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税理士試験の合格ボーダーラインとは?!

HUPRO 編集部
税理士試験の合格ボーダーラインとは?!

税理士試験を一度でも受験した方なら、お分かりいただけると思うのですが、税理士試験って、かなり「閉鎖的」といわれています。本試験後に模範解答は非公開です。それなのに、国税庁が定めている合格点は各科目60点以上です。本当に合格のボーダーラインってそれが正しいの?と思ってしまいます。8月に税理士試験を受けた受験生は、12月の合格発表までただただ不安な日々を過ごすことになります。
今回は、税理士試験のボーダーラインについてお話していきます。
受験生の方やこれから受験を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

税理士試験の合格ボーダーラインを知りたい?

実際のところ何点取れば合格なの?

この項目では、税理士予備校6校が出しているボーダーライン点と合格確実点の平均値を科目別で紹介していきます。(令和元年実施分)

《簿記論》

第一問:17点
第二問:15点
第三問:30点
計:62点
合格確実点:71点

《財務諸表論》

第一問:12点
第二問:15点
第三問:33点
計:60点
合格確実61点

《消費税》

第一問(理論問題)
問1:15点
問2:16点
第二問(計算問題)
問1:28点
問2:4点
計:63点
合格確実72点

《酒税法》

第一問:21点
第二問:59点
計:80点
合格確実:89

《法人税》

第一問:35点
第二問:32点
計:67点
合格確実:77

《所得税》

第一問:23点
第二問:29点
計:52点
合格確実:65点

《相続税》

第一問
問1:22点
問2:16点
第二問:39点
計77点
合格確実:88点

《国税徴収法》

第一問:33点
第二問:47点
計:80点
合格確実:90点

《固定資産税》

第一問:31点
第二問:46点
計:77点
合格確実:87点

《事業税》

第一問:23
第二問:13
第三問:36
計:72点
合格確実:83

《住民税》

第一問:41点
第二問:40点
計:81点
合格確実:87

ボーダーラインと合格確実点を見てわかること

税理士試験ボーダーラインが60点以下という科目は、所得税法だけです。しかし、この所得税法はかなり受験生泣かせな難関科目なのです。暗記量が膨大で、計算問題も奥が深く難しい、税理士試験の最難関科目といってもいいでしょう。
この所得税は、法人税とどちらか一つ選択しなければいけない必須選択制というのも受験生にとっては厳しい選択となります。科目免除を受けるために、大学院へ行く人もいます。大学院へ通学した方が、税理士資格取得の近道かもしれません。それぐらい試験合格は難しい科目なのに、6割の正解率を求められるのです。
ボーダーライン60点というのが決して低いボーダーラインではないことがお分かりいただけると思うのですが。また、60点台となっているのは、簿記論、法人税、消費税といった難易度の高い科目となります。合格確実点となると、財務諸表論だけが60点台です。この財務諸表論もなかなか手ごわい科目です。ボーダーラインが低いから合格しやすいということでありません。

今回も人気があり、合格者を多数輩出している税理士予備校が出したボーダーラインと合格確実点の平均値を明記したのですが、税理士試験の受験生で、60点で合格できると思っている方はいらっしゃらないでしょう。予備校では、合格確実点は、実に7割から9割の点数を要求しているところでもお分かりいただけるよう、税理士試験はとても厳しい競争試験となっています。

試験科目により出題ボリュームが違う

受験経験者の中でももっとも言われていることです。まず、一例をあげてみると酒税法と相続税では問題量が違います。
酒税法は、問題量が比較的少なくて、最後に見直す時間も取れる可能性が高いです。ですから受験生の得点数も高くなってきます。
上記の合格ボーダーと確実点の一覧表を見ていただいてもお分かりだと思いますが、酒税法に至ってはボーダーが80点です。合格確実点は89点と9割の正解率を求められるわけです。ほぼ満点を目指して勉強する必要があるということです。
ただし、試験時間にゆとりがある酒税法ですが、合格するにはきめ細かい勉強が必要になります。
合格しやすいかもと思って、酒税法を選択する受験者は多いのですが、試験を受けてみて、意外な難しさに直面して選択から外す受験者も少なくありません。
計算が好きで、そして何よりも几帳面な性格ならばこの酒税法はチャレンジしてみてもいいかもしれません。

そして、相続税は、特に近年、問題量が増えています。
頭から順番に問題に取り掛かっていては、多分、時間がなくなるでしょう。
ほとんどが基本的な計算問題なのですが、とにかく量が多いので、わかる箇所からどんどんスピーディーに解き進んでいき、点数を稼ぐことに集中しなければいけません。ボーダーが77点で、高いほうとなり、本試験で8割の正解率にしようと思ったら、これも満点を目指して勉強するだけでなく、計算速度を速める、早く文字を書く練習も必要です。相続税は速記試験ともいわれています。
難易度が高いのですが、取得しておくと就職、開業したときにこの相続税はかなり使えるといえます。
顧問先に不動産関係などを獲得することもできますし、弁護士とのビジネスパートナーになることも可能です。

この記事を書いたライター

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