最近は管理会計が着目されています。管理会計は、会社が発展していくために、課題を調べて修正するために必要なものです。非常に大切な役目を担っているので、会計についての高度な経験や知識が管理会計を適切に取り扱うためには求められます。今回は管理会計とは、管理会計についての資格について解説していきます。
管理会計というのは、社内向けの会計で自社の経営に利用するものです。管理会計の情報に基づいて、経営者は自社の経営に関して意思を決定したり、分析したり、人事や製品に関して施策を打ったりすることができます。
管理会計は、経営に役に立つので導入されます。基本的に、使うのは社内だけであるため、データを集める方法や記載する方法、フォーマットなどについては厳密な決まりはありません。期間も決まりがなく、会社ごとに年単位、月単位、週単位などと運用しやすいもので作ります。
作る資料は、取締役会資料、中期経営計画資料、事業計画書などというようなものです。
任意であるため、会社によっては管理会計を導入してないところもあります。
管理会計について詳しく知りたい方はこちらの記事もぜひご一読ください。
管理会計は経営の意思決定と基礎なる重要な会計分野の一つです。管理会計そのものの詳細を知っておく必要はありませんが、管理会計の基礎の部分、どのように事業が因数分解されて利益がどのように創出され重要KPIが何なのか、といった部分は経営者といえども勉強しておくべきでしょう。
ここでは、管理会計についての資格を4つご紹介します。
1級と2級があり、管理会計についての総合スキルを検定するものです。内容がビジネス会計や簿記などと重複するところもありますが、管理会計を経営的な視点で活用するため、経営感覚のマスターまでを視野に入れたものです。
1級の合格率は30%程度であり、難易度が少し高いといえるでしょう。2級の合格率は80%程度であり、難易度は高くないものです。なお、「認定管理会計士」という日本管理会計教育協会がオリジナルに設定している資格は、管理会計検定1級に受かった人だけが受験できるものになっています。
管理会計と経営に対する正しい知識を前提にして、経営課題についての応用力、論理的にいろいろな前提条件の変化に対応ができるスキルがあることが受かる条件です。
非常に難易度は高く、5%~20%の合格率になっています。
1級~3級があり、財務諸表についての分析力や知識を検定するものです。
基本財務諸表としての損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書の構造と項目についての知識や応用力、理解力が問われます。
1級の合格率は20%未満であり、難易度が非常に高くなります。
2級の合格率は50%程度であり、難易度は割合低めです。
3級の合格率は60%余りになっており、難易度は高くないといえます。
会社の経理事務に必要な財務諸表と会計知識に関する理解力、基礎的な分析力や経営管理を検定するものです。
1級~初級がありますが、普通は3級から始めます。
会社の経理部門以外に、税理士や公認会計士などのキャリアアップを目指すときに必要な資格になります。
1級の合格率は10%未満であり、難易度が極めて高いものです。
2級の合格率は平均20%台であり、難易度はそこまで高くないです。
3級の合格率は50%程度であり、難易度は低いものです。
厚生労働省が決めている職業能力評価基準に準拠したもので、試験分野として財務・経理管理などの8分野42種の中から就職を希望する分野または自分の職種の試験が選べます。
ビジネス・キャリア検定の目的としては、職務を行う上において必要な知識のマスターと実務能力の評価です。等級は、難易度が高い順に1級、2級、3級、BASIC級になります。
BASIC級は、初心者向けのもので、目的は業務上の基本的な知識とコミュニケーションスキルをマスターすることです。合格率は平成28年度後期で70%余りであり、難易度が低いものです。
1級の合格率についてはデータがありません。
2級の合格率は、平均的に40%程度であり、少し難易度は高くなります。
3級の合格率は、平均的に60%程度であり、難易度はどちらかというと低いものです。
数字に強く管理会計を重視している経営者の会社は、非常にアグレッシブであり業績も良い印象があります。経営者の重要仕事である人事評価についても管理会計なしには語ることができません。適切かつ明確な数字に基づいた公平な人事評価は経営に重要な影響を与えることもできます。
管理会計を勉強することは、経営者のように視座を高くして自社を見つめなおすことができ、経営の意思決定にも重要な影響を及ぼす情報であるため、多くのビジネスマンが習得するべきスキルの一つと思います。