財務の仕事は、単なる数字の管理ではありません。経営陣の意思決定に関わり、企業の未来を左右する重要な役割を担っています。本記事では、財務の仕事の詳細や必要なスキルをご紹介します。その後、財務の仕事ならではのやりがいや成長機会。反対に、財務の仕事の厳しさや辛さなどプラスもマイナスも徹底解説します。
財務とは、企業や組織の予算管理や資金繰り・資金調達などを行う仕事のことです。
企業の経営ビジョンに基づいて長期的な財務戦略を策定します。
その財務戦略に基づいて収支を管理し、不足分は資金調達や株式・社債発行、コスト削減などで補填・対応し、余剰分は適切に投資・運用・管理します。
会社の財政状態を的確に把握し、打ち手を考えて実行していく仕事のため、会社にとって非常に重要な役割となります。
財務の仕事内容に関する記事はこちら
【財務の仕事完全ガイド】未経験でもわかる!実務と役割のすべて
財務の主な業務内容は、大きくわけて下記3点です。
財務は単なるお金の管理業務ではなく、企業の成長戦略に直結する重要な業務です。過去・現在のデータを分析して将来の予算を計画し、不足分の資金調達や、余剰資金の活用方法を考えることで、企業の成長を支えます。
特に、下記三点が、経営の意思決定に直結する重要な業務になります。
「財務戦略が会社の成長を左右する」と言っても過言ではないです!
財務に必要なスキルは、専門知識+分析力+コミュニケーション能力が中心です。
さらに、ITスキルや経済の知識もあれば、より高度な財務戦略を立てることができます。
「お金を扱う仕事」だからこそ、正確性と冷静な判断力が最も大事になります。
財務は会社の資金管理を担う部門のため、会計や財務などの専門知識は必須となります。
特に以下の内容は重要です。
また、専門知識でいえば、経済・金融の知識も会社のフェーズによっては必要です。
特にグローバル企業や外資系企業では必須のスキルです。
財務データを分析し、経営層に適切なアドバイスをするために必要です。
財務は社内外の多くの関係者とやり取りをします。特に財務の専門用語を嚙み砕いて説明できる力が大切です。
最近の財務業務ではDX化が推進されており、ITツールの活用が欠かせません。会社によって利用ツールが違うこともあるため、どんなツールを扱っている会社に入社したとしても適応できるだけのITリテラシーはつけておいた方が良いです。ツールを利用したうえで、数字を素早く扱い、正確に分析する力が必要とされています。
財務の仕事は、締め切りのプレッシャーや経営判断の責任が重い場面が多く、冷静に・正確に・慎重にが財務の基本のため、何事にも一喜一憂せず対処する必要があります。
財務は、一般的に非生産職(間接部門)に分類されることが多く、また営業と異なり、業務の成果を個人数字では判断しづらい部門です。そんな中で財務の仕事にはどのようなやりがいがあるのでしょうか?
財務の仕事は、会社の財務状況の改善や利益向上という形で成果が目に見えやすいのが特徴です。たとえば、資金繰りを改善した結果、企業の成長投資ができるようになったり、財務戦略の成功で利益率が向上したりすることがあります。
資金繰りの管理、投資判断、コスト削減など、数字をもとに戦略を立てる仕事が多いため、分析力や戦略的な思考が身につきます。ロジカルな思考力を活かしたい人には特に向いているでしょう。
財務のデータは経営判断に直結するため、経営層と直接関わる機会が多いです。経営の視点を学ぶことができ、会社全体の動きを理解できるのは魅力のひとつです。将来的にCFO(最高財務責任者)や経営企画のポジションを目指す人にとって、大きなキャリアチャンスになります。
財務の仕事はやりがいがある一方で、厳しい部分もあります。具体的にどのような点が大変なのか、詳しく解説します。
財務は、会社のお金を扱う仕事です。ミスが直接経営に影響してしまうため、かなり責任が重い仕事と言えます。
数字に強く、細かいミスを防ぐ注意力などがなければ、経営判断ミスなどを誘発してしまい、時には致命傷になることもあります。
消費税の増税や軽減税率などの導入などにより、経理・財務の業務が複雑化するなどといった影響が近年発生していますが、そのようなことをキャッチアップしつつ、かつ迅速に対処していくことが求められます。
他業種に比べてノルマなどはないものの、常に納期に追われるような業務となります。またその納期をずらしてしまうと会社の信用を失うこともあるため、タスク進捗は日々確認する必要があります。
財務は、経営陣・銀行・投資家・税理士・会計士など、多くの関係者と連携する必要があるため、コミュニケーション能力が不可欠です。
コミュニケーション能力が乏しいと資金調達や財務戦略を、銀行や投資家にうまく伝えきれず、交渉決裂となることもあります。
先述の通り、財務の業務ではITスキルが必要なため、ITの活用に抵抗がある人は辛いと感じるでしょう。
財務の仕事は「数字を扱うだけ」ではなく、経営戦略・資金調達・リスク管理など、会社の成長に直結する役割を担います。そのため、以下のようなスキルと人物像が求められます。
・Excelやスプレッドシートの関数を扱うことができる人
・会計データなどを扱うことが得意な人
・計算や分析が好きで細かい数字のズレが気になる人
・プレッシャーの中でも冷静に判断できる人
・自分の仕事が会社の意思決定を左右するという意識をもって働くことができる人
・財務データを「経営層」「銀行」「投資家」「他部署」に分かりやすく説明できる人(相手の知識レベルに目線を合わせられる人)
・銀行交渉・投資家対応などが多く、相手の懐に入り込んで、こちらの要望を通りやすくしていく対外的な折衝ができる人
・社内の営業・経理・人事部門と連携しながら最適な資金配分を決める、というような社内調整が得意な人
・交渉やプレゼンが得意な人
・Excel・財務ソフト・BIツール(Power BI, Tableauなど)を使いこなせる人
・ ITシステムを活用することで、財務業務を効率化していこうと推進できる人
・データを整理し、可視化することが好きな人
・自ら進んで学び取りに行く意識が高い人
・キャッチアップをしながらアウトプットすることができる人
・勉強が好きな人
財務職は、営業職に比べると事務的な要素が強いですが、その分経済や会計の知識を深めることが求められます。
日々の勉強や会計知識、税制の最新情報にキャッチアップしながら、自社の経営陣と密に連携し、戦略的な意思決定をサポートし、さらに、銀行や投資家との折衝も多く、資金調達や投資家との関係構築をしていくなど、企業の未来を形作る重要な役割を担っています。
このように、責任重大な分、やりがいを感じる機会も多く、企業の成長や利益に直接的に貢献できる点が財務職の魅力です。
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