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税理士試験の概要について詳しく解説!受験資格や科目合格制など受験生必見

HUPRO 編集部2020.01.14
税理士試験の概要について詳しく解説!受験資格や科目合格制など受験生必見

税務の専門家として、税務署への申告を行ったり、税務相談などを行う税理士。税理士になるためには難関資格として名高い、税理士試験に合格する必要があります。今回は、税理士試験の受験資格や科目合格制など概要を説明しながら、具体的な勉強方法や税理士としてのキャリアについても、あわせて紹介していきます。これを読めば、税理士試験の基本は全て網羅できますので、受験生は必見の内容です。

税理士試験の概要

スケジュールと試験会場

税理士試験は年に1度行われます。毎年7月上旬から8月中旬のうち3日間で行われますが、2020年については東京オリンピックの影響で、以下の通り日程が8/18~8/20と例年に比べて遅くなっています。
受験会場は全国12か所。以下のいずれかの都市で受験ができます。
1.北海道 2.宮城県 3.埼玉県 4.東京都 5.石川県 6.愛知県 7.大阪府 8.広島県 9.香川県 10.福岡県 11.熊本県 12.沖縄県

出典:国税庁HP|令和2年度(第70回)税理士試験実施スケジュールについて(予定)

5科目受かれば良い

税理士試験の科目については後で詳しく紹介しますが、税理士試験には『科目合格制』という制度があります。これは税理士試験は全11科目あり、そのうち5科目に合格しなければなりませんが、一度に合格する必要はなく、一度合格した科目は生涯有効になるという仕組みです。そのため、社会人にとってはとても有り難い制度で、働きながらでも、1年に1科目ずつ合格して5科目合格を目指すという方法も取ることができます。

合格までの平均年数

税理士試験合格までの年数は本当に人によってバラバラです。大手予備校などが出しているデータですと、おおよそ3〜5年が5科目合格までに要する年数となっています。しかし、仕事を続けながら税理士試験を目指すのか、もしくは仕事を辞めて税理士試験の勉強に専念するのかによっても、試験勉強にかけられる時間がかなり違ってきますので、しっかりと自分の置かれた環境を照らし合わせて判断するようにしてください。

税理士試験の受験資格

税理士試験には受験資格があります。基本的には以下の要件を満たす人です。

【学識による受験資格】
①大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
②大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
③一定の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
④司法試験合格者
⑤公認会計士試験の短答式試験に合格した者(平成18年度以降の合格者に限られます。)


【資格による受験資格】
①日商簿記検定1級合格者
②全経簿記検定上級合格者(昭和58年度以降の合格者に限られます。)


【職歴による受験資格】
①法人又は事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
②銀行・信託会社・保険会社等において、資金の貸付・運用に関する事務に2年以上従事した者
③税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者

【学識による受験資格】における、法律学又は経済学については、専攻や専門科目である必要はなく、一般教養科目も該当します。
また、【資格による受験資格】に記載があるよう、学歴の要件を満たさない場合は、簿記検定に合格することで受験資格を得られます。
さらに、【職歴による受験資格】として、複式簿記による仕訳、決算、財務諸表作成など経理事務に従事した経験でも受験資格が得られます。転職している場合も通算して2年以上あれば受験が可能です。類似の学歴・職歴を持つ場合は、あらかじめ国税審議会の個別認定を受けることにより、受験資格が認められる場合があります。いずれにおいても、税理士試験はかなり受験資格においては寛容といえる試験です。

出典:国税庁HP|税理士試験受験資格の概要

税理士試験の試験科目

税理士試験は11科目にて構成されています。このうちの5科目合格することが必要です。
それぞれの試験は2時間で、合格基準点は各科目とも満点中の60パーセントと国税庁HPで発表されています。ただし、大手予備校の出す合格ボーダーラインは70パーセントを超えるものや、反対に60%を下回る科目もあり、あくまでも参考値のようです。

