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USCPAは経理の転職で有利?メリットや取得する難易度も解説!

ヒュープロ編集部 川辺
USCPAは経理の転職で有利?メリットや取得する難易度も解説!

USCPAは米国公認会計士とも呼ばれる会計系の資格の一つです。経理職でのキャリアアップや転職を目指すにあたって取得を検討する方も多い資格ですが、本当に持っていると有利なるのでしょうか?今回は経理職においてUSCPAを取得するメリットや向いている人から、その他のオススメの資格まで、詳しく解説します。

そもそもUSCPAとは?

USCPAはU. S. Certified Public Accountantの略称で、日本語では米国公認会計士と呼びます。
その名の通りアメリカ合衆国の資格ですが、日本をはじめ世界各国で受験することができます。資格取得には、会計の知識はもちろん英語力も必要です。また国際会計基準など、日本では必ずしも習得しない知識についても、押さえておかなければ合格することは難しいでしょう。

USCPAの難易度

USCPA試験は4科目に分かれており、各科目の合格率が公開されています。2023年の各科目の合格率は以下の通りです。

AUD 47%
BEC 57%
FAR 43%
REG 59%

日本の公認会計士試験の最終合格率(2023年)が7.6%であったことと比較すると、難易度が低いように見えるかもしれません。
ただしUSCPA試験は、受験資格として4年生大学の学位などの学位要件および会計24単位などの単位要件を設けていることも踏まえると、十分難易度が高いといえるでしょう。

また試験合格に必要な勉強時間は、英語の習熟度にもよりますが1,000時間から1,500時間と言われています。このことからも、数ヶ月で取得できるような資格ではないということがお分かりいただけるのではないでしょうか。

経理に関わる上でUSCPAを取得するメリット

会計に関する難易度の高い資格なので、経理業務に活かせるというのはある程度イメージがつくかも知れませんが、持っておくと具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
いくつか紹介していきます。

実務未経験からの経理職へのキャリアチェンジで武器になる

実務未経験から経理職に転職する場合は、当然ですが実務の経験に関するアピールができないため、他で何かしら経理職に貢献できるポイントを強調する必要があります。そんな中でUSCPAを所持していると、他の未経験者との差別化ができます。これにより、キャリアチェンジに成功する確率が高まるというわけです。

経理職としてキャリアアップができる

経理職として働いている場合でも、USCPAを取得することで国際会計基準に沿った業務など、様々な仕事を任せられるようになります。また、海外事業海外子会社に関わる可能性もあるため、より幅広いキャリアの選択肢が出てくるのです。

外資系企業への転職がしやすくなる

経理の経験があったとしても、外資系企業の経理職への転職はかなり狭き門です。しかしUSCPAがあれば、会計知識の証明だけでなく英語力や国際会計の知識についても裏付けることができます。これは外資系企業においては特に必要とされる知識なので、採用される確率が高まります

もちろん英語力のアピールにあたっては、TOEICで高スコアを取るという手段もありますが、国際会計に関しての知識は必要とされていません。ただ、TOIECで高スコアを獲得してからUSCPAに挑戦するというのは、合格への有効な選択肢と言えます。TOEICにおける高スコアの取得方法については、以下の記事をご参照ください。
TOEIC初心者でも600・700・800点取れる勉強法を徹底解説!【独学】│スタディチェーン

経理に関わる上でUSCPAを取得するデメリットはある?

難易度が高い資格であるUSCPAですが、必ずしもメリットしかないというわけではありません。ここではデメリットの側面についても見てきましょう。

日本における認知度が低い

USCPAは日本で広く知れ渡っている資格とは言えません。同じ会計系の資格である簿記検定や税理士、そして日本の公認会計士に比べると圧倒的に知っている人が少ないです。

経理職などの求人を見てみても、日商簿記2級や公認会計士などの資格を必須資格に設定していることが多い一方で、USCPAは「無くても応募できるが、あると優遇する」という意味合いの歓迎資格に据えられていることがしばしばあるといった程度です。
経理職として働いている人がUSCPAを取った場合についても、その企業の資格手当の対象資格に無い場合などでは評価されづらいことがあります。

