難関資格である公認会計士試験や税理士試験を突破したからこそ、現役の税理士として更なるキャリアアップを目指したいという方は少なくないでしょう。高度な専門性を身につけている方ほど、自らの従事する業務に対して更なる飛躍を実現したいと希望するものです。
ただ、専門性が高い業界だからこそ、キャリアアップを目指すための転職にはちょっとしたコツが必要です。実際、税理士であるあなた自身も「良い条件の求人案件を探すのは難しいかも」と思っているのではありませんか?税理士業界は、専門性の低い一般業種と比べると必然的に業界人口自体が少ないでしょう。また、特別なコネクションなどを活用して良い求人案件を獲得している税理士を目にする機会もあるでしょうし、「有力なコネがない自分には税理士としてのキャリアアップは難しいかも」と考えてしまうのは仕方のないことです。
そんな方には、税理士の転職に特化している専門エージェントがおすすめです。エージェントを活用すれば、通常のネット検索では出てこないような優良な求人情報に出会う可能性が高まるからです。
そこで本記事では、税理士の転職に有効なエージェントの活用方法について解説します。エージェントを活用して、幅広い求人案件からご自身のニーズにマッチした求人案件を見つけて下さい!
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税理士の転職活動には、転職エージェントの活用が必須です。
キャリアアップを目指す税理士の方なら、誰しもインターネットで転職求人情報を検索したことがあるはずです。実際、「税理士」「転職」で検索すると、そこにはたくさんの求人情報があるように見えます。
しかし、実はインターネットで公開されている求人情報は全体のごく一部でしかありません。しかも、インターネットで知ることができる税理士の転職求人案件は、全体のたった約20%、その約80%は非公開であると言われているのです。これでは、自分ひとりで魅力あふれる求人案件に出会うことはできませんし、キャリアアップの実現からは遠ざかるばかりでしょう。
では、残りの約80%の税理士の転職求人情報にはどのような方法で出会うことができるのでしょうか?このような企業側がインターネットなどに公開していない、非公開の求人情報を扱っているのが転職エージェントです。
転職エージェントは、いわゆる人材紹介サービスの一つです。企業から依頼された求人情報と、エージェントに登録をした求職者をマッチングさせることによって、企業と求職者双方のニーズを叶える支援を目的としています。
転職エージェントと似ているものとして、転職サイトが思い浮かんだ方がいらっしゃるのではないでしょうか?転職サイトも、転職エージェント同様、人材を求めている企業と仕事を求めている求職者を繋ぐ役割を担うものです。ただ、転職サイトは、あくまでも転職求人案件がインターネットなどに掲載されているだけです。求職者が自ら情報を検索して、幅広く掲載されている求人案件から自分のニーズに合ったものを見つけなければいけません。つまり、転職サイトを利用するだけでは、結局自分ひとりで転職活動を行うのと何ら変わりがないのです。
転職エージェントを活用すれば、転職サイトにはない以下のメリットを享受できます。
転職希望者ひとりひとりに対して、専任のアドバイザーがつけられます。転職希望者のもつニーズを聞き入れ、いろいろな相談を実施します。非公開求人を含めた幅広い企業の求人情報の中から、転職希望者に合った求人案件を紹介するなどの手厚い支援サポートを期待できます。
転職エージェントを活用すれば担当アドバイザーが転職活動の支援をしてくれます。例えば、履歴書の添削や模擬面接の対応はもちろんのこと、転職希望企業との面接日などのスケジュール調整も代行してくれます。さらに、給与面や福利厚生などに関する諸条件にまで踏み込んだ交渉を行ってくれる場合もあります。
転職活動は、いろいろな負担を強いるものです。仕事をしながら求人情報を探すのは、労力を強いられるでしょう。時間的な余裕もないでしょうし、精神的に追いつめられることも少なくはありません。
しかし、転職エージェントを活用すれば、求人案件の調査や細々としたスケジュール調整などをすべて任せることができます。転職希望者自身は、面接などの本格的な転職活動にだけ集中すれば良いので、負担の少ない状態でキャリアアップを実現しやすくなります。
ここまでの説明で、求職者にとって転職エージェントが有用だということはご理解いただけたでしょう。ただ、転職活動で転職エージェントが機能するのは、これだけの理由だけではありません。実は、企業側にとっても、転職エージェントに求人を依頼する大きなメリットがあるのです。
