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未経験からM&A業界への転職は可能?難易度や成功のコツを紹介

ヒュープロ編集部 川辺
未経験からM&A業界への転職は可能?難易度や成功のコツを紹介

M&A業界は高年収が実現可能なことや、キャリアとして活かせる幅が広いことなどから人気に転職先です。しかし、業務が高度とか倍率が高いというイメージが根付き、未経験からの転職は難しいと思われがちです。今回は未経験からのM&A業界への転職についてその難易度や成功のコツを紹介していきます。

M&A業界とは

まずはM&A業界とはどんな業界なのか、見ていきましょう。
M&Aは「Mergers(合併) & Acquisitions(買収)」の略で企業の合併や買収のことを意味します。M&A業界は合併をする側とされる側の双方もしくはいずれか一方に対して、M&Aの一連の流れをサポートするサービスを事業とする業界です。コロナ禍からの景気回復の勢いもあり、日本企業のM&Aの件数は2022年に過去最高の4,304件を記録しており、より一層ニーズが高まっている業界といえます。

M&Aコンサルタントとは

M&A業界で働く人はM&Aコンサルタントと呼ばれ、専門的な知識をもとにM&Aのサポートを行っています。M&AコンサルタントはM&Aアドバイザリー会社で働くのか、M&A仲介会社で働くのかによって役割が異なります。

M&Aアドバイザリー会社

M&Aアドバイザリー会社はM&Aで買収するもしくは買収される(譲渡する)ことを検討しているクライアントから依頼を受け、その企業が円滑なM&Aができるようにサポートします。同時に、依頼を受けた企業の利益を最大化することも目的としています。売り手と買い手のどちらかの企業と契約して、その企業のサポートを行います。

M&A仲介会社

M&A仲介会社の業務自体はM&Aアドバイザリー会社と同じですが、売り手と買い手の双方と契約しているという違いがあります。第三者の立場からお互いの企業の利益を最大化させるのを目的としています。

M&A業界の転職市場

先述した通り、M&A業界はニーズが高まっているため、業界内の企業数や売上規模の拡大といった成長が続いています。そんな成長に対応すべく、M&A業界は各社積極的に採用活動を行っています。ですので、M&A業界の転職市場は非常に活発であるといえます。

もちろん、どの企業も業界での経験がある即戦力を採用できるに越したことはないのですが、経験者採用をする企業ばかりだと、ある企業の採用が充足しても、経験者が退職した企業はその分の採用をする必要があります。

そうなると、経験者採用だけでは業界の人手不足は解消しませんので、新卒や中途の未経験者を募集する企業が多くなっています。責任が大きく難易度の高いM&A業界ですが、教育体制をしっかり整えて未経験でも安心して働けるような環境を整備して、募集を行っているのです。

未経験からM&A業界で働くメリット

未経験者の中でもM&A業界は人気の転職先となっています。
その理由は以下のような特徴が転職希望者にとって魅力的に感じられているからでしょう。

高年収

M&A業界は一般的には年収が高水準です。その理由は、無形商材のため費用が少なくて済むのと併せて、1件単位の売上金額が高いことにあります。最低でも500万円程度の年収は確保できる可能性が高いので、年収をアップさせたい転職希望者にとってはかなり魅力的に映るとは思いますが、その分それなりのポテンシャルやスキルが必要になってきます。
また、インセンティブが組み込まれている企業がほとんどなので、うまく売り上げを上げていければ、基本給の何倍も稼ぐことも可能になります。

成果主義

M&A業界は成果主義、つまり成果を上げれば上げるほど給料が上がるシステムを取り入れている企業が多いです。そのため、結果を出すだけ評価される環境でバリバリ働きたいという方からも人気を集めています。

業務レベルの高さ

M&Aのサポートをするとひとえに言っても多岐にわたる業務があり、M&Aの相手を見つけるところから完了させるまでの過程で多くの知識を身に着けることができます。企業の管理部と深く関わって業務を行うため、M&Aの知識だけでなく、財務や法務といった管理部門の知識も必要です。結果的に、将来的にも汎用性の高いスキルや経験を得ることができるのは、大きなメリットになります。

未経験者がM&A業界で求められる経験や資格とは?

M&A業界において未経験への求人が増えている状況であることは先ほど述べましたが、人気があるだけに倍率は高い傾向にあります。新卒の場合はポテンシャル採用となりますので、これまでの経験や経歴をうまくアピールする必要がありますが、中途採用の場合は、さらに前職での経験や資格などが重要になってきます。ここでは評価される経験や資格についてご紹介します。未経験からM&A業界への転職を決断する際の目安にしてみてください。

ファイナンス領域での経験

M&Aに直接かかわっていなくてもファイナンス関連の仕事をしていた経験は一定数求められています。具体的には銀行や証券会社などの金融機関、会計事務所、企業の財務職などが当てはまります。

営業職での経験

ファイナンス領域での経験がなくても、メーカーや商社、MR、IT、保険、コンサルティングなどといった業種での営業職出身だと有利に働きます。

公認会計士資格・税理士資格

ファイナンス領域の職種の経験が求められてるのと同様、それに関わる資格である公認会計士や税理士を所持していると経験がなくても相応の知識を有しているとみなされ、選考で優遇されることが多いです。ただし、上記の経験の方が評価はされやすい傾向にあります。

