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知識ゼロから税理士を目指し、人に惹かれて「福島会計」へ |転職体験記

HUPRO 編集部
知識ゼロから税理士を目指し、人に惹かれて「福島会計」へ  |転職体験記

「自分がやりたいものはなんだろうって、何度も何度も考えました。」
そして、現在は東京・御茶ノ水にある税理士法人福島会計で働きながら、税理士資格の取得を目指す吉田彩弥佳さん(25)。数多くの自問自答ののちに、税理士を目指すことに決めたのはなぜなのか。また、現在どのように働きながら税理士資格の取得を目指しているのか。HUPRO編集部の弥富が吉田さんにお話しを訊いてきました。

「私、もともとアナウンサーになりたかったんです」

ー最初に昔のことから聞いていきたいのですが、まずどんな学生時代を送っていたのですか?

大学は神奈川の女子大の、国際交流学部というところに入りました。スペイン語を勉強してみたいなと思って。でも大学にいるというよりかは、4年間でたくさんアルバイトをやっていたので、それが中心の生活でした。あまり大学にはいかなかったですね。大学4年間は人生の夏休みだってよく言うじゃないですか。だからいかに多くの人に会うかということを意識していました。とにかく、いろいろな珍しいことがしたいっていうことと、いろいろなところに行きたくて。

サークルは放送研究会に入って、ラジオのリポーターをやっていました。原稿を読んだりとか、突撃でリポートをしにいったりとか。それが結構好きで4年間ずっとやっていましたね。実は私、もともとアナウンサーになりたかったんですよ。それで、放送研究会だとアナウンサーにも直結するし、珍しい経験もできるかなと思って。だって、FMラジオで自分の声が流れるなんてなかなかない経験じゃないですか。

ーFMラジオで流れてたんですか?

そうなんです。FMブルー湘南という、横須賀市と三浦半島だけだけで流れてるラジオがあって。その中のある番組のひとつのコーナーを放送研究会がもらっていて、そこでリポーターをしていました。でも、すごい怒られたりもしました(笑)。突撃インタビューのときに、とんちんかんな質問をしちゃうんですよね。最初の質問はあらかじめ考えているんですけど、その質問に答えてもらっている間に次の質問を考えなくちゃいけなくて。そうすると相手の話を全く聴けないので、的外れな質問になってしまうんです。で、生放送中にも関わらずめちゃくちゃ怒られるんですよ。

ーそれも珍しい経験ですね(笑)。では、アナウンサーを目指して就職活動したんですか?

いえ、結局アナウンサーは受けませんでした。どうしてもなりたい動機を見つけられなかったんです。大学の2年とか3年とかになると、将来何になろうかって真剣に考え始めるじゃないですか。周りにもアナウンサーになりたいという友達がいたんですけど、その子達と話していて、アナウンサーになりたい動機ってちやほやされたい以外にないよねって話になって(笑)。で、本当にアナウンサーなりたいのって自分の中で考えたときに、ちやほやされるために社会に出るわけじゃないなと思い、アナウンサーを目指すのはやめました。

ープロになるアナウンサーって、はっきりとした志望動機はあるんですかね?
それが、あるんですよ。言葉で伝えたいとか、そういう何かが。でも私はそういうのがどうしても出てこなくって。あとは、瞬発力みたいなものを面接でいきなり試されるんです。例えば「今年の干支は?」みたいな突拍子もない質問をされたりとか、変な芸やってくださいとか。そういう質問に対応できる自信がありませんでした。私干支出てこないかも!って思って。そういうのも、自分にはちょっと違うかなとなりましたね。

ーでは、そこから別の道を探し始めたんですね。

そうですね。真剣に考え始めたのは大学3年生になってからです。まず、自分の軸は何かということを考えました。そして色々と考えているうちに、受験生のときの体験が自分にとって重要なものだと感じました。