企業や事務所などが人材採用活動をするには、いろいろな意味でコストがかかります。例えば、求人情報を掲載するとなると、求人広告の作成依頼費用、求人情報の掲載料などの金銭的コストが発生します。さらに、採用段階に関しても、応募してきた人に対して書類審査や面接対応をしなければいけません。企業の本来業務以外に時間や労力を取られるわけですから、時間・人材面でもコストが生じます。
基本的に、求人情報というのは広告と同じように扱われます。多くの人に対して長期間求人情報を露出しようとすればするほど、それ相応の費用がかかるのはむしろ当然でしょう。これは、特に専門性の高い職業に関する求人募集では大きなデメリットをもちます。
というのも、税理士などの専門職の募集については、そもそも資格を持っている人だけが求人案件の対象です。つまり、非常に限られた人材に対してアプローチしたいと考えているわけですから、この少数の人たちの目にとまるまで求人情報を掲載し続けなければいけなくなってしまいます。したがって、実際に採用条件にマッチする人の割合を考えると、多くの金銭的コストをかけてマスコミなどの媒体に掲載し続けようという動機は弱まって当然という考えに至るでしょう。
転職求人情報をマスメディア等の媒体に掲載することにメリットがない以上、企業としては、転職採用活動を行うときのツールを見つけなければいけません。そこで、企業の採用活動にも大きなメリットをもたらすのが転職エージェントです。
転職エージェントは、人材を募集するときに料金が発生するのではなく、実際に人材を採用するという段階になった場合にのみ料金が発生するという料金形態がとられています。つまり、採用に至らない場合には、そもそもコストが発生しないのです。
更に、アドバイザーが転職希望者のニーズにマッチした転職求人案件を提案してくれるということは、企業側のニーズにもマッチした求職者の提案を期待できることを意味します。人材のミスマッチを防ぐことができるだけでなく、エージェントが事前に求職者の適性を見極めて紹介してくれているため、時間的コストや採用活動に従事しなければいけないという人材的コストの削減にもつながるのです。
つまり、転職エージェントを利用すれば、ピンポイントで欲しい人材(この場合は税理士)にのみアプローチできるという非常に効率性が高いというメリットが転職採用において実現されるのです。
税理士の転職で更なるキャリアアップを目指したいと考える求職者が、転職エージェントを使うメリットについて、以下で詳しく述べていきます。
転職エージェントは、企業や事務所に適性のある人材を紹介し、入社が決まった場合に成果報酬を受け取ることによって成り立つビジネスモデルです。つまり、成功報酬を支払わなければいけないのは求職者ではなく、人材を求めている企業側なのです。
就職先から報酬をもらうことで成立するビジネスモデルである以上、税理士としてのキャリアアップを望む求職者について料金が発生することは、基本的にはありません。有料サービスを提供している転職エージェントも例外的にはありますが、これを除き、サポート費用は不要です。
無料で転職活動の負担を軽減しながら、キャリアアップ実現まで一直線で進むことができる転職エージェントは、非常に有効な手段と言えるでしょう。
税理士の転職希望者は、複数の転職エージェントに登録することができます。1つのエージェントのみしか登録できないという規約はありません。
転職エージェントごとに扱っている転職求人案件は異なります。すべての転職エージェントが同じ求人情報もっているわけではない以上、複数の転職エージェントを併用した方が、よりニーズにマッチした転職求人案件を提供してもらえる可能性は高まると言えるでしょう。
例えば、まずは試しに1つの転職エージェントに登録してみましょう。そこで提示された求人内容が合わなかったり、専任でついたアドバイザーとの相性が悪いという場合には、別のエージェントに登録すれば問題ありません。
転職エージェントは、登録した求職者とアドバイザーが面談し、転職の希望内容や今後のキャリアプランについて入念にインタビューが実施されます。そして、基本的には転職希望者のニーズにマッチした求人案件を紹介するというスタンスがとられます。したがって、「実際に入社してみたら聞いていた話と違った」というようなことが起こりにくい仕組みであると言えます。
採用ミスマッチは、企業にとってだけではなく転職希望者にとっても大きな問題です。転職エージェントを活用すれば、両者にとっての採用ミスマッチを防ぐことが実現されます。
税理士や公認会計士などは、「特化型」といわれる専門のサポートが受けられる転職エージェントが適しています。インターネットなどの広告媒体に転職求人案件が掲載されにくいという業界の特殊性を考慮すると、非公開案件を多く取り扱っている転職エージェントは、税理士でキャリアアップを目指す人にとって有効な転職活動ツールと言えるでしょう。
