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Big4はどこが1番働きやすい?大手監査法人の福利厚生や働き方を詳しく解説

Hupro Magazine編集部 山本
Big4はどこが1番働きやすい?大手監査法人の福利厚生や働き方を詳しく解説

転職や就職の際に福利厚生は非常に重要なポイントです。
監査法人の場合、特にBig4と呼ばれる大手四大監査法人の福利厚生について気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では各監査法人の福利厚生はもちろん、家賃補助などの気になる手当の有無や、実際の働き方についても詳しくご紹介します!

Big4とは?

「そもそも”Big4”とは何か?」からご説明します。
Big4とは、下記の世界を代表する四大会計事務所のことを指し、主に監査、税務、経営コンサルティングの3つの分野においてグローバルに事業展開を行っています。

●Deloitte(デロイト)
●PwC(プライスウォーターハウスクーパース)
●EY(アーンスト・アンド・ヤング)
●KPMG(ケーピーエムジー)

それぞれ事業分野ごとに異なる運営母体を保有しており、日本の監査法人Big4と言えば、下記の四大監査法人のことを指します。

●有限責任監査法人トーマツ(Deloitte)
●PwC Japan有限責任監査法人(PwC)
●EY新日本有限責任監査法人(EY)
●有限責任あずさ監査法人(KPMG)

監査法人への転職をお考えの方や、公認会計士を目指している中で監査法人への就職を検討されている方にとっては、Big4の福利厚生についてはぜひ知っておきたい情報ではないでしょうか?
それぞれの福利厚生について、以下で詳しく見ていきましょう。

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福利厚生の基本

Big4それぞれの福利厚生を見ていく前に、比較する際に注意して見るべきポイントを簡単にご説明します。
それは、法定外福利です。
福利厚生には2種類あり、国の法律で義務付けられている法定福利と、各企業が独自で設定している法定外福利に分けられます。

【法定福利の例】
・健康保険
・厚生年金保険
・雇用保険
・労災保険
・介護保険(40歳以上)
・子ども・子育て拠出金(健康保険と一緒に徴収)
【法定外福利の例】
・通勤手当
・住宅手当・社宅
・食堂・昼食補助
・育児・介護支援制度
・社員旅行・レクリエーション
・資格取得支援制度
・フレックスタイム・リモートワーク制度

つまり、法定外福利に何が含まれているかで、企業ごとの特色を比較することができます。
ちなみに、多くの方が気になるであろう通勤手当や住宅手当(家賃補助)なども、法定外福利に含まれています。

それでは早速、Big4の福利厚生を1つずつ見ていきましょう。

有限責任監査法人トーマツの福利厚生

有限責任監査法人トーマツの基本的な福利厚生は以下の通りです。

賞与 年3回(6月、9月および12月)
昇格 年1回(10月)※能力査定の上、決定
休日・休暇 ■週休2日制(休日は土日祝日)
■年間有給休暇10日~20日 (下限日数は、入社半年経過後の付与日数となります)
■年間休日日数130日
■週休2日制(土・日)、祝日、年末年始
■有給休暇、慶弔、育児、介護、夏季休暇 他
福利厚生 通勤手当、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、厚生年金基金、退職金制度
教育制度・資格補助 実務補習所費用、公認会計士協会登録費用・年会費を全額法人負担、公認会計士開業登録関連費用(修了考査対策講座受講料、修了考査受験料)の法人負担
その他福利厚生 生命保険(総合福祉団体定期保険)、財形貯蓄、iDeCo(個人型確定拠出年金)、各種クラブ活動補助、生殖医療サポート(不妊治療・卵子凍結等)、産前講座、産後ケア教室、不妊治療休職制度、配偶者帯同休職制度、育児コンシェルジュサービス、ベビーシッター利用補助制度、トーマツ健康保険組合のカフェテリア方式による育児・介護補助クーポンやスポーツクラブ・各種宿泊施設の割引など充実した福利厚生制度
出典:デロイトトーマツ募集要項

特徴的な福利厚生:働く女性に優しい、充実した育児応援制度

有限責任監査法人トーマツの特徴的な福利厚生の1つとして、在宅勤務やベビーシッター制度など、充実した育児応援制度があります。
育児や出産といった重要なライフイベントに伴い、働きながら子育てをする職員には非常にありがたい福利厚生です。また、産後の女性職員の職場復帰を後押しするべく、ベビーシッター/病児保育シッター利用支援制度なども設けられており、ベビーシッターおよび病児保育の入会金や年会費の法人負担、利用料の割引・補助などが受けられます。また、生殖医療サポート(不妊治療・卵子凍結等)や産前講座、産後ケア教室、不妊治療休職制度、配偶者帯同休職制度など、出産・育児に関する様々なサポートが用意されています。

