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税理士試験における官報合格とは? どのくらいいる?評価は高い?

ヒュープロ編集部 川辺
税理士試験における官報合格とは? どのくらいいる?評価は高い?

税理士試験の合格方法の一つに官報合格があります。どんな方法で合格したとしても試験合格の効果は変らないものの、合格プランによって勉強のスケジュールなどを変える必要があります。本記事では、税理士試験の官報合格とは何なのか、評価は高いのか、そして2024年から変わる公告方法まで解説します。

税理士試験における官報合格とは?

一言でいうと、官報合格とは、税理士試験の合格に必要な5科目全ての試験に、合格して取得することです。この該当者については、税理士試験の合格発表日に日本政府の「官報」氏名受験番号受験地が掲載されるため、このような呼ばれ方をしています。

官報合格以外で税理士試験に合格する方法

官報合格以外で税理士試験合格者となる方法として、認定合格があります。認定合格とは、特定の条件を満たしている場合に一部もしくは全ての科目の免除を受けて合格することです。

一部科目免除の場合は、他の科目は受験して合格する必要がありますが、全科目免除の場合は試験を受験しなくても試験合格者と認められます。認定合格の具体的な方法を紹介するにあたり、まずは税理士試験の科目合格制について解説します。

税理士試験の科目合格制について

税理士試験は科目合格制を採用しており、11ある科目のうち5科目を取得することで、試験合格したことになります。ただし取得する5科目については、必ず取得しなければならない必須科目、いずれか一つを取得しなければならない選択必須科目があり、それらのルールに基づいた科目を取得することで試験合格と認められます(5科目以上を取得することも可能)。具体的には以下のように定められています。

試験は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)について行われます。

この条件に基づいて5科目合格した人を官報合格者、一部もしくは全ての科目を免除されて合格に至った人を認定合格者と呼びます。

科目免除について

科目免除が可能な要件には大きく分けて、「学位取得による科目免除」、「特定資格取得による免除」、「国税従事による科目免除」の3つがあります。

まず「学位取得による科目免除」は大学院の単位取得により認められ、税法に属する科目であれば2科目会計学に属する科目であれば1科目が免除されます。
次に「特定資格取得による免除」は弁護士もしくは公認会計士の資格を保有していることで認められ、全科目が免除されます。
最後に「国税従事による科目免除」では国税局などで国税従事者として働くことで認められ、所属していた年数によって一部科目の免除か全科目免除かが変わります。

官報合格者はどのくらいいる?

下表は2023年(令和5年度)第73回税理士試験までの官報合格者の推移です。第73回税理士試験の官報合格者は600名であり、2014年の910名から比べると3分の2以下になっています。

税理士の中での官報合格者の割合については明確な数値が出ているわけではありませんが、1年間の税理士登録者数は600名~800名で推移していることを考えると、多くの税理士が官報合格で税理士になっていると想定されます

【2024年最新】 官報合格しても名前が掲載されなくなる??

先述した通り、税理士試験の官報合格者は「官報」に氏名・受験番号・受験地が掲載されていました。しかし、財務省より発表された「令和5年度税制改正の大綱」は下記のように定めています。

(4)税理士試験合格者の公告方法等の見直し 税理士試験合格者等の公告及び税理士試験実施の日時等の公告は、国税審議会会長が、公告事項を、相当と認める期間、インターネットを利用する方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、官報をもって公告する方法により行うこととする(国税審議会が行う公認会計士の税法に関する研修の公告、試験科目の一部の免除の認定基準の公告及び税理士試験免除に係る指定研修の公告についても同様とする。)。また、税理士試験合格者等の公告について、公告事項を受験番号(現行:氏名)とし、税理士試験全科目免除者の公告を廃止する。 (注)上記の改正は、令和6年4月1日から施行する。

これにより、2024年(令和6年度)第74回税理士試験で官報合格に至った人からは、氏名が公表されないことになります。個人情報保護などの観点でこのような変更がなされたと推察されますが、自分の名前が官報に載ることを夢見て勉強していた方にとっては、落胆する出来事であるかもしれません。
ただし、税理士試験の難易度や受験資格などが変わるわけではありませんので、合格できるかどうかという部分に支障はないでしょう。

官報合格者の評価は高い?

かつては、税理士業界の転職市場での官報合格者の評価は特に高く、選考において優遇される傾向にありました。難関国家試験である税理士試験を全科目合格したということで、勤勉であること地頭の良さを評価されていたようです。

しかし近年は、認定合格者も官報合格者も同等と捉えるのが一般的です。なぜなら試験合格の方法は、入社後に活躍するかどうかの判断軸にならないからです。
ですので官報合格者だからと言って特別に評価が高いわけではなく、どのようにスキルを習得していけるかや、クライアントにどう貢献できるのか、という部分が重要視されているのです。

大前提、税理士試験合格の時点で十分に転職に活かせますので、合格方法による差はどちらにせよ小さいでしょう。

官報合格を目指しながら働くのにオススメの税理士法人

税理士試験の官報合格を働きながら目指す場合、どんな職場で働くのかも非常に重要になってきます。今回はそんな方にオススメの職場として、税理士法人第一経理をご紹介させて頂きます。

税理士法人第一経理は東京都豊島区にある、「中小企業の未来を共に支えること」を使命としている税理士法人です。税務会計だけでなく、相続や経営相談、M&A・事業承継から労務、人材育成、MAS監査など、経営全般の課題を解決するためのサービスをワンストップで行っています。

官報合格を目指すにあたっては、残業時間が少なく試験勉強に対しての理解が深いことがメリットとなるでしょう。また業務については、OJTOff-JTだけでなく、実務のための研修が充実しているため、税理士試験勉強と並行して習得することができます。

税理士法人第一経理について、詳しい情報を確認されたい方は、以下より事務所様のサイトをご覧ください。
税理士法人第一経理│HP

官報合格後のキャリア

税理士試験に官報合格すると、様々な分野で活躍することができるため、市場価値はとても高いです。その中でも特にオススメの就業先として、下記が挙げられます。

・会計事務所(税理士事務所や税理士法人)
・一般企業の管理部門への就職
・コンサルティングファーム
・M&AアドバイザリーやM&A仲介会社

また、税理士登録を済ませれば、税理士事務所などを独立開業することも可能です。
税理士が活躍できる就業先については、以下の記事で詳しく紹介しています。
«参考記事»

まとめ

今回は税理士試験における官報合格と呼ばれる合格方法について解説しました。官報合格するのはかなり難しいものの、認定合格も含めて、税理士の市場価値は非常に高いので、その後のキャリアに大きく活かすことができます。
今後のキャリアや転職についてのご相談については、士業・管理部門特化の転職エージェントである当社ヒュープロのキャリアアドバイザーに是非お任せください。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
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