志望動機は、転職活動において合否に関わる重要なポイントです。特に書類選考ではその文章だけで、なぜ志望するのかおよびアピールポイントも採用側に伝えなくてはなりません。今回は、財務・会計コンサルタントへの転職に成功するための志望動機で、アピールすべきポイントや、具体的な書き方、例文も含めてご紹介します。
財務・会計コンサルタントの求人に応募する際、志望動機は非常に重要な役割を果たします。そんな志望動機を作るにあたって、まずはどんな仕事内容なのかを把握しておく必要があります。
財務・会計コンサルタントは、企業の会計・財務に関する課題解決をサポートする専門家です。
会計コンサルタント主な仕事内容は以下の通りです。
▪会計業務の効率化・改善
会計システムの導入や見直し、業務フローの改善などを提案し、企業の会計業務を効率化します。
▪財務戦略の策定・実行支援
企業の財務状況を分析し、経営戦略に沿った財務戦略を策定します。
▪会計・税務に関する専門知識の提供
会計基準や税法に関する最新情報を提供し、企業の会計・税務に関する問題を解決します。
▪リスクマネジメント
企業の財務リスクを評価し、適切なリスク管理体制の構築を支援します。
財務・会計コンサルタントの仕事については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、併せてご覧ください。
「財務・会計コンサルタント」は漠然と難しい仕事をやっているようなイメージをお持ちの方も多く、未経験だと採用されないと思っている方もいるかもしれません。
当然、経験者は即戦力として期待されますが、実は未経験者にもチャンスはあります。
なぜなら、会計コンサルタントの仕事は分析力、問題解決力、コミュニケーション力などのポテンシャルや意欲も重視されるからです。
ただし、教育コストを割く必要がないことなどから経験者の方が転職しやすいのは事実です。そのため、未経験者は上記のようなポテンシャルをアピールし、仕事への適性があることをアピールする必要があるのです。
次の章では、具体的にどのようなポイントがアピール要素になり得るのかについて、解説していきます。
未経験者の場合、財務・会計コンサルタントの仕事の特性上、以下のようなポイントをアピールすると適性があると評価されやすいです。
財務・会計コンサルタントとしての経験が無くても、他分野でのコンサルティングの経験があれば、クライアントの課題を見つけるという面ではスキルが活かせるので評価されやすくなります。逆に財務・会計分野、例えば会計事務所や企業の経理の経験があると、コンサルティングの経験が無くても同じ分野の理解ができているという評価になるため、同様に評価を受けやすいです。
また、財務・会計業界は細かいルールが法律で定められていることも多く、それらの勉強を継続的に進めていくことも必要です。そのため、学習意欲はもちろん、そもそもそのような業界をなぜ目指したいのかという、業界へ興味を持った動機についても意志が強いということのアピールになるのです。
さらにコンサルティング業務では、クライアントとのコミュニケーション能力や課題解決能力が全く無いと仕事になりません。そのため、過去の職歴や経歴から、そのような能力を活かした経験があれば、アピールポイントに盛り込むのがよいでしょう。
志望動機をつくるにあたっては、これらのポイントを具体的に書いていくことで、未経験者でも書類選考を通過しやすい志望動機を作成することができます。
志望動機を作成する際は、以下の手順で進めるとスムーズです。
ステップ1:自己分析
▪自分の強みや弱み、興味関心のある分野を洗い出す
▪過去の経験や実績から、アピールできるスキルや能力を整理する
ステップ2:企業研究
▪応募する企業の事業内容や企業理念、社風などを調べる
▪企業が求める人物像やスキルを把握する
ステップ3:志望動機作成
▪自己分析と企業研究の結果を踏まえ、志望動機を作成する
志望動機の書き方として意識しておきたいのは結論を最初に書くことと、具体例を添えることです。その上で役に立つ文章構成の型が下のPREP法になります。
このPREP法は、伝えたいことが整頓されていて分かりやすく、志望動機の説得力が増すとともに、コンサル業界で重要な論理的思考力があることをアピールできる構成になっています。
なお、未経験者の場合は、応募先企業への志望動機だけでなく、そもそもなぜ財務・会計コンサルタントを志望したのかについても記載するようにしましょう。
他の仕事も並行して検討していると捉えられるよりも、この業界に絞って転職活動をしている人の方が、面接してみたいと思ってもらいやすくなるためです。
ステップ4:添削・修正
▪作成した志望動機を第三者に添削してもらい、改善点を見つける
▪誤字脱字や表現の矛盾などを修正する
ちなみに…
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ここでは、様々なケースに対応した志望動機の例文をご紹介します。
私は、大学で○○学を専攻しており、会計・財務に関する知識は十分ではありません。しかし、貴社の「顧客の成長を第一に考える」という理念に共感し、会計コンサルタントとして企業の成長をサポートしたいという強い思いがあります。
