未経験から経理・経理事務は採用されない?難しい?落ちる理由と5つの対策

経理は、未経験からでも目指せる職種です。
ただ、「専門性が高くて難しそう」と感じて踏み出せない方や、応募しても書類で落ちてしまう方も少なくありません。
この記事では、経理未経験の方に向けて、採用されにくい理由と、内定に近づくための対策をまとめました。
ヒュープロのキャリアアドバイザーの知見と、転職支援の実績をもとに解説します。
経理未経験でも採用される。ただし落ちる人には共通点がある。
結論から言うと、未経験でも経理に転職することは可能です。
実際にヒュープロでも、未経験から経理に転職された方が多数います。
ただ、転職が難しいかどうかでお伝えするのであれば、「難しい」と言わざるを得ません。
中途採用は経験者を求める企業が多く、厚生労働省「一般職業紹介状況」(令和8年8月分)では、会計事務従事者の有効求人倍率(常用・パートを除く)は0.51倍で、職業計の1.23倍を大きく下回っています。
求人に対して求職者が多く、競争が起きやすい状況です。
一方で、「未経験歓迎」として募集し、入社後の教育を前提にしている企業もあります。
つまり、「未経験だから落ちる」のではありません。
落ちる人の多くは、未経験者に求められる準備をしないまま応募していることが原因です。
未経験が採用されにくい2つの理由
理由は主に以下の2点。
- 未経験者向けの求人の割合が少ない
- 日商簿記2級の有無が重視される
以下ではそれぞれについて詳しく解説します。
未経験者向けの求人の割合が少ない
未経験から経理・経理事務として採用されるのが難しい理由として、 未経験者向けの求人の割合が少ないことが挙げられます。
経理事務の仕事は専門性が高いこともあり、経験者向けの求人が多くなっています。経理の仕事は1年サイクルで回っているため、少なくとも1年以上の経験が求められる傾向にあります。
その一方で、未経験から経理で働きたいという方は多くいらっしゃいます。つまり、未経験者が経理職に転職した場合、少ない枠を多くのライバルがいる環境で戦わなくてはならないのです。
そのため、どうしても転職の難易度は高くなってしまいます。
日商簿記2級の有無が重視される
未経験から経理・経理事務として採用されるのが難しい理由として、日商簿記2級の有無が重視される点も挙げられます。
上記の通り、未経験者向けの経理求人は相対的に少ないため、未経験の中でも一定のフィルタリングをかける求人が多いです。
そしてそのフィルタリングとして多いのが、日商簿記2級資格を保有しているか否か。
日商簿記2級は経理事務を行うのに必要な最低限の知識を習得できる資格です。そのため、企業側としては求職者が日商簿記2級資格を保有しているか否かを最低条件として定めている場合が多いです。
しかし、日商簿記2級は初学者からすると決して簡単な試験とは言えません。そのため、転職の難易度を高くする要因となっているのです。
書類・面接で落ちる人に多いNGパターン
書類や面接で見送りになってしまう例として以下のようなものが挙げられます。
- 志望動機が「安定していそう」で終わっている
- 職歴が業務の羅列で、経理に活かせる強みが見えない
- 簿記の学習状況や意欲が具体的でない
- 面接で「なぜ経理か」「なぜ当社か」に答えられない
志望動機が「安定していそう」で終わっている
NG例 :「安定した職種で長く働きたいので、経理を志望しました」
改善例:「前職で請求書の処理を担当し、数字を正確に扱う仕事にやりがいを感じました。
簿記2級の学習を進めており、経理として会社を支えたいと考えています」
職歴が業務の羅列で、経理に活かせる強みが見えない
前職の業務を並べるだけでは、採用担当者に伝わりません。数字の管理、締め日の対応、ミスを防ぐ工夫など、経理に通じる経験を拾い出します。
簿記の学習状況や意欲が具体的でない
「勉強中です」だけでは判断できません。受験予定日、学習の進み具合、使っている教材まで書くと、本気度が伝わります。
面接で「なぜ経理か」「なぜ当社か」に答えられない
どの会社にも使える回答は、評価されにくくなります。
企業ごとに、事業内容や規模と経理の役割を結びつけて準備します。
志望動機を書く前に、経理の仕事内容を具体的に把握しておくと、「なぜ経理か」に説得力が出ます。
日次・月次・年次の業務の違いは、以下の記事で確認できます。
採用される人の共通点
ヒュープロで未経験から経理に転職された方の事例と、企業の採用担当と日々やりとりしているリクルーティングアドバイザーの見解から、採用される人の共通点を整理します。
未経験からの採用事例
|
・前職:接客業 ・保有資格:簿記2級 ・年代:20代後半 ・内定までの期間:2ヶ月 |
アピールしたポイント
・1日何人のお客様とどう関わっていたのか
・業務でどのような工夫を行ったか
・なぜ経理を目指したいのか
接客業は経理と離れた仕事に見えますが、「規模・役割・工夫・理由」を具体的に伝えたことで、経理に必要な「周囲と連携する姿勢」や「課題に気づいて改善する力」が伝わりました。
※これは1名の事例で、すべての方に当てはまるものではありません。
