日本には数多くの会計事務所がありますが、その中には大手会計事務所と称されるものがあります。これらのトップ会計事務所は日本のみならず世界規模で活躍し、多くの企業に対して税務コンサルティングなどのサービスを提供することで、企業活動にダイナミズムをもたらすものです。
そこでこの記事では、日本の大手会計事務所やその仕事内容、働く上でのメリットなどについて説明します。ぜひ最後までご参考ください。
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まずは、日本の大手、準大手会計事務所に分類される会計事務所や、その他の有力な会計事務所について説明します。これらの会計事務所は、大手監査法人との提携関係で位置付けが語られるので、その点を含めて以下で解説します。
日本の大手会計事務所とは、日本における四大大手監査法人のメンバーファームもしくはこれと提携している四つの会計事務所が挙げられます。いわゆる四大会計事務所とも称されるものです。
大手監査法人とは、100社以上の上場企業の監査を行い1000人以上の監査者を抱える監査法人のことです。日本では、以下の四大監査法人がこれに当たります。
・EY新日本有限責任監査法人
・有限責任あずさ監査法人
・有限責任監査法人トーマツ
・PwCあらた有限責任監査法人
そして、四大監査法人それぞれに呼応する形で、業務提携等の密接な関わりをもつ四大会計事務所が以下の通りです。
・アーンスト・アンド・ヤング(EY新日本有限責任監査法人と提携)
・KPMG(有限責任あずさ監査法人と提携)
・デトロイト・シュウ・トーマツ(有限責任監査法人トーマツのメンバーファーム)
・プライスウォーターハウスクーパース(PwCあらた有限責任監査法人と提携)
なお、それぞれについては、税理士法人との提携もしており、以下の4つをあわせて四大税理士法人と呼びます。
・EY税理士法人
・KPMG税理士法人
・デロイトトーマツ税理士法人
・税理士法人プライスウォーターハウスクーパース
準大手監査法人とは、大手監査法人に準ずる規模を有するものです。日本では、これに該当するのは以下の5法人です。
・仰星監査法人
・PwC京都監査法人
・三優監査法人
・太陽有限責任監査法人
・東陽監査法人
そして、それぞれの準大手監査法人と提携している準大手会計事務所は以下の5社です。
・NEXIA International(仰星監査法人と提携)
・プライスウォーターハウスクーパース(PwC京都監査法人と提携)
・BDOインターナショナル(三優監査法人と提携)
・グラントソントン・インターナショナル(太陽有限責任監査法人と提携)
・クロウ・グローバル(東陽監査法人と提携)
日本では、その他にも以下のような有力な会計事務所が数多く活躍しています。
・東京共同会計事務所
参考記事:総合力で顧客満足度を高める東京共同会計事務所
・青山綜合会計事務所
参考記事:プロフェッショナルが集う青山綜合会計事務所
・日本クレアス税理士法人
参考記事:長い付き合いをするなら日本クレアス税理士法人
ここからは、大手の会計事務所の仕事内容について説明します。個人や小規模の会計事務所とは異なり、大手の会計事務所の顧客は、大企業やそのグループや外資系、あるいは金融機関等の専門性の高い組織が中心となります。
そして、事業規模が大きいクライアントが多いことから、大手会計事務所に所属する限り、一つの案件を一人ですべてこなすということはあり得ません。複数でチームを組みながら、個人としてはかなり細分化された業務を担当することになります。
大手の会計事務所は、組織規模の大きな企業に対して、いろいろな税務系サービスを提供します。
経理担当類似の日常的な税務署類作成業務はもちろんのこと、税務コンサルティングの観点から、組織再編やM&Aなどの組織体系の在り方に対する助言をすることもあります。
特に、大手会計事務所に特有のサービス内容としては、国際税務に関連するものも挙げられます。クライアント企業が外国にも活動拠点を有することから、タックスヘイブン税制をはじめとする諸外国の税制に応じた税務アドバイスを行い、あるいは税務を執行します。
大手の会計事務所は、ひとしく監査法人としての役割を担っているケースが少なくありません。そのため、必要に応じて各種監査業務を行い、また、IPOやデューデリ、各企業における内部統制監査システムの構築アドバイスなどの業務も取り扱います。
ここからは、大手の会計事務所で働く上のメリット・デメリットについて説明します。取り扱う業務内容が小規模会計事務所とは異なるため、仕事上のメリット・デメリットにも特徴があります。
まずメリットとして挙げられるのが収入面についてです。四大会計事務所ともなると、大卒一年目、まだ研修期間中であるにもかかわらず(在学中に公認会計士試験・税理士試験に合格する場合は大学を中退して入社するケースも)約600万円の年収を提示されます。その後の年収増加ペースも普通の職種とは比較にならず、高収入を実現することができます。
次に挙げられるのが、経歴に箔がつくという点です。大手会計事務所に所属する場合、その多くがキャリアチェンジを視野に入れいています。国内大手企業や金融機関への転職は当然のこととして、大手会計事務所に所属しながら外国の公認会計士資格を取得するなどして、海外移転をするケースも少なくはありません。また、ベンチャー企業を立ち上げる場合もあるでしょう。いずれに場合についても、大手会計事務所に所属していたという経歴は武器になるはずです。
また、大手会計事務所でしか触れることができない仕事が多いので、経験の蓄積・スキルアップに繋げることができます。特に、大手企業を相手にする以上、税法関連知識だけに優れているだけでは仕事を全うすることができません。会社法をはじめとして、その他関連法制の知識も定着するため、この点も転職に役立てることができるでしょう。
他にも、各種教育システムが整っている点もメリットと言えるでしょう。海外資格取得のための留学支援なども行われています。
デメリットして挙げられるのは、激務です。決算期などが忙しいのは当然として、普段からそう簡単に休みをとることはできません。仕事内容の難易度も高く、それでいて仕事量も多いため、非常にハードです。
また、独立して個人事務所を立ち上げるときなどには、大手会計事務所に在籍していた際に身に付けていた知識が役に立たない場合があります。クライアントの差が如実に表れるので、やや語弊があるかもしれませんが、「簡単な仕事」ができないというリスクが生じます。
大手と中堅の税理士法人の業務内容の違いについては、こちらの記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
参考記事:Big4税理士法人と中堅税理士法人の業務内容や特徴を比較
大手の会計事務所で仕事をするには、当然ながらある程度の素養を備えている必要があります。
公認会計士試験や税理士試験に合格するのは当然のこととして、試験の順位や合格したときの年齢、卒業大学などが厳しく問われます。
国際案件が多いことから、英語をはじめとした語学力を備えている方が就職には有利でしょう。ここで、よくTOEICのスコアが引き合いに出されがちですが、大手会計事務所に就職するにあたって「〇〇点だから有利」ということはありません。TOEICについては、むしろある程度高得点を取得できて当たり前のものですので、特にこだわらないようにしましょう。
大手の会計事務所に関する説明は以上です。専門性の高い仕事に触れることができる反面、仕事量や難易度面でタフさを強いられることをご理解いただけたと思います。大手の会計事務所に入社を希望されるのなら、努力を怠らず、日々邁進してください。
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