転職エージェントは、企業が求める人材であることがアピールできるような「履歴書」や「職務経歴書」の作成に関するプロです。あなたの履歴書・職務履歴書が、書類審査を通りやすい内容になるように具体的なアドバイスしてくれます。さらに、エージェントによっては推薦文をつけてくれることもあります。これによって書類選考を通る確率はより高まるでしょう。
また、模擬面接という形で面接の練習なども行ってくれます。想定問答を考えてくれたり、好感度をアップさせるための自己PR方法も検討してくれるでしょう。これによって、自分のニーズにマッチした希望企業からの内定を受けられる確率は、自分ひとりで転職活動をするよりも格段に高くなるのです。
実際、せっかく転職希望者が良い経歴を持っているのに、履歴書と職務経歴書の作成が不十分で書類選考に落ちてしまうケースや、面接で上手く自分をアピールできない結果、不採用になってしまうことは少なくありません。仕事をしながら転職活動も並行しているという方は、自分ひとりで履歴書や職務経歴書の作成に時間を割く余裕はないでしょうし、面接の練習なんてしていられなくて当然です。ただ、これではせっかくの好条件案件を逃しかねません。ぜひ転職求人にエントリー前にもう一度ご自身の転職活動を振り返って、専門のエージェントに相談してみてはいかがでしょうか?
転職エージェントは、企業と求職者の間に入り、転職採用に関する条件面の交渉までも行ってくれます。 キャリアアップを目指して転職するのであれば、今までより条件や待遇の良いところで働きたいと思うのは当然のことです。
しかし、これから就職してもらおうという企業に対して、給与面を含めた待遇について自分ひとりで交渉をするのはなかなか難しいものです。企業側に失礼だと受け取られてしまうと、どれだけ良い経歴であったとしても不採用になってしまうというリスクを避けられません。実際、いきなり一次面接で給与交渉などをしてしまった結果、不採用となってしまったケースもあります。
転職エージェントは、求職者に代わっていろいろな条件面の交渉も相手の企業と行ってくれるものです。給与面はもちろんのこと、福利厚生の条件や労働時間に関するものまで、幅広く対応してくれます。
したがって、求職者という立場からはどうしても直接企業に対して伝えにくい給与などの条件面、あるいは、例えば働くママさんで時短勤務を希望しているような方は、ぜひエージェントを積極的に活用して、より良く働ける労働環境を手に入れてください。
転職エージェントは、大きく二つのタイプに分類できます。
1つは総合型転職エージェントです。取り扱う業種業界に制限はなく、多様な転職求人案件を取り扱っています。例えば、求職者自身が今までとはまったく違う業種・仕事にチャレンジしたいと考えているようであれば、総合型転職エージェントで幅広い案件を提供してもらうのがおすすめです。
そして、もう一つは特化型転職エージェントです。一定の業界や職種に精通したアドバイザーが、業界事情を考慮した上で求職者のニーズを最大限満たしてくれるという特徴があります。
税理士のような専門性の高い業界に関する求人案件は、税理士特化型転職エージェントにより多くの募集が寄せられます。したがって、今後税理士としての専門性をより活かしてキャリアアップしたいと考えている人は、ぜひ税理士資格保有者に絞って募集している企業や事務所などの求人を多数揃える特化型転職エージェントを積極的に活用してください。
『最速転職HUPRO』では、士業・管理部門に特化にて転職サポートをしており、特化型転職エージェントとして、税理士業界特化の専門アドバイザーも充実していますので、ぜひチェックしてみてください。
では次に、業界特化型の転職エージェントに集められている転職募集案件から分析できる、現在の税理士業界全体の転職事情を紹介していきます。まず、税理士業界の求人動向について全体的な傾向を指摘します。それは、現在の税理士の転職は売り手市場だということです。つまり、転職によって税理士のキャリアアップは実現しやすいという現状があるのです。
主な要因としては下記の3点です。
・若手税理士の減少ならびに受験生の減少
・税理士法人の増加
・日本全体の景気が向上
日本全体に押し寄せる高齢化の波は、税理士業界にも波及しています。しかも、税理士業界の高齢化は特に深刻で、税理士の平均年齢はおおよそ65歳となっています。なんと、全国で約7万人いる税理士のうち、約6割以上が60歳以上です。これは他の国家資格に関する仕事と比較してもかなり偏った分布傾向を示しています。例えば、弁護士や医師は50歳代までの人口が全体の約8割という状況と比べると、税理士業界の深刻さをご理解いただけるはずです。
