士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

業務効率化を徹底し、クオリティの高いパフォーマンスで地域の困りごとに寄り添う。健康経営を目指す、市原会計グループ

HUPRO 編集部
業務効率化を徹底し、クオリティの高いパフォーマンスで地域の困りごとに寄り添う。健康経営を目指す、市原会計グループ

京都府宇治市に拠点を置く、市原会計グループ。税理士や社会保険労務士などの資格を有するスタッフが揃い、京都南部エリアの方の「税金」だけには留まらない、様々なお困りごとに幅広く応え続けている税理士法人です。
今回は”地域社会への貢献を第一に考えている”と話す市原鉄平代表に、市原会計グループがこれまで創業の地で40年以上愛されるために心がけてきたこと、そしてスタッフが持続的に働き続けるための秘訣について、HUPRO編集部が伺いました。

京都宇治・南山城の地で創業40年 とにかくお客さまの声に耳を傾け続けた

ー今年で創業40周年を迎えられたとのこと、地域で一番長く営まれているのではないでしょうか?

市原:京都の久御山町(その後、城陽市を経て、現在の宇治市へ)で開業し、おかげさまで多くのお客様にごひいきにしていただいています。京都府内に限らず、奈良や大阪などの近県エリアからも仕事をいただいている。これはひとえにお付き合いしているお客様が、口コミで当法人のことをお伝えくださっているからこそです。

ー令和3年には第二創業期を迎えられたとのこと。

市原:私の父にあたる市原洋晴が当社を創業しましたが、6年前から経営体制が代わり、私が2代目として後を継いでいます。そして令和3年に新会社を設立して、事業承継をしました。現在、市原会計グループには税理士法人市原会計と株式会社市原エスエムエスの2事業法人が存在しています。

ー鉄平さんは従前、国税庁で勤務されたご経験もありますが、市原会計グループを継がれることに相当の覚悟を持っていたということなのでしょうか。

市原:実は、国税庁を退職し東京で独立、という選択肢も考えました。”自分ができることを一人で試したい”という気持ちがあったことも。ですが、”自分の役割”についてじっくり考えた際に、京都に戻って事業承継をすることで、その役割を果たせるのではないかと考えました。

この地で創業し、父を筆頭にゼロから信頼関係や顧客との人脈を作り上げてきたことは、他ならぬ貴重な財産だと思っています。そんな中で私も、これほどに地域に根づいている市原グループをより良いものにしていきたいという強い思いがあったのです。

そして自分が継ぐからには、「単に今あるものを引き継ぐ」だけではなく、「後継者が新たに創業する」くらいの覚悟が必要だとも感じていました。第二創業期の節目として区切ったのはこうした思いからです。

ー地域密着、地元とのつながりが強みとお伺いしています。

市原:創業以来、業務の枠に捉われることなく、地元のお客様の些細なお困りごとに迅速に対応できるように心がけてきました。それは、単なる会計事務所ではなく、我々も地域社会に根差した一企業であるからです。だからこそ業務内容に限らず、何かお手伝いできることはないか?と常日頃から考えております。

ー具体的にはどのようなお客様とのお付き合いが多いのでしょうか。

市原:法人企業はもちろんですが、個人の方もいらっしゃいます。また資産家の方とのお付き合いもありますね。地域には製造業のお客様が多いですが、農家の方や農協の方とのお付き合いも非常に多いです。特に農協の方とは、毎年共催という形でセミナーを実施しているため、そのことをきっかけにつながりが広がっています。このように、エリア全域内で規模を問わず幅広いお客様とお付き合いさせていただいております。

個人から企業まで あらゆるお悩みに応える

ー日頃の業務内容についてもお伺いできますでしょうか。

市原:法人や個人、資産家の方に対して、主に税務支援や人事労務の支援などを行っています。具体的にはお客様の事務所へ訪問し、会計監査や経営相談、アドバイスをしています。また、決算時の申告業務や節税対策の検討をすることも。他にも、経営情報の提供や事業承継のサポートなども行っています。

その中でも、特に経営支援や家系継承地域には力を入れており、お客様との密接なコミュニケーションによって、より良い関係を築き上げています。

ー相続対策について力を入れてらっしゃるとのことですが。

市原:はい、中でも家族で取り組む相続を前提とした、生前対策支援に力を入れています。相続に関してはきちんと理解をしていれば損をしないことも多いのですが、知らないがゆえに税金が発生してしまい負担がかかってしまうことが多いです。なので、生前からの対策をしっかり行うことを提唱しています。
私たちができることとして、お客様に知っておいてほしいことを、知識提供することに力を入れております。個人的には、相続税負担がゼロになることが理想だと思っていますね。

これら分野の最新の情報やノウハウは、当事務所の顧客に限らず、広く多くの方に情報をお伝えするべきだと考えており、初回のセミナー開催から10年目を迎えています。

ーコロナ禍に対応して、いち早くオンラインセミナーを導入されたのだとか。

市原:以前は会場を借りて、対面にてセミナーを実施していましたが、2020年以降それが叶わなくなりました。そこで、すぐにオンライン会議システムzoomを使用したオンラインセミナー形式での実施に切り替えました。

すると、日頃お付き合いのある方だけはなく、”オンラインだから参加できた”という今まで出会えなかった様々な方が訪れてくれるようになりました。これまでとは顧客層がガラッと変わりましたが、変化を恐れず対応したことで、新たな出会いがあったことは嬉しいですね。

かゆいところに手が届く、「地域の何でも屋」に徹する

ー地域密着を掲げる市原会計グループは、「ただの税金屋にあらず」とのことですが、どういうことでしょうか。

市原:私たちは、ただ税金の管理や計算のサービス提供をするのが全てではありません。もちろんそれが業務の主軸ではありますが、お客様から税に関するご相談を頂く過程で、他にも細かなお困りごとが必ずあるのです。それらは、結果的に主業務にも繋がっていきます。こうした細かな困りごとまで含めて私たちの業務。何でも応えられるようにしていきたいと思っております。

ー「細かなお困りごと」には例えばどんなものがあるのでしょうか?

