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日商簿記3級は就職に有利な資格?どんな仕事に活かせる?

ヒュープロ編集部 川辺
日商簿記3級は就職に有利な資格?どんな仕事に活かせる?

「日商簿記3級に受かった!でも履歴書に書いてもいいの?」
簿記3級は意味ないという声もあれば、就職に有利という人もいるので、迷う方も多いのではないでしょうか?今回は就活時に悩む簿記3級の記入方法やメリット、これから受験する方にオススメの勉強方法、さらに活かせる就職先まで解説します。

簿記3級は就活で有利になるのか?

簿記はあまたある資格の中でも知名度の高い資格であり、簿記3級については受験者も多い状況です。
「取っても意味ない」と言われることもありますが、果たして就職活動において簿記3級は有利に働くのか、気になる就活生は多いでしょう。

内定の決め手になるほどでは…

結論から言うと、全ての職種における就活で有利になるというわけではありません。もちろん経理職など日商簿記3級が求められている職種であれば、評価されないということはありませんが、簿記3級を持っているからといって「合格の決め手」になるわけではないということは念頭に置きましょう。
簿記3級は「スタートライン」に立つための資格なのです。履歴書に記入することで「この人は経理の基本はわかっているのだな」と判断される点で若干有利になる、というのが現実的なところでしょう。

なぜそこまで有利にはならないのか?

就職活動において簿記3級が大きな効果を発揮しない主な要因として合格者が多く、他の就活生との差別化がしにくいことが挙げられます。日商簿記3級の2022年の合格者は49,068名でした。
このうちどれほどが就活生かはわかりませんが、特に簿記の知識を使う仕事に就きたい人の一定数、簿記3級を持っている可能性が高いです。
では、なぜこれほどまでに合格者数が多いのでしょうか?下記のような理由が主に挙げられます。

①知名度が高く、受験者数が多い
②難易度が比較的低く、合格率が高い
③高校や大学の授業で取得が必須であることがあり、合格者数を底上げしている

そのため、特に会計系の職種で働きたい場合は、むしろ簿記3級はほぼ確実に取っておかなければならない資格と認識していた方が良いかもしれません。

出典:日本商工会議所・各地商工会議所

就職活動において簿記3級を取得するメリットはある?

内定の決め手にならないと知った皆さんは意外だったかもしれません。また、「せっかく忙しい中取ったのに…」と落胆した方もいるでしょう。しかし有利になりづらいからといって取得するメリットがないわけではありません。面接時にアピールできるポイントを押さえておきましょう。

数字への苦手意識がないことをアピールできる

簿記3級は難しい計算式を使うことはないものの、企業のお金の出し入れやその状態を記録するため、数字を扱うことがマストになります。そんな簿記3級をクリアしていることは経理職など簿記の知識を扱う職種ではもちろん、営業職や総合職などといった他の職種でも数字周りに強いことのアピールに繋がります。全ての企業がそのような人材を求めているわけではないですが、採用ニーズとマッチすることもあるでしょう。

日商簿記2級を目指す勉強意欲があることをアピールできる

簿記の中でも最もその有無が問われるのが日商簿記2級です。就職活動だけでなく、経理経験者などの転職活動でも重要視される資格なので、簿記3級合格者が次に目指すことが多いです。そんな日商簿記2級を目指す土台の知識があること、また就職前からそのような知識をつけるための勉強をしてきた向上心をアピールできるのもメリットになるのです。

日商簿記3級の勉強方法

もちろん、まだ簿記の試験を受けてない方もいるでしょう。
日商簿記3級は会計系の資格の中で特別難易度が高いわけではありませんが、合格をより確実に勝ち取るために、オススメの勉強方法を見ておきましょう。

勉強のスケジュールを作る

まずはどのくらいの期間を勉強に費やすか、決めましょう。
一般的には、全く簿記の知識がない状態からだと70~100時間程度の勉強が必要と言われています。1ヶ月などの短期で勉強するのもよいですし、1日1時間の勉強を続け、3ヶ月後くらいに受験するのもよいでしょう。

なお、日商簿記3級の試験会場での統一試験が年3回行われているほか、ネット試験が比較的高い頻度で実施されているので、統一試験へのこだわりがない限りは、受験日から逆算してスケジューリングする必要はありません

また就活に活かそうとしている人の中には、大学や高校などで簿記関連の授業を受けている人もいるはずです。そういった環境がある場合は無理して独学で勉強せずに、授業を履修後に受験するのもオススメです。

勉強はインプット、アウトプットを繰り返す

勉強のスケジュールが立てられたところで、いざ勉強を始めていくわけですが、ここで陥りがちなのが丸暗記型でテキストや参考書を覚えてしまおうするやり方です。確かに勘定科目の名称など、最低限覚えなくてはならない用語はありますが、基本的に仕訳とそれに基づいた計算ができないと解けない問題が多く出題されます。

練習問題が細かく出題されたり別冊で演習問題があるテキストが多いので、少し習得したら問題を解くことでアウトプットする、を繰り返して、理解した上でのインプットをしていくようにしましょう。

またテキストでの勉強以外にも、通信講座での勉強も可能です。簿記3級の講座だとおおよそ2万円程度で受けられます。

過去問や模擬試験は必ず何度もやってみよう

過去問や模擬試験は自分の勉強が必要十分かを確かめるとともに、問題を解く時間配分優先度を判断する練習ができます。ぶっつけ本番でやるのではなく、しっかりと準備しておきましょう。

簿記3級は履歴書に書いてもいいのか?

