難関国家資格の社労士資格を取得できたら、どんなキャリアを描けるのでしょうか?業務未経験からでも理想の転職を成し遂げたい方にとって社労士はどんな職場に就職するのか、実際に選考を受ける時にはどんな準備をするのが良いのかなどは気になるところでしょう。今回はそんな資格取得後のリアルな転職事情を解説します。
結論から申し上げますと、未経験から社会保険労務士事務所への転職を目指すことは十分に可能です。特に合格率10パーセント未満の難関国家資格である社労士資格を取得してから転職活動に臨む人は、より幅広い選択肢の中から転職先を選ぶことができます。
ただし転職活動は必ずしも希望通りの就業先が見つかるとは限りません。
社労士試験日やその合格発表日、業界の繁忙期など様々な要因で求人や求職者の増減があり、状況によって倍率が変動するためです。
そのような状況下で、未経験の社労士がどのような場所へ転職・就職する場合が多いのか見ていきましょう。
よくAIに奪われる仕事が増えていくという話が聞かれますが、社労士の仕事もその対象として捉えれられることが多いです。
しかし、一般的に3号業務と呼ばれている労務管理や社会保険に関するコンサルティングについては、人の力が必要とされており、今後も需要が高いと言われています。
社労士業務の中でも3号業務は社労士有資格者の独占業務ではないため、資格を持ってなくても行えます。なので資格の有無にかかわらず、コンサルティング業務が行えるかどうかが、社労士業界で生き残るカギとも言えます。
詳しくは下記の記事でも紹介しています。
社労士資格保有者、もしくは社労士を目指している方におすすめの就職先を紹介いたします。
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社労士の転職先といえば、まずはやはり社労士事務所・社労士法人です。
社労士事務所の仕事内容は、クライアント企業の人事・労務にかかわるコンサルティングです。具体的には、入社退社時の手続きや給与計算、労働保険の事務、労務管理などです。
社労士が社労士事務所に転職することのメリットは、まず資格取得の際に得た知識をそのまま業務内で活かすことができるという点です。
また、他の就職先に比べて実務の経験がなくても就業可能な求人が多いため、未経験からの就業先としての人気も高くなっています。
さらに将来的に、社労士事務所を独立開業したいと考えている方にとっても、実務経験を積むとともに、社労士事務所の経営や運営について学ぶことができるので、非常に人気の転職先と言えるでしょう。
社労士が得意分野とする人事・労務の分野はどの会社に行っても必要とされます。社労士資格を活かして、事業会社のバックオフィス部門に転職することもお勧めします。
しかしながら、事業会社の場合、中途採用では即戦力を必要としていることが多く、実務経験者がかなり有利になる傾向があります。
転職活動の際はしっかりと求人のスキルや経験の要項を確認しましょう。
三つ目は、税理士事務所や弁護士事務所などといったその他の「士業事務所」に転職するという選択肢です。
特に会計事務所では、社内に社労士を抱えることでクライアントの税務に関するアドバイスだけでなく、労務に関するアドバイスもワンストップで行うというサービスが増えてきています。社内で、社労士を独立開業させることも少なくありません。
しかしこの場合、未経験者というよりは実務経験豊富で、専門的な知識にも精通している必要があります。
四つ目は独立開業という選択肢です。
もちろん、しっかりと実務経験を積んでいなければハードルが高くはありますが、思い切ってチャレンジしてみるのもよいでしょう。
独立開業した場合、自分でクライアントを増やしていく必要があるので、一定程度の「営業力」も必要となってきます。
未経験から独立開業を目指す場合、「事務指定講習」というものを受講しましょう。実務に必要な知識や社労士登録に必要な要件を満たすことができるためです。
続いて、年齢ごとに社労士の転職について見ていきましょう。
20代で社労士の有資格者の場合、転職はかなり有利であるといえます。
そもそも、20代の社労士合格者の割合は全体の1割程度と言われています。
早いうちに資格を取得しているという点に加え、若さゆえの吸収の速さや柔軟さ、長期的な就業が見込めるという観点で非常に評価されるでしょう。
それだけでなく、実務の経験がなくても労務相談や労務コンサルティングといった、3号業務ができるポジションへの転職が可能です。
また社労士資格を未所持の場合でも、これまでの別業界での業務内容や学歴、およびそのアピール方法によっては経験やスキルよりも今後の伸びしろや活躍に期待しての採用(ポテンシャル採用)で転職を成功させることができるでしょう。
30代になると資格だけでなく、実務経験の有無も重視され始めます。
逆にもし社労士の資格を持っていない場合でも、実務経験次第では転職成功の可能性は十分にあります。
その際に重視される実務は給与計算や社会保険手続きの業務、さらにはそれを担当した件数や担当した企業の規模感です。