M&A業界に向いている人

M&A業界についてその職種や魅力について紹介してきましたが、果たしてどんな人に向いているのでしょうか?いくつか紹介していきます。

圧倒的な成長をしたい人

M&A業界で働くと専門的で幅広い知識をつけることができます。その知識は業界内はもちろん、他の業界でも市場価値の高いものとなります。また、企業の経営や管理に関わる知識が身につくので、将来的に起業したい人にも向いています

バリバリ働いて高年収を実現したい人

先述した通り、固定給に加えてインセンティブを導入している企業が多いので、所属年数や年齢にかかわらず、成果を上げた人が稼げるという環境になる可能性が高いです。そういった環境で多少のハードワークをしてでも、自分の可能性を試したい人や、年収アップを叶えたい人も適性があるでしょう。

大きな規模の仕事がしたい人

M&A業界では、短期的な成約はほどんどなく、初回訪問から成約まで平均して約8か月程度かかる長期的なビジネスになります。
また、1案件当たりに動く金額は数億円~数十億円とかなり大きな金額になるため、若手のうちから一人の裁量権が大きく、億単位の案件に携わることができます。それだけに達成感も非常に大きい仕事です。

未経験からのM&A業界への転職で失敗しないコツ

倍率の高いM&A業界において未経験からどうすれば内定を勝ち取れるのでしょうか?有利に就職・転職活動を進めるのために、4つのポイントをご紹介します。

職種や業界への志望動機を明確にする

まずはなぜM&A業界で働きたいと考えているのか、自分自身でも理解しておく必要があります。人それぞれのきっかけや志があって応募するので、志望動機に正解はありません。しかし履歴書への記載はもちろん面接時にも聞かれることが多いポイントなので、なんとなくで作成するのではなく、「なぜそう思ったか?」を自問し続けることで明確な志望動機を見つけましょう。また、それを面接時にもアウトプットできるよう準備しておきましょう。

応募先への志望動機を明確にする

次になぜその企業先に応募したのかという理由も落とし込みましょう。同じポジションの募集は沢山ある中でなぜその企業を選んだのかは、書類選考でも面接でもほぼ必ず選考基準に入っています。志望動機の完成度が低かったり他の企業でも通用するような内容だと、志望度が低いもしくはもし入社してもすぐ辞めてしまうかもしれないという懸念に繋がってしまいますので注意が必要です。企業情報や求人を仔細に確認し、相手に熱意が伝わるような内容を作りましょう。

評価される経験やスキルなどがある場合はアピールする

先述した評価されうる経験やスキル、資格がある場合はアピールするようにしましょう。経験をアピールする場合はその年数だけでなく具体的にどのような業務をどのくらい経験したのか、またそれが応募先にどのように活かせるのかを面接官に伝えることが大切です。また、面接時だけでなく、職務経歴書にも必ず記載するようにしましょう。

人材エージェントを活用する

就職・転職活動にあたって、自分で応募する求人を探したり面接の日程調整をするのは骨が折れるものです。そこで活用すべきなのが人材エージェントです。希望の条件やご自身の経歴などを伝えることで効率的に求人を提供され、日程調整もエージェントが実施してくれます。内定を複数社もらった際に断りをいれてくれるなど、心理的負担のある対応もする必要がありません。そういったサービスを無料で受けられるエージェントが多いのも特徴です。

M&A業界への転職後のキャリアパスとは?

未経験からM&A業界への転職を検討している人にとっては遠い話かもしれませんが、見事に転職を成功させた後のキャリアはどう描いていけるのでしょうか?もちろん転職先で働き続けることもできますが、他の選択肢もいくつか紹介します。

同業他社への転職

業界での経験を積むことで市場価値は高くなっていきますので、幅広いM&A業界の企業から応募先を選ぶことができます。もっとベースの年収を上げたい、年収を維持しながら働き方を改善したいといった希望を叶えることができるようになるでしょう。

FAS

FASはファイナンシャル・アドバイザリー・サービスの略称で、同じくM&Aのサポートをすることにはなりますが、より専門的な業務をすることになりますM&Aコンサルタントとしてのキャリアを極めたい方にオススメです。

一般企業のM&A担当

一般企業がコンサルタントに依頼をせず、自社にM&A部門を設置してM&Aを行うことがあります。これは主に買収する側(買い手)が設置することが多いです。外部のコンサルという立場ではなく、当事者としてM&Aをやってみたい方は、経験や知識を活かして挑戦してみるのもよいでしょう。

まとめ

今回はM&A業界における未経験者の転職事情を解説しました。
向いている人や求められる人材から、自分のキャリアプランにマッチしているかを考えて、挑戦してみたいと思ったら、積極的に応募してみましょう。
様々なメリットがあり人気があるだけに、特に未経験者の選考の倍率は高くなっています。
しっかり準備や対策をして、転職活動を進めていきましょう。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!ご相談はヒュープロ公式Xまでどうぞ!
カテゴリ:転職

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