PwC Japan有限責任監査法人の福利厚生

PwC Japan有限責任監査法人の基本的な福利厚生は以下の通りです。

賞与 年1回
昇給 年1回
休日・休暇 ■完全週休2日制(かつ土日祝日)
■有給休暇20日
■休日日数120日

年末年始、リフレッシュ休暇、統合記念日、傷病休暇、特別試験休暇、出産/育児/介護関係休暇・休職、慶弔休暇、年次有給休暇(初年度の有給休暇は入所月による)完全週休2日制(かつ土日祝日)
福利厚生 ■通勤手当
■厚生年金保険
■雇用保険
■労災保険
■退職金制度:確定拠出年金
その他福利厚生 慶弔給付金、健康サポートライン、EAP(Employee Assistance Program)、傷病手当金、長期所得補償保険、契約施設・ホテル・スポーツクラブ等割引利用、各種クラブ活動、ジョブローテーション(法人内ローテーション)、Open Entry Program(異動支援制度)、人材公募制度(JOB POSTING)、キャリアコーチ制度、通年カジュアル制度、育児/介護関係制度(短縮勤務、週4日勤務、NO残業制度、ベビーシッター補助)
出典:PwC Japanグループ採用情報

特徴的な福利厚生:充実した健康サポート

PwC Japan有限責任監査法人では、傷病手当金やホテル・スポーツクラブなどの各種施設利用料の割引、社内クラブ活動(PwC Funs)など、充実した健康サポートが特徴的です。また、短縮勤務、週4日勤務、NO残業制度、ベビーシッター補助などの育児・介護へのサポートも充実しており、男女ともに働きやすい環境と言えます。
PwC Japan有限責任監査法人では高い語学力とデジタル知識が求められるため、研修制度が充実していることも働きやすさにつながる特徴の1つでしょう。

EY新日本有限責任監査法人の福利厚生

EY新日本有限責任監査法人の基本的な福利厚生は以下の通りです。

賞与 年2回
昇給 年1回
休日・休暇 土・日・祝祭日(ただし、法人が勤務指定する日は除く)、年末年始、創立記念日
有給休暇、リフレッシュ休暇(年間5日)、慶弔休暇、出産・育児・看護・介護休暇
公認会計士に係る試験休暇等
福利厚生 各種社会保険加入(健康保険、厚生年金、公認会計士企業年金基金、雇用保険、労災保険等)、選択制確定拠出企業型年金制度、慶弔見舞金、団体生命保険、契約施設・ホテル・スポーツクラブ等割引利用、各種クラブ活動 等
出典:EY新日本有限責任監査法人 募集要項

特徴的な福利厚生:徹底した資格取得応援制度

EY新日本有限責任監査法人では、特に資格の取得に向けたサポートが充実しているのが、嬉しいポイントです。
働きながら資格の勉強を行うのは容易ではない中で、EY新日本有限責任監査法人では、勤務後の時間を受験勉強に充てられるよう、合格するまでは原則残業がありません。また、論文式試験に備えた試験休暇制度(~最大2カ月)も用意してあり、受験対策予備校の学費の6割を補助してくれます。さらには、試験合格時にお祝い金の支給があり、学費補助と合わせると、実質0円で会計士試験に挑むことが可能となっています。
その他にも、星野リゾート・トマムなどの契約ホテルや、スポーツ施設の割引利用がついているなど、私生活を充実させるようなサポートが用意されています。

有限責任あずさ監査法人の福利厚生

有限責任あずさ監査法人の基本的な福利厚生は以下の通りです。

賞与 年2回
昇給 年1回
休日・休暇 土・日曜、祝祭日、創立記念日、年末年始
年次有給休暇、リフレッシュ休暇、慶弔休暇、ボランティア活動休暇、 裁判員等休暇、試験休暇、子の看護休暇、配偶者等出産休暇、メディカル特別休暇
福利厚生 健康保険、介護保険、厚生年金保険、企業年金基金、雇用保険、労災保険、退職金制度
その他福利厚生 産前産後休業、育児休業、介護休業、フレキシブル・ワーク・プログラム(妊娠・出産・育児・介護を理由とする休業や時短勤務)あり
各種クラブ活動補助、宿泊施設、財形貯蓄、生命保険、住宅提携融資制度、コーポレートカード、カフェテリアプラン、 リラクゼーションルーム(社内マッサージ室)、ベビーシッター育児支援
実務補習所費用、公認会計士協会登録費用・年会費を全額法人で負担
出典:有限責任あずさ監査法人 福利厚生

特徴的な福利厚生:充実した子育て支援とフレキシブル・ワーク・プログラム

有限責任あずさ監査法人の福利厚生は有限責任監査法人トーマツと同じく、出産や育児、介護への支援が手厚いことが特徴です。
特にフレキシブル・ワーク・プログラムでは、妊娠・出産・育児・介護の際に、休業や時短勤務を行える制度で、子供の成長に合わせた時短勤務や、要介護者を家族に持つ従業員には、最大1年間の時短勤務を認めています。また、ベビーシッター費用の一部負担や、病児保育にかかる費用の一部負担、育児休業から職場復帰する際に子どもを保育所へ入れるための活動(保活)を全面的にサポートする「保活コンシェルジュサービス」などが設けられています。

注目すべき福利厚生は?