試験科目は前述の通り全11科目で、そのうち会計科目2科目、税法科目3科目に合格する必要があります。そして、科目選択には決まりがあり、会計科目である簿記論と財務諸表論は税理士試験の必須科目です。そのため、まずはこの2科目から取り組むことになります。よく税理士受験生の間では”ボザイ”と言われる2科目です。
税理士試験はもちろん5科目同時受験もできますが、勉強量から考えて毎年1~2科目ずつチャレンジするというのが手堅い攻略方法です。

また、税法科目での科目選択については、法人税法と所得税法のうちいずれか1つは必須選択で、相続税法、消費税法または酒税法、国税徴収法、固定資産税、住民税または事業税のうちいずれかを選択し、組み合わせて3科目にしなければなりません。
必須選択科目の法人税法と所得税法は両方選択することもできます。しかし、この2科目は他の税法科目に比べると膨大な量の勉強が必要になるため、いずれか1つを選択する受験する人がほとんどです。

税理士試験の科目選択の組み合わせについては、ただ闇雲に合格率が高いものを選ぶのではなく、自分が専門性を身につけていきたい科目を選ぶようにしましょう。また、法人税法や相続税法は会計事務所への就職の際に需要が高い分野で、そういった観点も科目選択の際には大事になってきます。以下の記事でも解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

関連記事:税理士試験科目の組み合わせを考えよう
関連記事:税理士試験において転職に有利な科目とは?

税理士試験の科目免除制度

税理士試験には、「学位取得による科目免除」「特定資格取得による免除」「国税従事による科目免除」の大きく3つの免除制度があります。

学位取得による科目免除とは、大学院に進学して、一定単位取得かつ修士論文が認められると、税法科目であれば残り2科目、会計学科目であれば残り1科目にも合格したものとみなされて、試験が免除されるという制度です。
特定資格取得による免除とは、弁護士もしくは公認会計士の資格を持っている人は税理士試験を受けなくても税理士資格が認められる制度です。
国税従事による科目免除とは、一定期間国税従事者として働いた場合に一部科目が免除になる制度です。具体的には、10年又は15年以上税務署に勤務した国税従事者は、税法に属する科目が免除、23年又は28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者は、会計学に属する科目が免除と定められています。なお、新規税理士登録者のうち、試験合格者の割合は3割ほどで、試験合格者の人数が免除者を大きく下回っており、5科目合格の税理士は希少人材と言えます。

参考記事:税理士試験免除の仕組みと不認定の理由をご紹介

税理士試験の勉強はどのように?

勉強法

これから税理士試験の勉強を始めようという方は、まず、独学か予備校に通うのかの選択に迷うと思います。税理士試験合格者に聞くと、必須科目の簿記論と財務諸表論は独学でも合格できるかもしれないが、税法科目については参考書も数が限られてきたり、税法改正などの最新の情報を得るのが難しかったりするので、予備校に通うべきだという声が大多数です。
また、1年間に何科目を目指すのかという判断も非常に重要になりますので、勉強に確保できる時間をしっかりと計算して、また、周りの受験経験者にアドバイスを求めるなどしながら慎重に決めるようにしましょう。

勉強時間

税理士試験合格に必要な勉強時間は、大手予備校によると、各科目で150〜600時間と目安の時間が載っていますが、実際に合格した人に聞くと、この時間の倍ぐらいは見ておいたほうが良いとのことです。理解するのと同時にそれを暗記するのにも当然、時間を要しますので、やはり合格までにはかなりの時間を要する覚悟をしておくのが賢明でしょう。
税理士試験の勉強方法については、実際に合格された方の声をもとに、他コラムでも各科目ごとに紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

【税理士試験の勉強方法】
関連記事:税理士試験|簿記論の難易度って、実際どのくらい?
関連記事:税理士試験・財務諸表論の理論はしっかり勉強しておこう
関連記事:独学で簿記論・財務諸表論に合格できる!?独学のポイントを紹介
関連記事:税理士試験 法人税法の受験とは?
関連記事:税理士試験で所得税法を選択するのはおすすめ?