未経験転職者の共通点
・簿記の学習を始めている、または取得してから応募している
・前職の経験を経理の視点で説明できる
・志望動機が企業ごとに具体的
経理未経験からの転職で成功するポイント
経理職は専門職なので、採用では実務経験が重視されやすいです。経理として働いた経験が全くない場合には、それ以外でのアピールポイントが重要となります。
例えば、前職で営業職を経験していたのならコミュニケーション能力、銀行出身者なら金融機関での業務知識など採用担当者にアピールできるポイントが必須です。
このようなスキルを取得しているのなら、現在未経験であったとしても、将来的に経理業務を習得できる基礎能力があると判断され、転職成功率は高まるでしょう。
また、簿記2級を持っているかどうかは特に書類選考の段階で重要視されています。
事務処理能力をアピール
専門性の強い経理職ですが、経理はあくまでも事務職です。
特に、未経験者の場合、転職後に最初に従事するのは、会計ソフトへの伝票入力などの日次業務なので、PCのタッチタイピング・集計・Word・Excel・PowerPointなどのofficeソフトを使えるスキルは必須です。
なお会計ソフトを前職などで使用した経験がある場合は経理職への転職では評価が上がる可能性が高いので、職務経歴書に記載したり面接で伝えるなど、確実にアピールするようにしましょう。
ビジネスコミュニケーション能力をアピール
経理職は机に向かってずっと作業しているようなイメージがあるかもしれませんが、思いのほか人との交流が多いポジションです。
例えば、経費精算の件で他の部門とやり取りをしたり、経営層にレポーティングしたり、監査法人との対応があったりというように、業務上他の部門の人と積極的にコミュニケーションを取る必要に迫られます。
業務内容は後から学んでもらうことができたとしても、社内外の人とうまくコミュニケーションできるスキルは営業の経験などがなければ人柄に依る部分が大きく、業務と同時並行での教育は企業側にも負担になることがあります。
したがって、コミュニケーション能力があれば、転職時に高い評価を得られるでしょう。
簿記2級以上を取得する
未経験でも経理への転職を果たしている方は多いですが、全くの未経験となると実際の業務を始めてもかなり苦労します。そのため経理業務の基礎知識を学べる簿記の勉強はしておいた方が良いでしょう。
一般的な経理の求人要項では、「簿記2級必須」という条件が掲げられます。ただ、日商簿記2級はここ数年でかなり難易度が高くなっているので、まずは日商簿記3級からチャレンジをして、段階的に身につけていきましょう。
また、簿記資格取得が転職活動に間に合わなくても、「資格取得のために勉強中です」というアピールを行うことで好印象を与えられます。
また簿記には、日商簿記や全商簿記など様々な会計系の資格がありますが、それぞれの資格の特徴や社会人で取るべき資格について以下の記事で解説しておりますので、併せてご覧ください。
《関連記事》
FASS検定の受検もおすすめ
FASS検定とは日本CFO協会が実施している「経理・財務サービス・スキルスタンダード」に基づく検定試験で、簿記や会計の知識というよりも実務に役立つ知識について出題されます。
経理の知識をムラなく学ぶことができるのでお勧めです。
説得力のある志望動機を作成
未経験で経理に転職する際に重要なのは、いかに説得力のある志望動機を作成できるかという点です。なぜ経理職を志望しているのかとなぜその企業を志望しているのかを明らかにすることができれば、未経験者であったとしても、転職活動はうまくいきやすいでしょう。
- ・客観性をもって自己分析をする
- ・希望する企業の求人票やHPで企業分析をする
- ・転職エージェントのアドバイスを受ける
- ・自分のキャリアイメージと企業の展望の相性が良い
このあたりのポイントを意識した志望動機を作成すれば、あなたの熱意は伝わりやすくなります。
また
- ・なぜ未経験なのに経理がやりたいのか
- ・経理としてどういうキャリアプランを描いているのか
については企業が重視する点なので、伝えられるようにしましょう。
未経験からの挑戦は20代まで?30代・40代はどうなの?
一般的に未経験の職種へのチャレンジとなると、20代までというのが年齢的なボーダーラインと言われています。
経理職においても20代はポテンシャル採用(候補者の潜在的な能力や成長の可能性に焦点を当てる採用アプローチ)となるため、それ以上の年齢の方に比べると比較的スムーズに転職活動をできる可能性が高いです。
即戦力が求められる30代や40代ではやはり経験者が有利となるでしょう。
簿記2級など経理に関わる資格の取得に加え、管理部門での経験やマネジメントのご経験がある場合は実務未経験でも転職に成功できる場合もあります。
経理事務の転職にオススメの時期
基本的に経理事務の求人が日本に全くない時期など当然ありません。
しかし、応募可能な求人が多ければ多いほど、就職先を選ぶ際の選択肢も増えるので、より自分にマッチした求人を見つけやすくなります。ではいつ転職活動するのがいいのでしょうか?