私は塾に通っていたんですけど、そこはある先生が主宰する一風変わった塾だったんです。例えば年末年始に泊まり込みの合宿をやるんですけど、5日間みんなお風呂に入らないんですよ。で、ごはんも5分とか10分で食べ終わって、あと寝る時間以外は全部勉強という鬼畜な合宿があったり。また、その先生が休み時間によく人生論や思想を語っていたんですね。覚えているものでは、「人は何歳からだってやり直せるのだ」とか、「大学受験は人生のゴールではなく、過程に過ぎないのだ」とか。とにかく、影響力が強かったんです。

その中でいまでも強く残っている言葉があります。「私は多くの人に感謝される」とその先生は言っていました。「でもその感謝は私に返さなくてよい。そうではなく、その感謝を他の人に返しなさい」と。感謝の気持ちが芽生えるんだったら、それを他者に伝えることで幸せの連鎖をしていきなさいということです。少し宗教じみたところはあったんですけど(笑)、その言葉は当時の私に強く影響を与え、いまでは私の根本の考え方になっています。それで、改めて自分が何になりたいかと考えるうちに、私は誰かに「あなたに出会えてよかった」と思ってもらえる人になりたいなと思いました。「人が成長する段階での重要な人物になりたい」と思ったんです。

ー塾の先生の言葉が根本にあったんですね。それで、どんな会社に行こうと思ったんですか?

最初は人が成長する段階のどこかに携われるものだということで、教育系の仕事を考えていました。何かを教える仕事や、教育×ITとか。それで、大学3年生になってから教育系のベンチャー企業でインターンをしたりもしました。しかし多くのインターンをやってみたあとでも、絶対にこの会社だ、とひとつに絞れなかったんです。だから、4年生になってもやりたいものが定まらなかったんですね。

そんな中就活で合同説明会に参加したとき、ある証券会社のブースにふらっと入ってみたんです。そうしたら、その会社の人事の方がとてもかっこよくて。顔がかっこよかったとかではなく、立ち居振る舞いや話し方が輝いて見えたんです。企業で働く人をたくさん見た中で、初めてそういうふうに思えたんですね。それが証券会社を目指そうと思った最初のきっかけでした。それに、自分が大事にしていた「人が成長する段階での重要な人物でありたい」という考え方とも一致する仕事だと思いました。人はいつまでも成長するし、お金という面でその人の人生に大きく関わることもできる。そして、そのためにまずはお金のプロフェッショナルになろうと思い、ある大手の証券会社に新卒で入社しました。

飛び込み営業は全く苦じゃなかった。だけど…

ー証券会社ではどんな仕事をしていたんですか?

飛び込み営業です。家やオフィスのインターホンを片端から押していき、証券口座を作りませんかという営業をしていました。ただ、インターホンを押しただけでいきなり20分くらい怒鳴られることもありましたね。「あなたみたいな若い子が来たからって、みんなもう分かってるんだから!」と。でも、何回も通ったら口座を開設してくれた方もいたし、「寒いでしょう、こんな仕事早く辞めなさい」と言ってホッカイロをくれたおばあちゃんもいたし、楽しかったです。

ー話しかけることは苦じゃなかったんですね。
そうですそうです。もう何も考えていないんです(笑)。何も考えないのがコツ。最初のひとことだけは勢いにまかせて言って、あとはそこから考えていけばいいんです。だから飛び込み営業はそんなに辛くなかったですね。ただ、証券会社には1年ちょっとしかいませんでした。3年くらいは勤めようと思っていたんですけど…。証券会社って体育会系の雰囲気があって、私はいままで体育会系で生きてきていなかったので、なんとなくギャップがあったんですね。それに私は漠然と、いつかは独立したいと考えていました。それもあって、新卒で入った会社でずっと働くということはあまり考えていなかったんです。転職は常に考えていて、会社を辞めてから真剣に考えるようになりました。

