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超難関?!税理士試験合格までに最短何年かかる?

HUPRO 編集部
超難関?!税理士試験合格までに最短何年かかる?

税理士試験の合格までに何年かかると思いますか?税理士試験合格には多くの勉強時間や、2年以上の実務経験が必要です。そこまでして取得する税理士資格はどんなメリットがあるのでしょうか?最短での合格方法や、資格のメリットまで解説しています。

税理士試験の合格までに最短で何年かかる?

結論、税理士試験は2年程度かかるのが相場です。しかし、現実的に2年間で合格することは非常に困難です。一般的には5年はかかると言われているため、2年で合格するためには相当な努力と実力が必要です。

科目別勉強時間は?

税理士試験の合格に必要なおおよその勉強時間を科目別にまとめてみました。

科目 学習時間目安 必要日数(1日2時間)
簿記論 450~500時間 225~250日
財務諸表論 450~500時間 225~250日
所得税法 600~700時間 300~350日
法人税法 600~700時間 300~350日
相続税法 450~500時間 225~250日
消費税法 約300時間 150日
酒税法 150~200時間 75~100日
国税徴収法 約150時間 75日
住民税 約200時間 100日
事業税 200~250時間 100~125日
固定資産税 約250時間 125日

必須科目の「簿記論」「財務諸表論」はどちらも450時間~500時間かかると言われています。これは1日2時間勉強した場合、8カ月ほどかかる計算になります。2科目の合格だけでも、最低1年以上はかかると言えます。税理士試験合格には「簿記論」と「財務諸表論」を含めて5科目の合格が必要であり、全体の勉強時間は2000時間とも3000時間とも言われています。やはり税理士試験に合格するためには多くの時間を費やす必要があります。

最短で税理士試験に合格する方法

税理士試験の合格を目指している人のなかにはいち早く合格したいと考えている人がいるでしょう。ここでは、最短の合格に向けてやるべきことを紹介します。

税理士試験に合格するという気持ちを強く持つ

税理士試験の合格において非常に重要なのがモチベーションの維持です。高いモチベーションのまま勉強を続けることが、最短での合格に繋がります。
まず、「なぜ税理士になりたいのか?」という初心を忘れずにしておくことがポイントです。

勉強習慣を身につける

勉強習慣を身に着けることも、税理士試験合格には欠かせません。勉強を続けることは簡単なことではありません。毎日の勉強を習慣化し、コツコツと努力を重ねることが大事です。また、勉強のやり方も自分に合ったものを確立し、効率よく理解を深めるのが良いでしょう。

予備校に通う

最短での合格を目指すなら、予備校に通うべきです。予備校に通うと費用がかかりますが、独学よりも効率よく学ぶことができます。税法は頻繁に改正されており、一人で対策することは困難です。そのため、税理士試験のプロフェッショナルである予備校の先生と対策することが良いでしょう。また、費用を払っていることでプレッシャーを感じ、勉強を捗らせてくれるでしょう。

税理士事務所で働きながら勉強する

税理士事務所で働きながら勉強に取り組むのもおすすめです。
税理士事務所で働くことで、実務を経験でき勉強内容が理解しやすくなります。座学だけでは内容を理解することが難しい範囲もあるため、実際に働くことでイメージしやすく効率よく学ぶことができます。
また、資格取得を支援している事務所もあります。働きながら学ぶことで最短で試験に合格しやすくなるでしょう。

複数科目同時に受験する

最速で合格したいと考えている人は、1回の試験で複数科目の受験をしましょう。
1年に1科目ずつ受験をすると、税理士試験合格までに5年もかかってしまいます。そのため、複数科目の同時受験を目指して勉強するとよいでしょう。
同時受験をする場合、簿記論と財務諸表論の同時受験がおすすめです。この2教科は関連性が高く、効率よく学習できます。
違う科目と並行して勉強することは難しいですが、科目同士を関連付けて学習すると、一回の試験で複数科目合格できるでしょう。

