士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

簿記3級は意味ない?メリットや成功事例を紹介!!

HUPRO 編集部
簿記3級は意味ない?メリットや成功事例を紹介!!

簿記3級を取得したものの、「意味ない?」と不安な方もいるでしょう。ネットの声に惑わされがちですが、簿記3級は基礎知識の証明であり、活かし方次第でキャリアアップや自己成長に繋がる価値ある資格です。本記事では、その魅力と活用法を解説します。

簿記3級が「意味ない」と言われる理由

まず、世間で簿記3級が「意味ない」と言われがちな理由を整理してみます。否定的な意見にも一理ある部分があるため、最初にその背景を知っておきましょう。

取得者が多く、珍しくないから

簿記3級は比較的やさしい試験とされ、毎年10万人以上が合格しています​。内容も商業簿記の基礎に限られ、高校生でも取得する人が多いレベルです​。そのため「誰でも取れる検定」と思われがちで、資格としての希少価値が低く評価されてしまいます。事実、簿記3級は合格率がおおむね30~50%前後と高めで、難易度がそれほど高くありません​。比較的取りやすい資格であることが、簿記3級の評価の低さにつながっているのです​。

履歴書に書いても評価されにくいから

一般に企業で経理職を目指すなら簿記2級以上でないとアピール材料になりづらいと言われます。簿記3級は出題範囲が基礎的で、例えば製造業の原価計算など実務に必要な範囲を含みません。そのため「簿記3級を持ってます」と履歴書に書いても、採用担当者から見ると物足りず、「せめて2級が欲しい」と判断されてしまうのが現実です。実際、「簿記3級取得者の未経験者」と「無資格でも経理経験のある人」を比べた場合、後者の方が採用されやすいという声もあります

資格の有無が即戦力に直結しにくいから

簿記3級は会計実務の入門知識を身につける資格ですが、あくまで基本の範囲に留まります。企業の決算業務や税金計算、財務諸表の作成といった実務レベルの仕事は簿記3級の知識だけでは対応できないのが実情です​。そのため、簿記3級に合格したからといって企業から即戦力として高く評価されることはなく、他の人との差別化につながりにくいのです​。「結局は実務経験の有無のほうが重要」「簿記3級だけ持っていても採用には直結しない」と考える企業も多いため、資格がない場合と比べて大きな差が出にくいのが現状でしょう。



以上が、簿記3級に対してネガティブな評価をする人々の主な根拠です。確かに「就職に直結しづらい」「上位資格に比べ見劣りする」というデメリットは存在し、こうした声にはうなずける部分もあります。しかし、だからといって簿記3級がまったく価値のない資格かというと、決してそんなことはありません。次の章では、「意味ない」と言われがちな簿記3級にも多くのメリットがあることを見ていきましょう。

「簿記3級なんて意味ない」は本当?メリットと活かせる仕事

「簿記3級は取っても意味がない」と言われても、実際には簿記3級は取得するメリットの多い資格です​。ここでは簿記3級を持っていて良かったと思えるポイントや、資格の活かし方を確認しましょう。

簿記3級のメリット

ビジネス基礎知識の習得

簿記3級を学ぶことで、売上・仕入・利益など会計の基本的な流れが理解できるようになります。この知識は経理職以外にも、営業やマーケティングなどの職種で「数字に強い人材」として重宝される場面があります。数字に強いことで論理的な説明ができるようになり、社内外での信頼性も高まります。

就職・転職でのアピール

求人サイトでは「簿記3級歓迎」と明記されている求人も多く、経理補助や事務職、会計事務所のアシスタントなどでは即戦力でなくてもポテンシャル採用されるケースがあります。特に「資格を取って努力している姿勢」が評価されやすく、書類選考の通過率が上がることもあります。

上位資格へのステップ

簿記3級は、2級・1級、さらには税理士・会計士といった難関資格へとつながる第一歩です。3級で基礎力を固めておけば、2級以降の学習もスムーズに進みます。また、「会計が自分に合っているか」を試す良い判断材料にもなります。将来的に専門職を目指す方にも、まずは3級からのステップアップがおすすめです。

生活への応用

家計簿を付ける際に「資産」「負債」「収入」「支出」を分類して管理できるようになるなど、簿記の知識は日常生活にも活かせます。貯金計画や投資判断にも役立つため、将来的なライフプラン設計にもつながります。「お金に強い人」になる第一歩として、非常に実用的な資格です

《関連記事》

簿記3級を活かせる職場

一般企業の経理

入出金管理、経費精算、帳簿作成など日常的な会計業務において、簿記3級の知識は即戦力になります。小規模な会社やスタートアップ企業では、基礎的な会計業務を任されることもあります。

税理士事務所の補助業務

記帳代行や決算書類の作成補助など、税理士業務のサポート役として簿記3級の知識が活用されます。正確性とスピードが求められる場面で、資格保持者は信頼されやすい傾向があります。

営業職

取引先の財務状況を理解できるようになることで、交渉や提案の幅が広がります。数字に基づいた提案ができる営業職は、顧客からの信頼も厚く、成果にもつながりやすくなります。

個人事業主・フリーランス

自身の売上や経費、利益を正確に把握し、確定申告にもスムーズに対応できます。外注せず自分で帳簿を管理できるようになるため、コスト削減にもつながります。

簿記3級は、基礎的な資格でありながら、多方面での活用が期待できる有用な資格です。

《関連記事》

簿記2級になると何が変わる?