ここまではBig4の福利厚生一覧と、それぞれの特色についてご紹介しましたが、4つの監査法人に共通している特徴的な福利厚生があります。それは、カフェテリアプランと、公認会計士の諸費用負担です。

カフェテリアプラン

Big4では、従業員の健康促進を目的とした”カフェテリアプラン”というものが設けられています。
これは各監査法人の健康保険組合が提供しているもので、従業員は一定金額分のポイントを支給され、「保有ポイントの範囲内であれば自由に福利厚生のメニューを選択することができる」という制度です。従業員はこのポイントを使って、健康診断の受診や健康食品の購入、飲料水や医薬品の購入など、様々な福利厚生メニューを選ぶことができます。選べる福利厚生の内容や支給されるポイントは監査法人によって異なります。

公認会計士の諸費用負担

また、監査法人では公認会計士へのサポートが手厚く、公認会計士が試験合格後に必要となる様々な費用を負担してくれる制度があります。
公認会計士は試験合格後、”公認会計士”として認められるために会計士登録を行う必要があります。その際、準会員(公認会計士試験合格後、実務補習所に通いながら実務経験を積む段階)での登録費用と、実務補習修了後、正会員として登録する際の費用でそれぞれ以下の費用が発生します。Big4では福利厚生として、この費用の一部、もしくは全額を負担してくれるため、公認会計士として働く上では非常にありがたい制度と言えるのではないでしょうか?

区分 費用(概算)
準会員登録時 60,000円
実務補習所費用 240,000円
準会員期間の年会費 114,000円~126,000円
正会員登録時 140,000円~150,000円
正会員初年度年会費 114,000円~126,000円
合計 668,000円~702,000円

監査法人の福利厚生は悪い?家賃補助や通勤手当は?

ここまでご紹介してきたように、監査法人の福利厚生は十分に充実しているように思われますが、住宅手当(家賃補助)がないことで、大手の一般企業の福利厚生と比較して不十分だと感じる方もいるようです。
実際に大手の一般企業(特に日系企業)では、多くの企業が住宅手当を設けており、会社都合の転勤や引っ越しの場合は、家賃の数割や引っ越し費用を会社が負担する場合もあります。一般的に監査法人には、このような家賃補助や借り上げ社宅などの制度が福利厚生に含まれておらず、これが監査法人の福利厚生に対する不満の一因となっています。
一方で通勤手当は、EY新日本有限責任監査法人以外の3社で福利厚生に含まれており、家賃補助と比べると比較的支給されやすいことが分かります。

Big4での働き方

Big4での働き方や業務量については、プロジェクトへのアサイン状況によって様々です。
特に年度末の3月では多くの企業が決算期に差し掛かるため、それに伴い監査業務が増加します。そのため3月は繁忙期となり、業務量の増加や残業の発生が伴ってきます。一方で、監査法人によっては、EY新日本有限責任監査法人のように試験合格までは原則残業なしや、在宅勤務、フレックス制を福利厚生として導入している所も多いため、ワークライフバランスという観点では比較的働きやすい環境が整えられているのではないでしょうか。個人差はあるものの、Big4は比較的年収が高いこともあり、プライベートを充実させることは十分に可能であると言えるでしょう。

まとめ

監査法人への就職を検討する上で、非常に人気の高いBig4監査法人ですが、実際に働くとなったら、ご自身のライフプランに合った福利厚生を設けている就職先を選ぶことが重要です。特に、「法定外福利の内容にご自身の求める内容があるか」、「満足のいく手厚さか」などに注目してみると、入所後のギャップは防げるかもしれません。
しかし、働きながらの転職活動の場合、ご自身だけでは時間も労力も思うようにかけられないと言った悩みもあるのではないでしょうか?そんな時におすすめなのが、転職エージェントの活用です。ご希望の条件に合った求人の紹介や面接の日程調整だけでなく、アピールポイントの整理や志望動機の明確化などの面接対策までサポートしてもらえるので、働きながら限られた時間で転職活動を行う方や、転職活動に不安を抱えていらっしゃる方には特におすすめです!

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この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のディレクションを担当している山本です。転職エージェントとして多くのご登録者様から頂く生の声を基に、転職に際してのお悩みや不安、疑問を解消するために、様々な情報を日々発信していきます!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
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