最も求人が多いのは繁忙期前!だが…
経理職の求人は繁忙期と呼ばれる時期の前に多く出される傾向にあります。
繁忙期とは相対的に業務量が増える時期を指し、経理では3月決算の企業だと3~5月がそれにあたります。
その繁忙期までに必要な人員を充足させるべく、1~2月に多くの企業が募集を加速させるのです。
ただここで注意しなければならないのが、これらの求人は即戦力を採用するための求人であることです。経理事務の求人の件数はこの時期に最多となりながらも未経験向けの求人はむしろ平均より少なくなってしまいます。
未経験ならむしろ繁忙期後がオススメ!
未経験の場合は繁忙期が終わってからの6月~8月が良いでしょう。
この時期は繁忙期が終わり、経理部門にとって比較的余裕ができるので、未経験の採用面接や採用後の新人教育に時間を割けるようになります。
そのため未経験応募可能な求人が、比較的多くなる傾向にあります。
経理の仕事内容と向いている人の特徴
経理の仕事は、会社のお金の動きを記録・管理し、決算書にまとめる仕事です。
大きく3つに分かれます。
- ・日次業務 会社の毎日のお金の取引を記録・集計する
- ・月次業務 1か月間で発生したお金の流れを記録・管理する
- ・年次業務 1年間のお金の流れを資料としてまとめる
未経験の方は、日次業務から担当し、月次は補助から、年次は経験を積んでから任されるのが一般的です。
経理に向いている人の特徴として、以下の5点が挙げられます。
- ・コミュニケーションが取れる
- ・数字が苦手じゃない
- ・パソコンが使える
- ・決まったことができる
- ・責任感がある
以下でそれぞれについて詳しく見ていきます。
コミュニケーションが取れる
経理は事務職なので、パソコンの操作や伝票の処理ができれば問題ないかというと、そうではありません。
職場の同僚や上司、他部署や取引などとやり取りすることも意外に多いため仕事を円滑に進めるためにはある程度のコミュニケーション能力が必要になります。
そのためコミュニケーションを取ることが苦手な人は、経理に向いていません。
数字が苦手じゃない
経理職に従事する上でどうしても避けられないのが、数字と向き合うことです。
数字や計算が好きである必要はありませんが、数字は見るのも嫌だという方には続けることが難しい仕事です。
日々の業務で難しい計算式を要することなどは少なく、あったとしてもエクセルなどで管理しているため、セルに入力すれば自動で計算してくれます。ただし、簿記の勉強をする際は難しい計算式などを覚える必要があります。
パソコンが使える
これは経理職に限った話ではありませんが、パソコンでデータを管理することがほとんどなので、パソコンを使えることが大前提となります。
「使える」と一言にまとめても、今このページを閲覧できるくらいであれば問題ないので、あまり深く考える必要はありません。
どうしてもパソコンを使って仕事をしたくない、紙で全部管理したいという方には難しい仕事です。
決まったことができる
経理では決まりごとが多くあります。例えば、その日までに処理を終わらせなければいけない締めや、必ず毎日行う業務などがあります。
それらを怠るといざというときに、とても困るので、決まったことを決まった通りに行う必要があります。
その時やらなければいけないことを、先延ばしにしてしまう癖のある人は気を付けましょう。
責任感がある
経理の仕事でミスは許されません。大きい会社であればあるほど、自分のミスが後工程に大きく影響を与えることがあります。
初めは小さなミスですが、いつの間にか大きなミスになっていることも少なくありません。場合によっては一円を合わせるために、原因を探すようなこともあります。
営業などのように何百万の売上をあげるといったような、目立つ仕事ではなく地道な仕事が多いですが、その一つ一つに責任を持って取り組める人が経理に向いている人と言えます。
経理事務への転職はエージェントに相談すべき?
転職活動や就職活動において、いくら資格を持っていても、有利に働くアピールポイントを把握していても、企業研究や自己分析は欠かせません。
また、履歴書や職務経歴書を作成したり、面接の日程調整をしたりと意外とやることが多いものです。
特に働きながら転職活動をする人にとっては、自分一人ではなかなか難しいものだと思いますので、転職エージェントに相談してみることをオススメします。
書類の添削や日程調整はもちろん、自分自身では気づいていなかった強みや、自己PRを引き出して面接対策を進めてくれるでしょう。
士業・管理部門の転職エージェント「ヒュープロ」では、経理事務の求人を多く扱っており、未経験からでも応募可能な求人も多数取り揃えております。
無料電話相談では、今すぐにご転職をお考えでない方もキャリアに関するご相談や、ご自身の市場価値診断、年収診断をすることができます。
まとめ
未経験でも準備次第で経理への転職は十分に狙えます。書類や面接で悩んでいる方は
転職エージェントなどを活用して、ご自身のキャリアにお役立てください!
この記事を書いたライター
Hupro Magazine編集部
株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のライティングなどを担当。大学法学部法律学科卒業後、銀行にてエネルギーや金属など"コモディティ"の取引、司法試験を中心とした資格試験予備校にてWEBマーケターとしての記事ディレクションなどを経て現職。法令や金融、資格試験の知識も活かしつつ、分かりやすくもためになる記事の作成に注力しています!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェント「ヒュープロ」をご活用ください!








