会計士や税理士、弁護士は国家資格の中でもトップレベルの難易度なので、それに比べると目指しやすいと言えるかもしれません。
参考:ビジネス英語を学べる英会話スクールおすすめ16選【失敗しない教室を厳選】│サクキミ英語
このように、M&A業務を行うにあたり、絶対に英語力が求められるわけではありませんが、希望する業務や将来のキャリアプランによっては英語力があることがメリットとなります。
具体的に、M&A業界で働くうえで英語力があることの大きなメリットは以下の2つになります。
英語力を身につけることができれば、上述のように国内の案件だけでなくクロスボーダー案件や、海外のクライアントとの対応においても活躍することができます。そのため、日本語だけの場合と比較して、英語力があることでグローバルに活躍の場が広がり、仕事の幅を世界に広げることができる点がメリットとして挙げられるでしょう。近年の高齢化に伴う後継者不足問題により日本でもM&Aの件数が増加していますが、今後さらなるグローバル化に伴い海外の案件がより増えてくることが予想されます。英語力を備えたM&Aアドバイザーのニーズも高まり、M&A業界の中でもより活躍する人材になることができるでしょう。
M&A業界は、高年収やキャリアアップといった理由で転職市場でも高い人気を集めており、転職の難易度も他の業界と比べると高いといえます。
しかし、英語力があることで差別化を図り、転職活動を有利に進めることができるといえるでしょう。
上述の通り、通常M&A業務において英語力が求められることはありませんが、直近のM&A業界の転職市場においては英語力のある人材の市場価値が高まっている傾向があります。実際に数年前と比較し、英語力を求める求人は非常に増えてきたという感覚があり、これまで英語などの語学力とは無縁だったポジションであっても、歓迎要件として記載する求人が増えてきています。今後、さらなる海外M&A案件の増加も予測され、英語力を求める求人はさらに増えるため、英語力のある方は有利に転職を進めることができるでしょう。
では、実際にM&A業界で英語力を活かして働ける職場にはどのようなところがあるのでしょうか?
具体的には、金融機関における投資銀行部門や、Big4・独立系FASが挙げられます。M&AやPMI部門などで活躍することができるでしょう。またコンサルティング領域についても、ボストン・コンサルティング・グループをはじめとした経営コンサルのグローバルトップファームや、デロイトトーマツコンサルティングやアクセンチュアといった総合系のコンサルティングファームのように外資系では、英語力のある人材が重要的に登用されています。さらに、投資ファンドやM&Aを行っている外資系の一般企業においても、英語力を有する人材の採用が行われているため、英語力を活かして働くことができるでしょう。
《参照記事》
M&A業界で働くうえで、英語力は必ずしも必須ではありません。
しかし、グローバルな環境で活躍したい場合や、仕事の幅を広げてキャリアアップしたい場合には、英語力は強みになるといえます。
さらに、グローバル案件の増加に伴い、今後英語力を備えた求人がより増加することが予測され、国内の企業だけでなく外資系の企業などで働くことも視野に入れることができ、キャリアの幅も広げることができるでしょう。
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M&A業界は魅力な部分が多いため、応募する求職者の数も多いです。英語力が活かせる方であっても、経験やスキルが重視される傾向にあるこの業界では書類選考や面接に万全の対策をして望まないと、思うような転職活動ができない可能性があります。
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英語力がある方は多様なキャリアの選択が可能なため、どの業界や職種に転職するか迷うこともあるでしょう。ここではそんな方のために、M&A業界で働く魅力について紹介します。
M&A業界は一般的には年収が高水準です。その理由は、無形商材のため費用が少なくて済むのと併せて、1件単位の売上金額が高いことにあります。最低でも500万円程度の年収は確保できる可能性が高いので、年収をアップさせたい転職希望者にとってはかなり魅力的に映るとは思いますが、その分それなりのポテンシャルやスキルが必要になってきます。
また、インセンティブが組み込まれている企業がほとんどなので、うまく売り上げを上げていければ、基本給の何倍も稼ぐことも可能になります。
M&A業界は成果主義、つまり成果を上げれば上げるほど給料が上がるシステムを取り入れている企業が多いです。そのため、結果を出すだけ評価される環境でバリバリ働きたいという方からも人気を集めています。
M&Aのサポートをするとひとえに言っても多岐にわたる業務があり、M&Aの相手を見つけるところから完了させるまでの過程で多くの知識を身に着けることができます。企業の管理部と深く関わって業務を行うため、M&Aの知識だけでなく、財務や法務といった管理部門の知識も必要です。結果的に、将来的にも汎用性の高いスキルや経験を得ることができるのは、大きなメリットになります。