市原:先ほどお話した通り、コロナ禍になってzoomを導入してセミナー開催をしたのですが、お客様の多くはご高齢で、オンラインツールの使い方が全くわからないのです。ですからお客様の元へお伺いし、使い方を教えて差し上げたりしましたね。
一見おせっかいにも見えるかもしれませんが(笑)、それが私たちの良いところであり、そこまで含めて顧客付き合いだと思っています。
お客様からは”市原会計は地域のお困りごとや、かゆいことをケアしてくれる”と言っていただけますが、この上なく本望なお言葉ですね。

ー本当になんでも応えるスーパーマンですね。最初、入所されるスタッフの方は驚かれるのではないでしょうか?

市原:そうですね、驚かれるかもしれません。ですが、お客様に喜んでいただくことと、そして組織と自身が成長できる喜びを感じたい人にとっては、この上ないやりがいを感じられる職場だと思います。社会貢献の精神を持った方には、ぜひ来ていただきたいですね。

逆に、便宜的に税金計算をして決算作業をすることだけを志している人にとっては、向かないスタイルなのかもしれません。

ー貴社で働く皆さんには、”社会貢献の精神”の他にどのような特徴がありますか?

市原:”こう成長したい”、”こう学んでいきたい”という向上心を持っているところが特徴ではないでしょうか。スタッフたちは、税理士に限らず様々な資格を所有しています。年齢や環境が異なっていても、自分で努力をし続ける姿勢があるのです。

ー業務の経験や資格がなくても活躍できる環境とも伺いました。

市原:例え業務未経験者であっても、”やる気と努力する熱意”があれば大歓迎です。資格の有無や地位は関係なく、いかに現場において力がつけられるか、だと私は思っています。そういう意味では、誰にでもフラットな環境なのではないでしょうか。

実際に、無資格ながら業務に長く深くコミットして知識や経験を積んだことで、まさにスペシャリストとも言えるほどに、所内からもお客様からも熱い信頼を得ているスタッフもいます。ぜひ切磋琢磨し、自己研鑽をし続けてほしいですね。

また現在も税理士試験を受験中、受験予定の人、中小企業診断士やファイナンシャルプランナーを目指して勉強中の人もいます。試験勉強と両立しながら、”なりたい姿”を磨き上げています。

「健康経営」で、より効率的かつ持続的に働き続ける

ー会計業界というと、常に忙しいというイメージがあります。その印象を払拭するように「健康経営」を掲げているようですね。

市原:確かに昔は常に仕事が忙しく、夜中に事務所の明かりがついていると「ああ、今日もあの事務所は午前様なのか。ものすごく頑張っているな」などと言われたものです。

自分自身も、国税庁勤務の頃は明け方まで勤務する日々を繰り返していましたが、そういう働き方を辞めたいと思って改革しています。

なぜならば、心身が健やかでないとお客様の幸せは作れないからです。仕事とプライベートの時間のメリハリを持つことは、長い目で見て大切なこと。余暇のほか、家族や友人との時間を過ごすことで「自分が幸せを感じる」ことが、ひいては健やかなワークライフをも作っていくと考えています。また私自身も、そういう毎日を過ごしたいと願っています。

ーワークライフバランスを保つために、業務改革もおこなっているとのこと。具体的にはどんな対策をされていますか?

市原:業務計画を立てることを徹底してもらっています。所員各自が向こう2週間の業務計画を立て、それを計画表に落とし込むことで、誰もが可視化できる状況にしています。

そうすることで、”いつ誰が忙しいか”がわかり、”誰か手が足りない”という状況になった際に、お互いがフォローできるようにしています。また、残業をする際にも事前申告制度を設けているため、より忙しい状況が可視化されています。おかげで全員プレーができるので、特定の人に仕事が偏りすぎないようになっていますね。
また、計画を立てるだけではなく、振り返りと分析をきちんとすることを徹底しています。そうすることで、自分の業務内容で不足していることや、工数などを把握することができるだけではなく、業務のスピードアップもできるからです。
より効率良く、全員プレーができるよう、これからも研鑽していきたいですね。

最終的に目指すところは、労働集約型の働き方の脱却です。私たちは街の本物のプロ集団として、「時間をかけるからこそ価値がある」という働き方ではなく、「メリハリをつけつつ、高い知識やクオリティを提供できるという点に価値がある」という働き方を実現し、より「スマート、かつハイクオリティ」な法人であることを、アピールしていきたいですね。

お話を伺った市原会計グループの企業特集ページはこちら
市原会計グループのHPはこちら

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:キャリア

おすすめの記事