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社会人から公認会計士になれるのか?合格するためのポイントや勉強方法を解説!

ヒュープロ編集部 川辺
社会人から公認会計士になれるのか?合格するためのポイントや勉強方法を解説!

社会人として働きながら公認会計士になりたいと考えている人も多いと思いますが、公認会計士試験は非常に難易度が高く、そう簡単に合格できません。
今回は、社会人から公認会計士を目指す場合の合格率やポイント、勉強方法などについて、詳しく解説します。

社会人から公認会計士は目指せる?

「社会人になったのに今更公認会計士になれるのかな…」といったような懸念を抱えている方は多いのではないでしょうか?
結論から申し上げれば、社会人から公認会計士を目指すことは十分可能です!

その理由の一つとして、公認会計士試験の受験資格に年齢制限が無いことが挙げられます。
働きながらだと1年間の勉強では合格が難しく、2,3年後に取得できることが想定されます。しかし何歳になっても受験できるため、社会人としてある程度の年数がかかったとしても問題なく受験することができるのです。

また、受験資格の中に実務経験が含まれていないことも要因です。今までどのような仕事をしてきたかに関係なく公認会計士試験を受けることができるので、全く関係ない仕事をしている人も目指せるのです。

ただし当然ですが、社会人と働かずに勉強に専念する人とでは、限られた時間で勉強しなくてはならない社会人の方が合格を勝ち取るのは難しいです。
それでは実際、社会人の合格率はどのくらいなのでしょうか?次の章で見ていきましょう。

社会人の公認会計士試験合格率は?

公認会計士・監査審査会が毎年公表しているデータである「令和5年公認会計士試験 合格者調」によると、論文式の受験者数と合格者数、および合格率などの数値は下表の通りでした。

出典:令和5年公認会計士試験│合格者調

このうち「会計士補/会計事務所員/税理士/会社員/公務員/教員/教育・学習支援者」を社会人と定義した場合、受験者数は883人、合格者数は222人で、合格率は25.1%でした。
このように多くの合格者がいる一方で、全体の合格率は36.8%であることから、どうしても学生や離職中の受験生よりは合格率が低いといえます。

社会人で公認会計士を目指す場合のハードル

上記のように社会人の方が公認会計士試験の合格が難しい理由は、主に3つ挙げられます。それぞれ見ていきましょう。

勉強時間の確保が難しい

仕事を続けながら公認会計士を目指す場合、勉強時間を確保することが難しくなってきます。どうしても仕事を優先しなければならず、試験勉強がおろそかになってしまうからです。
効率的な勉強を限られた時間で行わなければならないため、スケジュール管理がカギになってきます。

モチベーションを保つことが難しい

会社員として働いている場合、資格を取らなくても生活を続けることは難しくないでしょう。そうなると、わざわざ苦労してまで公認会計士を目指すモチベーションを保ちにくくなるでしょう。離職して合格を目指す受験生のような切迫した状況にあるわけではないため、簡単に諦めてしまう要因になり得ます。

若い人と勝負しなければいけない

学生で公認会計士を目指している人はたくさんいます。先ほどの受験者の職業別内訳でも、受験者全体の40%が学生でした。

基本的に学生をはじめとした若い人の方が何でも吸収するのが早く、効率よく勉強を進めることができます。学生の論文式合格率は49.9%と平均の36.8%を大きく上回る数値でした。
若いとはいえない年齢で公認会計士を目指す場合は、苦労することが多いかもしれません。

社会人が公認会計士合格を目指すにあたってのポイント

勉強スタイルを確立する

先ほどご紹介したように、社会人から公認会計士試験に合格するためには、限られた時間の中で効率的に勉強することが求められます。

そのためにも、1日のどの時間を勉強にあてるのか、平日と休日で分けてスケジュールを組んでおくことが大切です。通信講座や資格学校を利用していればある程度時間が決まってくるかもしれませんが、自習の時間をどこで取るかも事前に計画しておきましょう。30分や1時間単位の時間だけでなく、通勤時間や仕事の休憩時間など、隙間時間も使って勉強を進める意思を持つことが重要です。

ただし無理なく続けられる範囲の計画にすることも重要です。公認会計士試験は合格まで3,000時間ほど勉強しなければならないとされているので、1年での合格が難しければ、はじめから複数年単位で計画を立てるのもよいでしょう。

自己投資を惜しまない

合格するために必要なもの参考書や問題集には、出費を惜しまないことが大切です。最終的にどの参考書や問題集を使うのか決めるためには、実際に購入して中身をよく確認しなければなりません。