簿記3級の次に目指す人が多い「簿記2級」。
ここでは、3級と何が違うのか、そして2級を取ることでどんなメリットがあるのかをわかりやすく解説します。

簿記2級はどんな資格?

簿記3級では日々の仕訳や帳簿記入など、基礎的な商業簿記を学びますが、簿記2級では以下の点が大きく異なります。

商業簿記のレベルが上がる(決算整理、帳簿締切、財務諸表など実務に近い内容)

工業簿記が新たに加わる(製造業の原価管理や費用配分など)

さらに、最近では税効果会計・連結会計といった実務的な分野も試験に取り入れられ、よりリアルな会計スキルが求められます。

勉強時間も3級の倍以上。
目安としては300~400時間ほど必要で、たとえば「平日1日2時間勉強」で約半年〜8ヶ月かかるイメージです。

簿記2級の合格率

最新の合格率は以下の通りです:

第169回(2025年2月):20.9%

第168回(2024年11月):28.8%

第167回(2024年6月):22.9%

3級の合格率(40〜50%台)と比べると、2級は明らかに難易度が高く、「誰でも受かる資格ではない」ことが分かります。

《関連記事》

出典:商工会議所の検定試験

簿記2級は就職・転職で明確に差がつく

多くの企業が「簿記2級以上」を応募要件としており、経理・会計事務所・財務部門の求人にエントリーできるようになります。未経験でも「知識がある」と評価され、書類通過率が格段に上がります。

実務未経験でも、2級を持っていれば「基礎がある」「努力できる人材」として評価され、書類通過率・面接突破率のアップにつながります。

簿記2級は副業や在宅ワークにも活かせる

クラウドソーシングや経理アウトソーシングの求人では「簿記2級以上」が条件になっていることが多く、データ入力や会計処理業務などを在宅で行うチャンスにもつながります。

「在宅でできる副業をしたい」「スキマ時間に経理経験を積みたい」という方にとっても、2級は収入アップのきっかけになり得る資格です。

簿記2級は実務に直結するスキルが身につく

月次・年次決算、原価計算、仕訳処理、財務分析など、実際の経理業務で求められるスキルを学べるため、取得後すぐに現場で活躍できる力になります。

《関連記事》

実際の求人例

日商簿記3級以上

財務コンサルタント
年収350〜500万円

【業務内容】
中小企業様の経営支援として、独自の商品を用いて、 「どこに手を打てば利益が出るのか」と「どうすればお金を残せるのか」 また「正しい経営とは何か」を経営者に指導をしてきます。

弊社独自の商品知識さえ覚えてしまえば、お客様から喜ばれるご提案ができる仕組みが構築されており、 未経験でも入社後半年で担当を持ち始め、早い段階から顧客経営支援の実績を築けます。

もちろんOJTや研修もしっかり行いますのでご安心ください。「中小企業の経営支援をしたい」という強い気持ちさえあれば、必ず成長できる環境です。

<学歴>
不問

<業務経験>
【必須業務経験】
◎営業経験者の方

<資格>
【必要資格】
日商簿記3級以上

日商簿記2級以上

税理士補助
年収330〜500万円   ※実務経験者は400万円から

【業務内容】
◆会計監査・月次決算
◆確定申告・年末調整
◆税務相談
◆資金改善支援
◆経理事務改善
◆業種別計数管理支援
◆自社株式相続対策
◆新規開業・創業支援
◆M&A支援
◆外部監査
◆会計コンサルティング業務

<学歴>
不問

<業務経験>
【必須業務経験】
◎社会人経験(経理、銀行、証券、保険、SEのご出身歓迎)

【歓迎業務経験】
○会計事務所、税理士事務所での実務経験者

<資格>
【必要資格】
◎税理士試験の科目合格者(科目数問わず)または日商簿記2級以上

税務・税理士←求人情報をチェック!

簿記3級を活かしてキャリアアップ成功事例

未経験から経理職へ転職成功

年齢:28歳

前職:販売職

取得資格:簿記3級

転職後:中小企業の経理職に就職

ポイント
簿記3級を取得し、未経験から経理職への転職に成功。​入社後は実務を通じてスキルを磨き、現在は月次決算まで担当。​

子育て後に再就職成功

年齢:35歳

前職:専業主婦

取得資格:簿記3級

転職後:会計事務所のパートスタッフに就職

ポイント
子育てが一段落したタイミングで簿記3級を取得し、会計事務所のパートスタッフとして再就職に成功。​現在は正社員登用を目指して勤務中。

転職支援サービスも活用しよう

簿記3級は経理・会計分野への入り口として非常に価値のある資格です。もっと活かしたいと感じたら、自社である転職エージェント「ヒュープロ」のサービスを活用しましょう。ヒュープロでは経理・会計分野の求人が豊富で、未経験からの転職支援にも強みを持っています。キャリア相談も無料なので、お気軽にご相談ください! 

《関連記事》

まとめ

簿記3級には「意味ない」と言われることもありますが、実際は多くの価値があります。特に、スキルアップや転職の第一歩、そして日常生活の知識としても活かせる場面は少なくありません。

もし、さらにキャリアを広げたいと感じたら、簿記2級への挑戦や、ヒュープロの転職支援サービスの活用も視野に入れてみてください。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:資格試験

おすすめの記事