さらに、近年のAIの進歩により、「会計事務所の仕事が無くなるのでは?」という噂やニュースが蔓延しています。その結果、20代〜30代の若い人材の中で税理士を目指そうという人がかなり減ってしまっているのです。実際、税理士試験の受験申込人数は、令和元年度が55,880人です。これは、前年比マイナス5%となっています。
税理士志願者、特に若い年代の税理士が少ないために、税理士業界は人手不足の状況です。したがって、20代はもちろん、30代、40代であったとしても、かなり有利な条件で転職キャリアアップを実現できるはずです。
若手税理士が少なく、税理士受験生が減っているにも関わらず、会計事務所側の採用ニーズは年々上がっています。平成13年の税理士法改正により、設立が正式に認められてから20年がもうすぐ経とうとしている税理士法人ですが、税理士法人数は年々増加しています。実際、この10年ではおおよそ1,500件近く増加しており、令和元年12月末日時点で4,133の法人が登録されています。
また近年は、BIG4と呼ばれる最大手の税理士法人だけが日本経済において力を発揮するのではなく、従業員数100〜300名程度の中堅税理士法人も存在感を示しています。このような中堅税理士法人が増加しているのも、税理士に対する採用ニーズが高まっている一つの要因となります。
これからも伸びていくことが予想される税理士法人がどんどん人材を集めている状況なので、税理士業界におけるキャリアアップはそう難しいことではないと考えられます。
そもそも、税理士業界に限らず、景気が向上すると事業規模の拡大志向は強まるものです。その結果、人材採用の需要は高まります。現在、日本全体の景気は他国と比較しても上昇気流にあるので、転職希望者からするとありがたい状況が発生していると考えられます。
また、税理士法人のクライアントは一般企業です。一般企業の売上や利益が上がることによって、税理士法人の仕事はますます忙しくなるでしょう。企業が支払う法人税額も増えるため、税理士の担当する業務量が増えるだけでなく、税理士法人を求める中小企業の数自体も増えるので、税理士法人が仕事に困ることはありません。
さらに、企業経営者も売上が不調の際はどうしても営業成績に目がいきますが、利益が上がると節税なども含め、税務や会計のほうに注力しようとする傾向にあります。日本社会のダイナミズムを考慮すると、税理士業界の未来はかなり明るいと考えられるでしょう。
税理士資格を持つ人は、そのまま同じ領域で会計事務所や税理士法人に転職をするケースが多いですが、中にはその専門性を活かして、一般事業会社の経理財務部門やコンサルティングファーム、さらには金融機関などに転職する場合もあります。それぞれの転職先について紹介していきます。
まず、会計事務所や税理士法人に転職するケースについてです。これは税理士にとって一般的なキャリアですので、周りにも相談しやすく、転職先を見つけるのも比較的容易でしょう。
ただし、よりキャリアアップを目指すのであれば、税理士業務を幅広く扱うだけではなく、今後はより専門性を有する業務にシフトしていくことが求められます。
したがって、近年需要が増している法人税もしくは相続税に特化したり、経営目線を持った財務コンサルティングサービスの提供をはじめるなど、税理士としての経験年数を増すごとに何かしらの強みをつけることが求められます。
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税理士資格を保有して一般事業会社に転職する場合、転職先の会社規模によって取り扱う業務内容が異なってきます。
例えば、大手企業の場合、税務領域を中心に、税理士としての知見を生かせる専門部署に配属されることが多いでしょう。他方、ベンチャー企業のような小規模企業の場合、管理部門全般を任されることにもなるなど、税務関係以外の仕事も幅広く求められるケースもあるはずです。また、将来的な上場を目指している段階の企業の場合、監査法人とのやり取りや、主幹事証券会社とのやり取りなど、上場準備において重要な役目を任されるでしょう。
税理士資格だけに甘んじることなく、幅広い業務を楽しむことができる人にはおすすめの転職先です。
税理士としての専門性を活かして、コンサルティングファームに転職するケースも増えてきています。税理士の転職先としては、主に、財務コンサルティング、会計コンサルティング、経営コンサルティングなどが挙げられます。
今後は、AIの発展により、単に税理士として記帳代行や入力業務ができるだけでは仕事がなくなるというリスクが存在します。したがって、税理士の知見を生かして数字分析を行い、かつ、このようなコンサルティング業務ができることが求められいくと見込まれています。業務内容に多様性をもたせることができれば、キャリアアップも実現できるでしょう。
