会社で仕事をしていれば、生産性という言葉は必ず耳にするでしょう。生産性とはどのようなことを意味するか、詳しくわからない方もいるのではないでしょうか。生産性をアップするということに着目しがちですが、生産性についても正しく把握しておく必要があります。今回は生産性とは?生産性がダウンする理由、アップする方法とは?について解説していきます。
生産性が世界の先進国の中でも日本は低いということがニュースなどで報道されるたびに、生産性が社内においても話題になるでしょう。生産性をアップする方法については社内で多くの人が議論しますが、生産性自体について議論する人はあまりいないでしょう。
ここでは、生産性の定義についてご紹介します。
まず、何かを生産するときには、有形無形に関係なく生産要素というものが必ずあります。
例えば、住宅を建築するときは、土地、原材料、機械設備、住宅を建築する人が必要です。これらの生産要素には費用がそれぞれかかります。生産性というのは、このような生産要素と獲得できる成果物との相対的な比率です。
つまり、何かを作るときに、生産要素がいかに効果的に使用されたかであり、本来の生産性はこれを比率で示したものです。そして、生産性は産出を投入で割ったものになります。
労働の生産性の種類としては、付加価値生産性と物的生産性があります。付加価値生産性というのは、会社に生産物が売れたときに入る金額的な付加価値を単位とするものです。付加価値とは、原材料費、外注加工費、機械の修繕費、人件費などの費用を売上高から差し引いたものです。一方、物的生産性というのは、生産するものの重さ、大きさ、個数というような物量を単位とするものです。いずれの生産性も、基本的な生産性の測定方法の考え方は同じですが、分子と分母が入れ替わってきます。
例えば、1人の労働者についての物的生産性を計算するときは生産性を労働者の人数で割ったものになり、1時間あたりの物的生産性を計算するときは生産量を労働者の人数と労働時間を掛けたもので割ったものになります。
一方、1人の労働者の付加価値生産性を計算するときは付加価値額を労働者の人数で割ったものになり、1時間あたりの付加価値生産性を計算するときは付加価値額を労働者の人数と労働時間を掛けたもので割ったものになります。
ここでは、生産性をダウンする理由についてご紹介します。
社内の労働環境において、常に次のようなことが起きていないかチェックしてみましょう。
日本は、労働が長時間になっているために、過去に国連の社会規約委員会から過労死が多いということについて指摘されたことがあります。日本における労働が長時間になっていることは、このように大きな問題になっています。労働が長時間になると、著しく生産性はダウンします。
労働が長時間継続すれば疲労やストレスが溜まって、判断力や集中力がダウンします。社員の作業が遅くなるだけでなく、トラブルやミスにつながるときもあるでしょう。しかも、遅くまで社員が会社にいると光熱代もかかります。また、時間外労働は給料が割増になります。
構造上、人の脳は並行して二つ以上のことを処理するのが得意でないといわれています。
一見すれば、並行して処理しているように思っても、スイッチをめまぐるしく切り替えているのみです。負荷を継続してかけていると限界がいずれきます。
他の案件の資料をチェックしながら、電話で取引先とやりとりしたり、同時に上長に送るメールを作っていたりするなど、常に社員のマルチタスクが起きているのではないでしょうか。組織としては、可能な限りこのようなマルチタスクを少なくすることが大切です。チームリーダーや管理職として部下がどのようなことをしているかが掴めるツールを採用したり、統一した連絡方法にしたりするなど、社内の労働環境がマルチタスクにならないようにすることも大切です。
生産性をアップする方法は、大きく分類すると次のようなものがあります。
アウトプットを保って、インプットを少なくします。
例えば、仕事を見直すことによって、無駄を削減したり、無駄な工程を削減したりするなどがあります。
アウトプットを多くして、インプットを保ちます。
例えば、労働者のスキル・集中力をアップして、1時間あたりの成果を多くしたり、商品を値上げしたりするなどがあります。
アウトプットを少なくし、大幅にインプットを少なくします。
例えば、人員の削減、赤字の部門の縮小や売却というようなリストラクチャリングなどがあります。
インプットを多くし、大幅にアウトプットを多くします。
例えば、新しい投資、黒字の部門の増員などがあります。
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