ーでは、税理士の仕事については会社を辞めてから考え始めたんですね。
はい。会社を辞めてから、自分がやりたいものってなんだろうって何度も何度も考えました。色々な人に相談もしました。そのときある人に、「0.1歩でも金融業界に入ったんだから、まったく違う畑に行くんじゃなくて、少しでもつながりのある仕事したら?」と言われて。そこからもう一度、私はなんで証券会社入ったんだっけ、と考えました。また、この一年間で面白かったことも思い出してみました。

その中で思い浮かんだのが、会社で毎朝行っていたマーケットを読むための研修でした。新人は毎日、新聞のマーケット欄の記事をひとつ選び、それを元に株価が上昇しそうな銘柄を考えるというロールプレイングを行っていました。ある会社の株価の動きを、その会社の財務諸表を見て考える。それが楽しかったんです。数字を見るのが好きで、中長期経営計画書などを見るのもとても好きで。好きなことで楽しいと思うことをやっていきたいと思ったので、マーケットに関わる仕事をしていこうと考えました。

ーなるほど。

だから、まず投資ファンドに入ろうと思ったんです。でも、未経験者を受け入れる募集はほとんどなくて。中途採用ではそれなりに経験があり、成果を出す見込みのある人物を募集していて、私にはちょっと無理かなと思いました。それでまた考えてみると、私にはいまお金に関する知識がないから、一から積んでいくしかない、と。また、ゆくゆくは独立してやっていける仕事がよいとも思いました。私は50歳になっても60歳になっても、楽しく活き活きと生きていたいという思いがあります。雇われて受動的に仕事をしているよりは、自分自身で動ける仕事が楽しいかなと思って。それで、手に職があり、会計や会社の数字に強くなれる仕事はなんだろうと考えるうちに、税理士という仕事に辿り着いたんです。

福島会計のホームページを見たときから、私が働くのはここだな、と

ー税理士を目指すと決めたあと、具体的にどのような転職活動をしたんですか?

最初は大手の転職エージェントに登録していたんですが、税理士の募集はやはりほとんどないんですね。そのとき、士業専門の転職支援と書いてあったヒュープロさんに出会い、これしかないとなって。そして、ヒュープロさんで3社を紹介していただきました。私がいま働いている福島会計と、もうひとつ同規模の会計事務所、あとは会計コンサルの会社です。

ーその中で福島会計を選んだのはなぜでしょうか?

実はホームページを見たときから、たぶん働くのはここかなと思っていました。まず所長が女性というところがいいなあと。あと、会計事務所のホームページって堅い雰囲気のものが多いんですけど、福島会計のホームページはとても柔らかい感じで。それで、もともとよさそうだなと思っていました。そのあと実際に面接で色々な方とお話ししてみて、やっぱりいいなと。

例えば、育児休暇を取りつつ税理士の試験を受けて合格したという女性社員の方とお話しさせてもらいました。そして、お腹が大きい状態で税理士の試験を受けましたという話を聞いたんですね。そのあと所長の福島さんと話したんですが、それが決め手でした。女の人だからというのもあって私の気持ちも分かってくれるし、社会の生きにくさについてふっと言ってくれたりして、これ分かってくれるんだ、と。実は写真で見るよりいい人です(笑)。写真だと少しきつい方なのかなと思っていたんですけど、会ってみたら柔らかくて優しいし、ちょっと天然なところもあって。

あと、男性の役員の2人もとても優しくて、しかし当然仕事に対するプロ意識も高くて。この会計事務所は会計業界の中でも最先端を歩いていきたいと考えている事務所なんだという話もしてくれました。全体的に人がすごいよかったというのが、入所を決めた理由ですね。

ー入る前に思っていたことと、入ってから違うなと思ったことはありますか?