税理士と関連がある資格試験

簿記検定

税理士試験を目指す人の中には、まず簿記検定を受験してからという方が一定数います。簿記2級、1級で学ぶ内容は、税理士試験の簿記論と財務諸表論と一部重複している部分もあり、簿記検定のために学んだ内容がそのまま税理士試験でも活かせるからです。また、いきなり税理士試験を目指すのはハードルが高いので、自分に対して適性があるのかを判断するために簿記2級を受験するという方もいます。ちなみに、簿記2級の勉強でおおよそ税理士試験の簿記論の半分ぐらいが学習済みだと言われています。
しかし、簿記検定と税理士試験では出題形態は大きく違うので、そこは注意してください。例えば、簿記検定は過去の類題が出されるのに対し、税理士試験では類題は出されにくく、毎年新しく出題されます。

公認会計士試験

税理士試験と公認会計士試験との一番の違いは、やはり科目合格制です。そのため、税理士試験は働きながら合格する人が多いですが、公認会計士試験は働きながら合格というのは相当難しいです。多くの人は2~3年の間試験勉強に専念して、公認会計士試験に挑みます。どちらが良いというのは明確に定めるのは難しく、仕事を辞めてまで公認会計士試験を目指すべきなのか、それとも多少長い時間がかかっても良いから、仕事を辞めずに税理士試験に挑むべきか、自分のキャリアを考えて決めるべきでしょう。

参考:公認会計士vs税理士 働きながら取るならどっち?|資格の難易度と魅力

税理士試験受験生向けの求人

税理士受験生は働きながらの社会人の方が多いです。そのため、普段働く環境がどのような職場かによって試験の合否に大きく関わってきます。一般的には、やはり事業会社よりも会計事務所の方が、受験生に対して理解がありますので、税理士受験生は会計事務所で働くケースが多くなりますが、全ての事務所がそうであるとは限りません。
会計事務所に転職する際などは、過度な残業時間が無いか、税理士試験前の試験休暇は取得可能かなど、事務所が受験生を応援する体制があるのかしっかりと確認しましょう。なお、税理士受験生は科目合格をしていると、会計事務所への転職の際には即戦力とみなされ、非常に評価対象になります。しっかりとアピールしておきましょう。

また、税理士試験合格前に会計事務所で働いても、税理士資格に必須の実務経験とみなすことができますので、税理士受験生は時短勤務でも良いので、会計事務所で働くことをおすすめします。科目合格の段階で、会計事務所など受験勉強に理解を示してくれる職場へ転職し、税理士登録に必要な実務経験を積みながら受験にチャレンジする方も多くいるのです。

税理士試験科目合格者におすすめの求人はこちら:科目合格者おすすめ求人の注目求人!

税理士資格取得後のキャリア

税理士試験に合格した後は、会計事務所に勤めるか、コンサルティングファームに勤めたり、事業会社にて企業内税理士として働いたり、実務経験を経たのち独立するなど、様々なキャリアが考えられます。ただし、共通して言えるのが、これからの時代の税理士は単なる税務申告や記帳代行などの単純作業では需要が減っていくということです。反対に税理士の専門性を活かした、税務コンサルや財務コンサルなどの仕事はこれからどんどん求められます

税理士試験に合格したからといって、勉強を止めるのではなく、試験合格後も貪欲に学んでさらなる専門性を身につけていくことが大事です。
税理士試験に合格された方のキャリアインタビューをいくつかご紹介します。

関連記事:専業主婦から開業税理士に。美人ママさん税理士脇田先生〜私の税理士年表〜
関連記事:気象予報士から始まった士業への道

また、HUPRO MAGAZINEでは税理士試験に関するコラムを他にも多数掲載しています。気になる方はぜひご覧ください。

税理士試験に関するコラムはこちら:税理士試験に関するコラム一覧

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カテゴリ:資格試験

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