税理士資格取得までの流れ

税理士試験に合格しても、税理士資格は取得できません。ここでは、税理士資格取得までの流れを説明します。

受験資格

税理士試験の受験科目は、大きく分けて「会計科目(簿記論、財務諸表論)」と「税法科目(所得税法・法人税法・相続税法・消費税法・酒税法・国税徴収法・住民税・事業税・固定資産税)」の2つがあります。
令和5年4月から受験資格が緩和され、会計科目は誰でも受験することが可能になりました。税法科目は学識による受験資格、資格による受験資格、職歴による受験資格のいずれか
1つの要件を満たせば受験資格が得られます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

税理士試験合格

税理士試験合格は、必須科目である会計科目「簿記論」「財務諸表論」の2科目と、選択科目である「法人税法」「所得税法」のいずれか1科目以上を含む、税法3科目の合計5科目に合格することが必要になります。なお、税理士試験は科目合格制となっているため、一度にすべての科目を合格する必要はありません。

2年以上の実務経験を積む

税理士試験に合格したら、「日本税理士会連合会」に登録する必要があります。こちらに登録しないと、税理士を名乗ることができません。
ただし、「日本税理士会連合会」に登録するためには2年以上の会計に関する実務経験が必要になります。経験の積み方は様々で、アルバイトとして会計事務所や税理士事務所で働いたり、社員として税務・会計職に勤めるといった方法があります。

税理士登録

これらのすべてを終えると「日本税理士会連合会」に登録ができ、税理士を名乗ることができます。
詳しくはこちらを参考にしてください

税理士資格は本当に必要?

ここまで述べたように、税理士資格を取るためには多くの時間と努力が必要になります。税理士資格には、ここまでして取得する価値があるのでしょうか?

税理士資格を取るメリット

就職や転職に強い

税理士は国家資格のため、「税理士」という肩書だけで就職や転職で有利に進めることができます。特に税理士事務所では、経験のある税理士が見つかりづらく、人手不足になっています。そのため、税理士の需要は高く就職や転職の際にとても役立ちます。

安定した給与

税理士資格を持っている人にしかできない業務として、税務資料の作成や税務代理があります。国や自治体が税によって成立している以上、税理士の仕事がなくなることはありません。そのため、安定した年収をもらうことができます。

働き方の多様性

税理士の働き方は様々です。税理士事務所、企業の財務部門、独立開業などがあります。職場によって、たくさん働き高収入を狙う場合や、ワークライフバランスを重視し、自分の生活にあった働き方をする場合などといった自分のスタイルに合わせた働き方ができます。

税理士資格を取るべき人

難易度の高い税理士試験ですが、試験に合格しても税理士の仕事でうまくいかなかったら、元も子もありません。税理士は向き不向きのある仕事です。ここでは、どのような人が税理士資格を取るべきなのか解説していきます。

税理士に向いている人の特徴

・粘り強く取り組める
・対人コミュニケーションが苦手ではない
・正義感・倫理観が強い
・知的好奇心が強い
・企業経営や財務データに関心がある。
・経営者になりたい

税理士に向いてない人の特徴

・数学や数値を扱うことに苦手意識がある。
・細かい作業やルーティンワークが苦手
・分析に興味がない
・コミュニケーション能力が乏しい
・長時間集中して仕事をすることが苦手

これらが、税理士に向いている人と向いていない人の特徴です。自分にあてはまるものがあれば、こちらの記事で詳しく書かれているため、是非ご覧ください。

税理士になるためには、税理士資格は必須です。税理士になりたい人は全力で資格を取りましょう。しかし、税理士にならず転職のために税理士資格を取得しようと思っている人もいると思います。もちろん税理士資格を取得すると転職に強くなることは間違いありません。しかし、税理士資格を取得するためには多くの時間を費やす必要があります。

転職のためであれば、簿記試験の合格や、税理士試験の科目合格でも十分な場合があります。そのため、税理士試験を受けることは遠回りかもしれません。税理士資格でないといけない明確な目的を持ってから税理士資格取得に挑戦してみてください。

まとめ

税理士試験の合格は最短でも2年かかります。しかし、これは最短であり、相当な努力が必要です。実際のところ、5年はかかると思っていた方が良いでしょう。税理士試験には多くの時間と努力が必要です。「なぜ税理士資格を取りたいのか?」もう一度考えてみてください。明確な目的を忘れずにいることが、勉強をしていく上で重要になります。強い気持ちを持っていれば、最短での合格も可能になるでしょう。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験

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