思った以上に、みんないい人でした(笑)。女の人も男の人も福島会計に対する思いが強いですね。この会社をよくしていきたいんだという気持ちがあります。私が入ってすぐ会社の合宿があったんですけど、そのときそれを感じましたね。古株でずっと福島会計に勤めている方が、福島会計がどんどん良くなってきていて、毎年作っている経営計画書も初めてとてもいいものになったという話をしていて。福島会計のことをそこまで考えていることに感動しました。あと、中島みゆきの「糸」っていう歌があるじゃないですか。それを、社員でカラオケに行くと必ず歌う方がいるんです。その方が、うちの会社は「糸」だと。福島会計が縦の糸で、社員とかお客様が横の糸で、それが布を織りなしていくんだ、と言うんです。福島会計は「日本一働きやすい税理士法人を目指す」と宣言しているのですが、社員の方々も会社を愛しているんだなという思いが伝わってきました。

また、私は分からないことをよく質問するんですよ。例えば今は年末調整の時期なので、先輩が所内研修をしてくれるんです。さらに研修が終わったあとにも時間を取っていただいて、私が分からなかった点を質問すると、具体的な社会保険料の領収書を持ってきて丁寧に教えていただきました。こんなに時間を取ってくれてありがとうございます、という気持ちが生まれました。丁寧だし、本当に真剣にどんな質問にも答えてくれます。

ー想像を超えて、いい方々だったんですね。いまはどのような業務を行っているのですか?

現在のメインはお客様の月次の会計情報の入力業務や、決算の入力業務、年末調整のための申告書の入力業務です。こうした基礎的な業務をしっかりできるようになったら、そのあとはお客様のコンサルタント業務に携われたらと考えています。ただ私は税理士の知識ゼロから始めたので、入ってきたばかりの頃は本当に何も分かりませんでした。入力に使うのは初めて見るソフトで、最初はただ言われた通りに入力していくような感じでした。最近はやっと、なぜこの数字があっていないのかが少しずつ分かってくるようになりました。日々勉強して、ひとつずつステップアップしています。

ーでは実務を行いつつ勉強を重ね、税理士試験を受けていくイメージでしょうか。

そうですね。まず今年の11月には簿記1級を取り、来年の8月に簿財(簿記論と財務諸表論)を取る、というのが当面の目標です。簿財が取れたらそのあと大学院に行くか、そのまま試験を受けるか、その2択で迷っています。大学院に行くと、税理士試験の2科目分が免除になるんですけど、その分2科目分の勉強を怠ることにもなるかもしれないと思っていて。試験を受けた3科目しか、しっかりと勉強しないということを考えたら、知識があまりない税理士になってしまうかもしれない、と悩んでいます。大学院で2科目分を取ったとしても、しっかりと勉強をしていればよいとは思うのですが…。もし大学院に行くとすれば2年かかり、そのあと残りの1科目の試験を受けるので、30歳までには税理士資格を取れればと考えています。

ただ心強いのは、私以外にもうひとり、IT業界から入ってきてまったくの未経験の人がいることです。ほぼスタートラインが一緒みたいな人もいるので、色々聞けるのがありがたいですね。お互い分かっていない部分を確認し合ったりしています。また、社員の方で試験を受けている方が全部で4人いるので、情報を教えていただいたりもしています。例えばこの科目はTACがよいとか、税理士以外の資格はこういったものが役に立つ、など。特にこちらから訊かなくても、分からないことがあれば質問してねと言っていただいていて、本当にありがたい環境です。

ー心強いサポートがある環境ですね。最後に、勉強を続ける上で心がけていることはありますか?

これは今年の目標でもあるんですけど、筋トレをすることです。なぜ筋トレを始めたかというと、体力をつけるというのが目標です。やっぱり仕事をしながら勉強ってけっこうきついんですよね。朝早く起きて仕事をすると、帰ったときにはくたくたになっています。でも起きている間は元気でいたいから、これは運動を日常の中に取り入れなければならないなと感じまして。これから時間が経てば、体はどんどん衰えていく。体が衰えていくと、それだけ一日のパフォーマンスは下がっていくわけじゃないですか。そして、一日にできる勉強量はどんどん減っていく。それがいやなので、いまのうちから健康体というのを作っていきたいんです。

ー本日はありがとうございました。

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