必要であれば、資格学校の通学や通信講座の受講も検討するとよいでしょう。ある程度の出費を惜しまずに自分に投資する心構えでいなければ、むしろ合格までの道が遠のき、公認会計士になった後にもらえる給与がその分もらえなくなることにも繋がります。

「仕事との両立」に拘り過ぎない

仕事を辞めずに社会人として公認会計士を目指す方の多くが、「勉強期間の収入を担保する」ために両立を続けています。しかし、仕事との両立は普通の社会人に比べてハードな生活になるため、何年もその生活を続けるのが賢明であるとはいえません。

そのため、2~3年勉強してある程度合格への見込みを感じ始めたタイミングで離職して、試験勉強に専念するというのも有効な選択肢です。特に異業種での仕事している場合、資格取得後に転職で退職する可能性が高いはずなので、仕事をしていない期間がその後のキャリアに影響を与える可能性は少ないでしょう。

なるべく若いうちに合格を目指す

資格取得後のキャリアチェンジやキャリアアップを検討しているのであれば、20代もしくは30代のうちの試験合格を目指しましょう。転職ではどうしても若い世代の方が有利だからです。

実務経験がある場合は年代に関係なく転職に成功する可能性はありますが、未経験の場合は合格の先の転職活動も見据えて、はやめに動き出すようにしましょう。

公認会計士試験の勉強方法について

繰り返しにはなりますが、公認会計士試験の勉強には3,000時間が必要とされています。その勉強方法は大きく分けて独学とそれ以外に分かれます。それぞれについて詳しく見ていきます。

独学

独学で勉強する場合、自分で問題集や参考書を買い、勉強のスケジュールもイチから立てなければなりません。
自身の都合に合わせて勉強を進められるため、社会人を続けながら合格を目指す受験生には相性がよく、費用も最低限に抑えられる勉強方法です。
ただし、立てた計画が効率的なのかが分からず、勉強に無駄な時間をかけてしまう可能性があるほか、働きながらスケジュールを構築するのは骨が折れるため、他の手段で合格を目指す方が多いです。

資格学校などに通う

公認会計士の対策を行う資格学校などに通う場合は、試験に合格するためのノウハウを得ることができ、効率よく学習を進められるのがメリットです。また、同じく公認会計士を目指している仲間を見つけることができるでしょう。試験のモチベーションを上げやすいのもメリットといえます。

30万円ほどの費用がかかるものの、ご紹介したように自己投資を惜しまずに効率的に合格を目指すのが、結果的に最適解になりやすいです。

公認会計士になるメリット

社会人として働けているにも関わらず公認会計士を目指す人が多いのは、それだけ取得した場合のメリットが大きいことがあります。代表的なメリットについて、ご紹介します。

収入が増える

公認会計士になることで今よりも収入が増える可能性があります。将来的に独立を果たすことができれば、数千万円の収入を稼げるケースも多いです。年収1,000万円を超える程度であれば、公認会計士にとってはそれほど高いハードルとはいえないでしょう。普通に会社員として働くよりも収入面で夢を持つことができます。

転職で有利になる

転職活動において、公認会計士の資格を持っていることはかなり有利に働きます。多くの企業が公認会計士を求めているからです。資格を武器にすることで、転職活動では多くの企業から引く手あまたとなるでしょう。

一生モノのスキルを得られる

公認会計士の資格を取得することで、一生使っていけるスキルを得ることができます。これからどのような時代になったとしても、会計に関する業務がなくなることはありません。公認会計士の資格を持つことで、仕事に困らなくなるでしょう。

独立開業のチャンスがある

企業に雇われるという立場にうんざりしている社会人は多いでしょう。そのような人にとって、公認会計士に独立開業するチャンスがあるのは大きな魅力となります。独立開業することで、会社員とは異なる人生を歩むことができるでしょう。

最後に│公認会計士を目指しながら働く職場

今回は社会人から公認会計士を目指すにあたっての、ポイントや勉強方法について解説しました。働かずに勉強する受験生より合格率が低いという事実はあるものの、働きながら勉強した合格者も一定数いるというのは、後押しになるのではないでしょうか?

働きながら公認会計士を目指すにあたっては、どのような職場で働くかも重要になってきます。働きながら公認会計士を目指しやすい職種として、以下が挙げられます。

・監査法人
・会計事務所
・経理職

いずれも公認会計士の知識との親和性が高いため、業務で知識をつけやすいほか、資格取得支援制度が導入されていることも多いです。

このような職場に転職するのであれば、ぜひ士業・管理部門特化の転職エージェント「ヒュープロ」をご活用ください。業界特化のため、公認会計士を目指す方へご提案可能な求人を多く保持しています。当社にしかご紹介できない非公開求人もお取り扱いしてますので、ご相談からお待ちしております。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:資格試験

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