2006年5月1日に会社法が新しくなり、会社設立が簡単になってから、たった1人の取締役、そして最低1円からの資本金で株式会社を作ることができるようになりました。起業が身近になったいま、見直しておきたい各士業の役割をまとめています。今回は特に国家資格者である行政書士に注目していきます。
起業する際に行政書士が専門的に行えるのは会社設立の手続き、許認可業務、そして契約書作成などの相談です。行政書士は行政機関などに提出する書類や契約書などの分野のプロフェッショナルなので、依頼をすると専門的に間違いのないように対応してくれます。
行政書士が最も依頼を受ける仕事が許認可の手続きに関する相談です。会社を設立しても、業種によっては営業を始める前に所管官庁から許可、認可を受けるか、登録、もしくは届け出をしなければならない場合がほとんどです。行政書士はどの業種がどこの官庁に許可や認可を受けなければならないのかというところまで熟知しています。主な官庁には保健所や都道府県知事などがあります。
許可は主に営業をするうえで安全の確保が必要な業種に必要です。例えばトラックの運送業やホテル、旅館の運営など、顧客の安全にかかわるサービスの営業には官庁から厳しい審査が行われます。
こちらは学校法人など、営業に行政の同意が必要な場合に受ける必要があり、やはり審査があります。
営業を始める前に官庁に登録をしなければならないのは警備業、旅行代理店などの業種です。審査は基本的に許可を受けるより優しいといわれています。
官庁に届出をするだけで良い業種には、官庁からの審査はありません。該当する業種には美容院、クリーニング店などがあります。
こういった官庁への許可の申請や届出など最低限の手続きを行わずに営業をはじめると、後に罰金や営業停止などのペナルティを課せられる危険性があります。業種によっては様々な官庁から許可をもらわなければならないこともあるので、起業の際には漏れのないように行政書士に相談することが一番です。また、いくつかの業種では社会保険労務士に相談することもできます。営業を始める前によく下調べをして、失敗のないようにしましょう。
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