銀行や証券会社などの金融機関でも、法人に対する事業継承コンサルティングなどの場面において、税理士の需要は高まっています。
金融機関で働く場合、社内の税務や財務担当としてのバックオフィス業務と直接クライアントに対してアドバイスを行うフロント業務があります。その両者において、税理士としての知見を十分に生かすことができるでしょう。
ちなみに、金融機関から会計事務所に転職する人も多く、お互いの業務の親和性は高いと言えます。中長期的なキャリアアップを志向する場合、金融機関への在籍履歴は強みになると考えられます。
ここでは、税理士の転職事情について年代別で見ていきます。
上述したように、20代の若手税理士の需要はとても高くなっています。税理士の資格があれば、BIG4を中心にどの税理士法人にとっても欲しい人材と言えます。
また、20代の転職希望者の場合は、まだ税理士資格を持っていない税理士受験生も少なくありませんよね。その場合、まずは必須科目である簿記論と財務諸表論にさえ合格していれば、他の転職希望者と差をつけられるでしょう。
転職を考える際は、その勤務先が税理士受験生にも柔軟に対応してくれるのか、資格取得応援の体制があるかどうかをしっかりと調べるようにしましょう。
30代の税理士としての転職の場合、ある程度即戦力としてのスキルを求められます。「現職では何社程度のクライアントを持っているのか」「税務申告件数は何件やっていて、どのぐらいの顧問料をもらっているのか」など、具体的な数値が評価されるのも当たり前のようです。面接時にはっきりと聞かれることも多いので、エージェントと強みにできるアピールポイントを確認しておきましょう。
さらに、法人税に強いとか、相続税を専門にやってきたというような専門性に関する強みがあると、より転職時に評価対象となるでしょう。
30代の税理士の転職事情についてはこちらのコラムでも紹介しています。
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40代以降の場合、一般的には転職は難しいと言われていますが、税理士の場合は問題ありません。税理士としての知識と業務経験があれば、転職はわりとスムーズに行われています。業務自体はどこの事務所でもある程度決まった会計ソフトを使用していますし、業務内容にも大きな差異はありません。したがって、転職後すぐに活躍できる場合が多いです。
また、40代以降の場合は、単に個人としてのスキルや経験以外にも組織のマネジメント力も評価対象となります。事務所や企業でのマネジメント経験がある場合は、しっかりと面接時にアピールするようにしましょう。
なお、40代の転職希望者の場合、将来的に独立を考えて、最後の転職先として考えている求職者の方も多いという実情があります。その場合、独立に役立つ転職先がおすすめです。
例えば、独立後の想定クライアントと似ているような顧客を相手にできるように、個人の税理士事務所に転職するのが良いでしょう。もちろん、しっかりと経験がある税理士なら、40代であったとしてもBIG4などの大手税理士法人で高年収を得ることもできるでしょう。キャリアアップという意味では一つの正解ではあります。しかし、大手税理士法人では、クライアントも最大手企業です。独立後に、BIG4在籍時に得た経験が生かしにくいというのが実情でしょう。
したがって、将来独立を考えている場合は、今現在多少年収が下がっても、将来的なキャリアプランを見据えた上で、小規模の税理士事務所に転職するのがおすすめです。
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最後に、税理士事務所でのキャリアについて、2つほどインタビューコラムをご紹介します。
● 知識ゼロから税理士を目指し、人に惹かれて「福島会計」へ |転職体験記
税理士を目指す20代女性のキャリアインタビューです。20代の税理士受験生として働きながら税理士試験合格を目指す働き方に注目しています。
大学卒業後、事業会社の経理マンとして働きながら税理士試験合格を果たした税理士のキャリアインタビューです。事業会社からBIG4の大手税理士法人を経て、現在は独立を果たしています。
以上、税理士特化型の転職エージェントの活用方法や、税理士業界全体の転職事情について解説してきました。
もちろん転職エージェントに登録したからといって、必ずしもそこで転職活動を行う必要はありません。たまたま覗いた転職サイトに、希望に合う条件の良い求人が掲載されていることもあるでしょう。転職活動にはまさに「ご縁」が必要なのです。
ただ、転職エージェントはそのきっかけづくりに最適です。幅広い選択肢の中から、転職成功の可能性をより高めることができます。ぜひ積極的にご活用ください!