大学時代には、○○サークルで代表を務め、メンバーの意見をまとめ、目標達成に向けてチームを牽引しました。この経験を通じて、論理的思考力やコミュニケーション能力を培いました。
入社後は、積極的に会計・財務に関する知識を習得し、一日も早く貴社に貢献できるよう努力いたします。
私は、大学院で○○学を専攻しており、データ分析や統計処理に関する知識があります。この知識を活かし、企業の財務状況を分析し、課題解決に貢献したいと考えています。
大学院では、○○研究に取り組み、論文を発表しました。この経験を通じて、論理的思考力や分析力を高めました。
会計コンサルタントとして、データに基づいた客観的な視点で、企業の意思決定をサポートしたいと考えています。
私は、前職で○○年間の会計業務経験があります。前職では、○○会社の経理部門に所属し、決算業務や税務申告などを担当しました。
前職で培った会計知識や実務経験を活かし、より高度な会計コンサルティングを提供したいと考えています。
貴社は、多様な業界のクライアントに対し、幅広いサービスを提供している点に魅力を感じています。
会計コンサルタントとして、企業の成長戦略策定から実行までをサポートし、クライアントと共に成功を分かち合いたいと考えています。
上記のポイントや例文をご覧いただいた上で、実際に志望動機の作成を始める際、以下のポイントには注意して作っていただければと思います。
これまでの職歴によっては、外部とのビジネスコミュニケーションの経験が無かったり、定型的なやりとりしかしたことが無いという方もいらっしゃるでしょう。
そのような方は、特にこのポイントは重視しておくべきです。志望動機はそこまで長い文章ではないとはいえ、相手が読みやすく、伝わりやすい内容にする必要があります。
最も多いのが、「貴社」と「御社」の書き間違いです。貴社は書き言葉、御社は話し言葉に該当しますので、志望動機に記載する場合は「貴社」を使います。
他にも尊敬語と謙譲語の使い間違いや、熱意を伝えたいあまり一文が長くなりすぎてしまう、主述がズレてしまっているなど、色々なミスが発生するリスクがあります。
しっかりと作成後に確認するのはもちろんですが、ご自身では正誤が判断できないは第三者からの添削を必ずしてもらうようにしましょう。
どの応募先にも同じ内容の志望動機で書類を提出される方がいらっしゃいますが、そのやり方はあまりおすすめできません。
もちろんご自身にとってはその方が楽だとは思いますが、「企業研究がなされていない=入社意向が低い」という評価を受けやすくなってしまうからです。
業務内容だけでなく、他事業は何をやっているのかやその企業のビジョンまで把握した上で、どう貢献したいかを訴える志望動機の方が選考を通過しやすいのは言うまでも無いでしょう。
書類選考を通過すると、面接での選考に進みます。どのような面接を行うかは企業ごとにまちまちですが、主に以下のような点を質問されます。
職務経歴書に書いてあるとはいえ、面接でも「なぜ会計コンサルを志望するのか」「なぜ当社を志望するのか」という、業界と企業への志望動機は必ず問われるでしょう。
ただし面接では、これらの質問への回答に対し、さらに深堀りをされるケースがあります。「そのように考えたきっかけは?」などの質問に対しても自分の考えで回答できるように、模擬面接などで事前に準備しておきましょう。
また、各企業で独特な質問がされることもあります。
たとえば、Big4のPwCでは「財務分析の経験がなくても、ロジカルな思考力があるかを見極めるケース面接を実施」していました。他にも、過去には「ある企業の売上が前年比10%減少した原因を分析し、解決策を提案してください」という問題が出されたこともあります。
このような質問への対策が完璧にできている求職者は少ないため、自分の考えで回答すれば問題ありませんが、もし事前に把握していれば合わせて対策しておきましょう。
ポイント
▪企業のウェブサイトや採用ページをよく調べ、企業が求める人物像を把握する
▪自分の強みや経験を整理し、具体的に話せるように準備する
▪模擬面接などで練習し、自信を持って面接に臨む
▪退職理由をポジティブにする
転職して会計コンサルタントを目指している人の場合、高確率で退職理由を聞かれます。多くの人は、退職理由にネガティブなバックグラウンドがありますがそれをポジティブな言い方で伝えられると採用担当者からの印象が良くなります。
「給与が低かった」→「自分のスキルや経験に見合った評価を得たい」
「人間関係が悪かった」→「よりチームワークを重視する環境で働きたい」
士業・管理部門特化の転職エージェントであるヒュープロでは書類添削に加え、面接対策も無料で実施しています。業界に特化しているため、一般的な面接対策だけでなく、業界でよく聞かれる質問への答え方などもご共有させていただいています。就職・転職活動を効率的に進めたいという方は、ぜひご相談ください。
会計コンサルタントの志望動機は、あなたの情熱と可能性を企業に伝えるための大切なものです。
この記事を参考に、あなただけの魅力的な志望動機を創り上げ、夢の実現へ力強く歩み出しましょう。