今回インタビューさせて頂いた石川先生は司法書士事務所でアシスタントスタッフとして働きながら資格試験に合格された苦労人です。さらに、試験に合格されてからは即・独立という異色の経歴を持ち、顧客との信頼を大切にしながら「司法書士法人石川和司事務所」で一線で活躍し続けています。
—今までのキャリアについて教えてください。
最初は、大学在学中から予備校とのダブルスクールで資格試験の勉強を始めました。大学卒業後は青果店でバイトをしつつ受験勉強を続けましたが、二年目になるころ、青果店のスタッフに「資格受かる気ないんじゃない?」と言われてしまい、私の闘志に火が付きまして、司法書士事務所のアシスタントスタッフとして働くことを決意しました。それからは司法書士事務所の業務と並行して資格の勉強を続け、6回目にしてやっと司法書士試験に合格しました。その後一年間独立に向けて準備をして、2001年1月に渋谷区広尾に個人事務所を開業しました。そして10年後の2011年9月に司法書士法人石川和司事務所を設立するに至りました。現在は、2014年に設立したスクエアワン株式会社の成長に重きを置いて活動を行っています。
<資格等>
東京司法書士会所属登録番号 第3204号
簡裁訴訟代理等関係業務認定 第201136号
—先生はどんな少年時代を過ごされたのですか?
子供のころは高校三年生まで野球をしていました。高校の部活でははじめて縦社会の厳しさというものを知りましたね。高校の三年間で培った粘り強さやメンタルの強さは社会人になった今でも活かされていると思います。
—司法書士になろうと思われたのはなぜですか?
小さいころから父親に世のため人のためになる仕事をやれと強く言われていた影響もあって、もともと自分の力で成功したいという思いが強かったですね。そのようなこともあって、政治家になるか“大”実業家になって目一杯成功したいなって思っていました。ただ、政治家はそこに至るまでのプロセスや、努力次第で結果が報われるのかと言うと難しいところもあるし、だったら“大”実業家を目指して目一杯努力して、泥臭くてもいいから成功してやろうと思いました。
ただ、当時の自分には実業家としての武器は何もなくて、事業として可能性のあるものは何かって考えたときに資格を取って独立することが一つあるなって思い、そこで試験合格から独立までが比較的早く、尚且つビジネスとして成功する可能性を大きく感じた司法書士になろうと思いました。
—司法書士試験に向けた勉強スタイルはどのようなものだったのですか?
大学時代は資格学校とのダブルスクールで、資格学校の講座があったときは授業へ参加し、ないときは自習室でひたすら個別学習でした。アシスタントスタッフ時代は毎日9時から18時と時間を明確に区切ってメリハリをもって勤務していました。そうすることで勤務時間外に思いっきり勉強に励むことができました。今思うとかなり過酷なスケジュールだったと思います。しかし、この過酷なスケジュールがより自分を成長させてくれたと現在は強く感じます。
—資格試験合格からたった一年で独立されていますが、どこかの事務所に所属しようとは考えなかったのですか?
思いませんでしたね。
そもそも独立して事業を立ち上げようと思って司法書士を目指したので、組織に所属するつもりはありませんでした。司法書士事務所でアシスタントをしていた時は少し所属するのもいいなと思った時もありましたけど、やはり自分で決めたことはやり通そうと思いました。
資格取得からの一年間はお客様との人脈作りに費やした一年と言ってもいいくらいです。知人や親戚に合格した旨を報告して、多くの人に自分のことを知ってもらおうと思いました。
知られないということが一番怖いことですから。いかにいいサービスを持っていても人に知ってもらえなければビジネスになりませんからね。
—司法書士になって大切にしていることはなんですか?
お客様からの「信頼」ですね。結局仕事の中でも問われるものは人間性だと思います。常に一生懸命にお客様と向き合い、努力することを怠らないことです。一般的に、士業の世界において勉強不足で「知らない」ということはお客様に対して伝えづらいことなのですが、私はそういったことも率直に伝えるし、知らないからってやらないわけじゃなくて、ちゃんと調べて答えられるようにします。
そうすれば自身のスキルアップにも繋がるし、ひたむきな姿勢で仕事に取り組めばお客様にも安心感を与えることができると思います。そういった姿勢で仕事を続けていくことこそが、より幅の広いお客様のニーズに答えられる知識量や紹介での新規顧客を生み出すことのできる「信頼」を生み出していくのだと思います。
—司法書士の魅力について教えてください。
一言でいうとお客様との距離感ですかね。公認会計士や税理士ほどお客様の財布の中身を把握しなければならないような仕事ではありませんし、弁護士のように敷居の高いような仕事でもありません。
「ただ、誰にでもできるような仕事で人生を終わらせたくない。」
そういった面では司法書士としての仕事に付加価値をつけて提供することもできますし、僕の理念の一つでもあるのが、「石川先生じゃなきゃダメだ。」ってお客様に思ってもらえるような仕事を心掛けているので、自分次第で単なる手続き業務から一線を画すこともできます。ただ頼まれたことをするだけでは誰がやっても変わらない。そこに付加価値をつけてサービスを提供していくことが私のモットーです。
—これからのことについてお聞かせください。
「日本一の司法書士事務所」を目指すことです。
しかし、現実はそこまで甘くはなく、ただの司法書士事務所のままでは他の事務所とやっていることはあまり変わらないです。だからこそ2014年にスクエアワン株式会社を立ち上げました。スクエアワン構想の強みとして、一つのグループ内に司法書士、行政書士、社会保険労務士、不動産コンサルタント等の実務家を置き、会計事務所のクライアントにつなげて会計事務所の周辺業務をサポートし、会計事務所が本来業務に集中できる環境を提供する点が挙げられます。
また、会計事務所が抱える本質的な課題についても私たちがトータルサポートすることにより、業務効率向上及び顧客満足向上の一助になりたいと思っています。絶えず進化していきたいという方針はここから来ていると思いますね。今後もより多くの人に価値あるサービスを提供していきたいと思います。
—最後に、資格受験者に向けて一言お願いします!
現代の若者って頑張ることが「ダサい」とか途中で妥協して当初の目標のレベルを下げて、あきらめてしまうって人が増えてきているように思えます。一度自分が目指したことだったら簡単に諦めないでほしいですね。ほかの人間になんて言われようと、お金がなくて十分な環境で勉強ができなくても、それでも岩にかじりつく思いというか、泥臭く最後までがんばってもらいたいです。司法書士の仕事をこなしていくうちに感じたのは、実は資格なんてそんな大した意味を持っていなくて、6年間あきらめずに大嫌いだった勉強を続けてきたプロセスそのものが今の自分を作り上げてきているのだと思います。
資格取得を目指している皆さん、泥臭く最後まで頑張ってください。