簿記3級でも履歴書には書くべき!

先述したアピールポイントがある以上、履歴書には書いておくべきです。全ての就活生が資格勉強に真面目に取り組んでいるわけではないので、それだけで他と差別化できる可能性があります。ただし、書き方を注意しないと資格の持つメリット以上のマイナスポイントになってしまうことがあるので、注意点を見ていきましょう。

簿記3級を履歴書に書く時の注意点

簿記検定の履歴書への書き方は注意すべき点がいくつかあります。

履歴書に「簿記3級」と書くのはNG?

日本における簿記検定には3種類あり、以下の通りとなっています。

日本商工会議所簿記検定試験(日商簿記)→日本商工会議所が主催
全国商業高等学校協会主催簿記実務検定試験(全商簿記)→全国商業高等学校協会が主催
全国経理教育協会主催簿記能力検定試験(全経簿記)→全国経理教育協会が主催

ですので「簿記3級」とだけ記載してしまうと、簿記の中でもどの資格に該当するのか企業の採用担当者はわかりません。上記の正式名称で書くか、例えば日商簿記なら「日商簿記検定試験〇級」などと書きましょう。この時、「日商簿記」「簿記検定」は略称なので書かないように注意しましょう。略称での記載は「社会人としての常識がない」「非常識である」と思われてしまいます。
簿記検定については、日商簿記検定が一番知名度が高いので、一般的に「簿記」と言えば日商簿記検定を指すことが多いです。
全商簿記や全経簿記もちゃんとした資格ですがいずれも高校生・学生が対象のため、ビジネスにおいて一般的な評価を得られるのは、社会人を対象としている日商簿記となっています。他の簿記検定の難易度などについては別記事で紹介していますので、ぜひそちらも併せてご覧ください。

取得日は試験日

合格証書には取得日がありますが、それはあなたが受験した日です。
例えば、2023年10月20日の試験を受けた場合、合格証書の取得日は同じ日2023年10月20日となっているはずです。
履歴書を書こうとして合格証書が手元にない!ということはよくあることです。また、合格証書は発行料金がかかるためそもそも発行していないという人もいます。合格通知もなくしてしまっていることも多いです。
そういう方は商工会議所から「合格証明書」を発行してもらいましょう!というサイトを見かけます。しかし、照会・発行作業に時間がかかるため、今すぐはわかりません。自分の履歴書に書くだけであれば、自分が受験した年月を覚えていれば大丈夫です。
もし、先方から合格証明がほしいと言われ、手元に合格証書がない場合に発行依頼をした方が良いでしょう。
なお、年月については、履歴書を和暦で統一していれば和暦、西暦で統一していれば西暦で書くようにしてください。

簿記2級を勉強していることを履歴書でもアピール

もし経理関連の職に応募するのであれば、簿記3級に加えて2級も勉強中の場合は「◯年◯月 日本商工会議所簿記検定試験 3級 合格」の下にためらわずに
「日商簿記2級取得に向けて勉強中」と記載しましょう。

簿記3級の知識を活かせる主な就職先

簿記3級の知識が活かせる就職先はつまり商業簿記の知識を活かせる職場ということになります。

事業会社の経理職

企業の管理部門として経理部や総務部などに所属し、記帳作業や経費精算などを行う職種です。ゆくゆくは決算業務などにもかかわることができるなど、幅広い会計業務を経験できます

会計事務所

会計事務所は企業の経理業務などの代行を行ったり、税務的なアドバイスを行います。簿記3級の知識を活かせるのは勿論、簿記2級や1級、さらには税理士資格を持った所員と働くことになりますので、スキルアップが期待できます

大学生が就活前に取得すべき簿記とは

先述した通り、簿記には3種類ありそれぞれの中にも級があるわけですが、結局どの簿記資格を取るのが良いのでしょうか。

会計系の職種にこだわらない場合は日商簿記3級で十分

今回ご紹介している日商簿記3級は、一般企業の総合職営業職など会計に直接かかわることが少ない職種を受ける人にとっては十分な資格です。合格までに培った知識が生きる場面は多くはないかもしれませんが、資格取得のために勉強できる意志ややりきる力があると判断されるので、無駄にはなりません。

経理職や会計事務所を目指すなら日商簿記2級を取ろう

会計業務を仕事にしていきたい人は日商簿記2級を取っておくと、かなり有利になります。この業界は転職市場も含めて未経験からの就職は難易度が高く、倍率も高い状況です。ただ日商簿記2級を新卒の段階で持っていると、他の就活生と大きく差をつけることができます。簿記1級や税理士試験科目の簿記論、財務諸表論などの科目といったさらに上のレベルの資格を取得するのがベストではありますが、簿記1級以上は勉強時間がかなり必要になるので、日商簿記2級の取得を目指すのがよいでしょう。

まとめ

簿記3級は決して役立たない資格ではありません。一方で、資格に甘んじて就職活動を疎かにしてはならないのです。履歴書への書き方や面接でのアピール方法に加え、そもそもなぜその企業で働きたいのかもしっかりと考えた上で、選考に臨みましょう。
[参考記事]
簿記3級裏技はある?絶対に合格するための極意とは2024年3月最新│リトライ部
【簿記3級の偏差値は?】簿記3級が難しすぎると言われる理由4選も紹介!│Fラン就活攻略論

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:資格試験

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