税理士は税の専門家だから、どんな税金にも精通していると思っている方も多いと思います。しかし、税理士も人間なので、すべての税金に詳しいというわけではありません。特に資産税(相続税・贈与税・譲渡所得に対する課税)は、民法に関する知識などがないと正確な税額を計算することができないので、資産税に関する業務ができる税理士は限られてきます。つまり、資産税は専門外という税理士も存在するのです。したがって、資産税について税理士に頼むのであれば、資産税に強い税理士を選ばなければなりません。そこでこの記事では、資産税について詳しく説明し、資産税に強い税理士の需要を解説します!
資産税とは「相続税」「贈与税」「固定資産税」「登録免許税」「譲渡所得に対する課税」などの資産である税金の総称のことで、明確な定義というものはありません。
資産税は、国税として課税されるものと、地方税として課税されるものの2種類に分類することができます。国税の方を管轄している税務署内の部署は資産課税部門と呼ばれています。また、地方税の方を管轄している市区町村役場内の部署は資産税課と呼ばれています。
相続税は、原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した場合に、その取得した財産にかかる税金のことです。この場合の財産とは現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。
相続税の基礎控除額は、「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で決まり、それ以上から最低10%の税利率がかかります。また、最大55%の税率がかかるので、税金対策することによって大幅に変わってきます。
贈与税は、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金です。法人から贈与により財産を取得したときは、贈与税ではなく所得税となります。
贈与税は、基本的にその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から暦年課税に係る基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下なら贈与税を申告する必要がありません。
固定資産税とは、田んぼ、畑などの「土地」、住宅、お店などの「家屋」、車両や会社の備品などの「償却資産」などの固定資産にかかる税金のことです。固定資産の所有者が、その資産価値に応じて算定された税額を、固定資産の所在する市町村に納めます。
固定資産税の税率は、一律1.4%となります。 ただし、市町村の判断により、財政上、とくに必要があるときはこれを上回った税率を課すことができます。 また、税率を掛ける対象は、実際の固定資産の売買価格ではなく、「課税標準額」という固定資産を独自に評価した金額になります。
譲渡所得税とは、一般的に、土地、建物、株式、などの資産を譲渡することによって生ずる所得にかかる税金のことです。譲渡所得税の計算方法は複雑で、自身で行うにはかなり難しく税理士に任せることがほとんどです。
都市計画税とは、都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的にした市町村税(東京23区の場合は都税)で、市街化区域内に土地や家屋を持っている人に毎年課される地方税です。
都市計画税が市街化区域内の土地や家屋を所有している人のみに課される税であるのに対し、固定資産税は固定資産(土地、家屋、償却資産)を所有している全員に課される税という違いがあります。
一般的な税理士事務所は、特定の個人や法人をクライアントとしていて、所得税、法人税、消費税の申告を主な業務としています。所得税、法人税、消費税について、法人が年間決算後に税務申告を行うため、同じクライアントの税務処理を行うことがほとんどです。
それに対し、資産税に特化した税理士事務所は、相続税や贈与税を取り扱っています。このような資産税では、クライアントが固定ではなく定期的に依頼が来るため、多数取り扱うことになります。資産税はこういった特性があるため、一般的な税理士事務所が対処技術を身に着ける機会がないため、特化した税理士事務所が活躍します。
資産税特化の税理士は需要が高いです。資産税を取り扱う税理士事務所の特徴として、クライアントが頻繁に変わり、多いということが挙げられます。一般の税理士事務所と違い、一度に多くのクライアントから仕事の依頼が来ることが多くあります。そんな中で普段取り扱わない資産税の知識を活用できる人材は需要が高いです。
また、それに伴って、一般税理士事務所よりも給料が高いといわれています。資産税に特化していることで専門性が高く、必要とされることが多いからです。また、クライアントにも特徴があり、相続税などは特に1億円を超えるような巨額のお金を取り扱うことも珍しくありません。巨額のお金を取り扱うことは、それ相応の責任が発生するため、見返りとしても給料にも大きく反映されます。クライアント側も、金額が大きければ大きいほど節税対策として利用するメリットがあります。
デメリットとしては、特化してしまうことにより、一般的な税理士が行う業務をする機会が減ることです。そのため税理士事務所を選ぶとき、初めから資産税特化の税理士事務所に入るのはリスクがあります。資産税特化の税理士事務所を選ぶにしても、一旦一般的な税理士事務所に入ることで、その後のキャリアとしても戻りやすくなるでしょう。
資産税特化の税理士事務所への転職は、実力アップに繋がります。また、税理士事務所には、その事務所によって扱っている税が異なったり、特色があります。「ヒュープロ」は士業・管理部門に特化した転職エージェントです。士業に特化しているため、求人が業界最大級にあります。自分にあった条件の職場が見つかるので、ぜひ下のリンクから探してみてください。