着実なビネスキャリアを目指す女性にとって、税理士という資格は、女性のライフスタイルに合った柔軟な働き方とキャリアアップの両方を実現できる最適な資格の一つであると言えます。この記事では、自分らしい生き方とキャリアアップの両方を実現したい女性に、税理士としてのキャリアプランを解説します。
2019年1月に総務庁が発表した労働力調査によると、女性の就業率が50年ぶりに50%を超えて、51.3%となりました。
従前、日本においては子育て期間となる30代において女性の就業率が下がるM字型カーブを描いていたのですが、それもほぼ解消されつつあります。これからは、キャリアアップをしながら仕事を続ける女性が多くなることが予想されます。そのためには、やはり資格を持っていることが有利です。
一口に資格といっても多種多様な資格がありますが、その中でも税理士の資格は、ある程度柔軟な働き方を取り入れてキャリアアップをしたい女性にとっては、有利な資格といえるでしょう。実際に、税理士の資格を取る女性の割合は年々増加しています。その理由としては、税理士の資格を持っていると、大規模で専門性の高い税理士法人から個人経営の税理士事務所まで多種多様な働き方を選択することが出来るからです。
税理士の資格を持っていると、キャリアアップをしたい時には比較的大きな事務所で幅広く高度な知識を要する税務業務に従事して、逆に子育て期間は融通が利く個人の税理士事務所などで、仕事に費やす時間の割合を決めてキャリアを継続するというメリハリのある働き方が可能です。このように、働く時間の割合を柔軟に選択できるのも、出産を担う女性にとっては、税理士という資格は大きなメリットがあると考えられます。
また、最近では、Freeeやマネーフォワードのように、クラウド会計システムを企業に提供するFintech企業も出てきています。このようなクラウド会計システムには、自動仕訳機能がついていますが、現時点ではAIだけでこの自動仕訳機能が完璧に稼働しているというレベルにまでは達していません。また、決算手続きや確定申告手続きの繁忙期などには、税務を専門的に理解している税理士の資格を持っている人と業務委託契約等をしています。ですから、企業に雇用されないで、フリーランスで働くという選択肢を選べるのも税理士資格を持つ者、特に女性にとっては、キャリアを継続するという点で魅力的だと思います。
さて、税理士の資格を持っていることを前提として、女性がキャリアプランを考える上でのポイントを女性の置かれた環境に応じて考えてみたいと思います。
既婚者にとっては、何よりもビジネスキャリアを中断させないことが重要となります。特に、税理士にとって、毎年の税制改正が継続して頭に入っていること、会計システムのブラッシュアップについていくことが必要です。子育て期間は仕事の割合を減らしていた女性が、子育てが終わった後に再びキャリアアップを目指すとなると、特に税法関係は最新の情報がインプットされている必要があります。
このような条件を考えると、結婚をして子供を出産したとしても、なるべく早く短時間勤務であっても仕事に復帰出来るように家庭環境を整えておくことが重要になります。具体的には、通勤時間が短くて済むような住まいを選ぶ、パートナーである夫には、子供を持つ前から税理士としてのキャリアの価値を維持するために必要なことをきちんと話をしておくことなどが大切です。
今は、結婚をしないで自分らしい人生を選択する女性も増えています。税理士の資格を持っていれば、資格を武器に更なるキャリアップを目指すことも可能です。税理士業務といっても、中小企業の税務業務とクロスボーダーの取引を対象とする国際税務では、同じ税務業務であっても業務の内容やレベル感はかなり違います。 もし、独身のまま税理士の仕事を続けるのであれば、自分の適性を早めに見極めて、得意分野においてキャリアアップしていくことを選択肢に入れることをお勧めしたいと思います。 同時に、仕事が見つけ易いオーソドックスな税務業務も平均レベルの専門知識は維持をして、仕事の量と質を常に選べるようにしておくと良いと思います。
既婚者であっても、独身者であっても、税理士としてのキャリアを安定的に継続するために、自分自身の性格を客観的に把握しておくことが重要です。税理士事務所は、少人数のこじんまりした事務所から、世界中に拠点を持つ大規模な事務所まで多種多様です。税理士といえども、専門スキルだけで仕事が上手く行くわけではありません。どのような環境が自分の性格に合っているのか?については、専門分野を選ぶのとは別の視点で自分なりに把握をしてくことも、キャリアを続けるためには大切なポイントとなります。
これは税理士に限った事ではありませんが、仕事は長く続けることが着実なキャリアアップに繋がります。仕事を長く続けるためには、人生のステージによって、そして体調などによって、仕事に費やす時間や労力の割合を変えることが出来る柔軟性が何よりも重要であるということを忘れずに、肩の力を抜いてキャリアを磨いていきましょう。