習得した知識が活用しきれないことがある

簿記や公認会計士などは、基本的にその企業の経理職にも必要とされる知識を身に付けることができます。
もちろんUSCPAも同じではありますが、先述した国際会計基準などは全ての企業の経理職に必要なわけではありません。むしろ、何かしら海外とのやり取りが発生している企業以外では、USCPAならではの知識を活用しづらいといえます。

取得にかかるコストほど、経理の転職やキャリアアップに活かせない

先ほども申し上げたように、USCPAの合格のためには1,000時間から1,500時間の勉強が必要と言われています。その一方で、評価されづらかったり、習得した知識を活かしきれないということもご紹介しました。

この勉強時間と上記のデメリットのバランスを鑑みた時に、「コスパが良い資格とは言えない」と感じる方も一定数いらっしゃいます。資格取得後にどんなキャリアを描きたいかによっては、そこまでプラスにならない可能性もあるということです。

USCPAを取得するのに向いている人

USCPAを取得するのに向いている人は先ほどご紹介したメリットを踏まえると以下のような人であるといえます。

・未経験から経理職に挑戦したい人
・海外事業や海外子会社での経理を担当したい人
・外資系企業の経理職に転職したい人

繰り返しにはなりますが、ご自身の状況やキャリアプランに合わせて合格を目指すか考えるのが良いでしょう。

USCPA取得者の経理職からのキャリアパス

ここまで、経理職におけるUSCPAの位置づけについて解説していきましたが、USCPAが活かせる職場や職種は他にもあります。

監査法人

監査法人とは、公認会計士法に基づき会計監査を行う法人のことです。
公認会計士の約9割ほどが監査法人に就職すると言われますが、日本にいるUSCPA保持者の中でも監査法人で監査に関わることを希望する方が一定数いらっしゃいます。

FAS系コンサルティングファーム

FAS系コンサルティングファームでは、M&Aの売り手企業や買い手企業に対してM&A業務のサポートをメインとして行います。売り手企業の財務状況などを調べる際に、会計や監査の専門的な知識が必要とされる場面も多く、USCPA保持者のニーズの高い業界といえます。

税理士事務所・税理士法人

税理士の就業先として知名度が高い税理士事務所や税理士法人ですが、国際税務のサービスを提供している場合はUSCPA保持者を積極的に採用する傾向にあります。USCPAは税務に活かせる知識も学ぶことができるため、税理士事務所や税理士法人でも活躍しやすいでしょう。

USCPA取得後のキャリアチェンジに重要なポイント

USCPA取得後に転職したいという方も多いと思います。難易度が高く活かせる職場は多いものの、認知度が低いことなどから場合によってはうまくアピールしきれずに、転職活動に難航するケースもあります。

そんな時にオススメなのが、人材エージェントを活用することです。希望の条件やご自身の経歴などを伝えることで効率的にマッチした求人を提供され、日程調整もエージェントが実施してくれます。

士業・管理部門特化の転職エージェント「ヒュープロ」では、経理職をはじめとしたUSCPAを活かした転職をお考えの皆様のキャリアをサポートしております。選考にあたって書類添削や面接対策の手厚さや、業界特化だからこそ持ち得ている企業情報や市場感の知識の深さには定評があります。

【参考】経理職への転職で活かせるその他の資格

最後に、経理職への転職で活かせるその他の資格についてご紹介しますので、参考程度にご覧ください。

日商簿記2級

日商簿記2級は多くの経理求人で必須資格となっているほど、経理とは切り離せない資格です。USCPAよりは難易度が低いものの、会計系の基本知識を習得することができますので、まだ資格を持っていない場合は日商簿記2級から目指すのがよいでしょう。

税理士

税理士は会計というよりは税務の専門家ですので、正しいルールで納税できているかなどを確認する際に高い価値を発揮します。資格取得には4,000時間ほどの勉強が必要と言われているので、USCPAよりも難易度は高いといえます。

公認会計士

公認会計士はUSCPAの日本版と認識していただいて問題ないですが、監査法人などで行われる監査業務は公認会計士しか実施することができません。なぜなら、監査業務は公認会計士の独占業務だからです。ですので監査業務をやりたい方は、公認会計士を取得すべきといえます。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!ご相談はヒュープロ公式Xまでお気軽にどうぞ!
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