担当件数が多かったり大規模の企業を担当していると転職に有利に働いていきます。
社労士有資格者でも、実務経験がない場合は少し不利にはなってきますが、自己PR・志望動機をしっかりと自身の言葉に落とし込んで話すことができれば、転職に成功することができます。
全く違う業界で働いていたとしても、ご自身の前職の経験やこれまでの実績を活かせることを証明すべく、しっかりとアピールしましょう。
40代となると、実務経験未経験で転職を成功させるのはかなりハードルが高くなるといえます。
どの業界においても40代以上の転職ではこれまでのスキルや実務経験・マネジメント能力などが重視されるのは事実です。
社労士資格を取得しておくのは大前提として、違う業界でどのような経験を積んできたのか、どんなスキルを身に着けたのかしっかりと整理して転職に臨みましょう。
また、実務経験以外の部分で「営業力」や「英語力」など他と差別化を図れるようなPRポイントがあれば、それを武器にできるでしょう。
社労士資格を有しているとはいえ職種未経験だと著しい高年収は期待できません。社労士業界では未経験だと年収300万円前後からスタートというのが一般的です。求人によっては400万円などの年収が掲載されていますが、初年度の年収だけで応募の可否を判断するのではなく、キャリアアップする時の昇給制度や年収以外の条件なども加味して判断するとよいでしょう。
ただし開業社労士については顧客がほぼいない状態から始まるので、初年度の年収が100万円ということもあります。
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士業業界における転職では、実務未経験というのは経験者に比べると不利になってしまいがちです。
しかしながら、未経験者であってもきちんと対策を練って面接に臨めば、転職を成功させることができます。有資格であることのアピールだけでなく、別の業界で身に着けたスキルをアピールできるかが、カギになってきます。そんな未経験者の方が、転職を成功させるコツを紹介します。
特に30代以降の転職の場合、社労士資格を取得するところから目指しましょう。
未経験での転職では、有資格であることが社労士領域に関する知識があることを証明する術になりますので、しっかりと勉強をして資格取得を目指しましょう。
社労士資格は先述の通り難関国家資格に該当しますので、独学で合格を目指す人は少なく、その難易度もかなり高いです。社労士資格を取得する近道として通信講座を受講するという手段があります。ご興味がございましたら、こちらのリンクからご確認ください。
また、社労士試験の概要や勉強方法についてはこちらの記事をご覧ください。
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志望動機や自己PRは資格や実務経験と同じくらい、転職において大事なポイントです。
未経験での転職の場合は特に、どうして社労士を目指したのかということをしっかりまとめておくようにしましょう。
また前職で全く別の業界にいた場合、そこで培ったスキルや、社労士というフィールドで活かせる経験もアピールしましょう。
また、特に事業会社の人事・労務への転職を考える場合は、業界も幅広く、選択肢もたくさんあるでしょう。その中でもなぜその会社を選んだのかというのを言語化しておく必要があります。
とはいえ、書類や面接において全てのポイントを満たしているか、また自分の経歴がアピールできているか正解が分からない人が多いと思います。
そんな時は転職エージェントの利用がオススメです!「ヒュープロ」は士業・管理部門に特化しているため、社労士業界への転職に関するノウハウを最大限に活かしたサポートが可能です。
◆30代 未経験 社労士資格持ち 前職:事業会社の営業職
私は社労士としての実務経験はありませんでしたが、前職の営業経験をPRして、希望していた社労士事務所に転職を成功させることができました。社労士事務所ではクライアントの労務コンサルティングを行うことが主な業務ですので、営業職で培った「クライアントに寄り添う姿勢」というものが、評価されたのだと思います。
また、資格取得で得た知識は社労士事務所での業務に非常に役立っていると思います。
◆20代 未経験 無資格 前職:航空会社
私は未経験からの転職な上に社労士資格がないため、かなり自信がない中での転職活動でした。ただ、前職で大事にしていたホスピタリティ精神を重視している社労士事務所のご紹介を頂き、その事務所から内定を頂くことができました。
未経験ながらも経験を活かせる求人に応募することができたのが、成功のポイントだと思います。
士業・管理部門の転職エージェント「ヒュープロ」では、社労士や事業会社の人事・労務での転職をお考えの皆様のキャリアをサポートさせていただいております。
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