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会計・経理に役立つ資格を紹介!難易度やオススメの資格も解説!

HUPRO 編集部
会計に関わる資格の種類とその難易度を解説

事業会社で経理や会計業務に関わりたいと考えているみなさんは、一度は会計系の資格を視野に入れた事があるのではないでしょうか。また、教養として会計を学ぶことで、企業が営利活動を行う上で重要な経営判断が出来るようになります。

会計・経理に役立つ資格を紹介(難易度も!)

ここでは、会計や経理にかかわる資格を11点紹介していきます。

日商簿記

簿記とは、企業や個人事業者が財務諸表を作成するためのテクニックであり、日商簿記試験はそれに必要な技術や知識を測るものです。

試験は1級・2級・3級に分かれています。

◆3級:初歩的な商業(商品の売買に関する)簿記が出来るレベル。
◆2級:商業簿記・工業簿記(工場での原価計算等)を理解できるレベル。  ※2級以上が就職・転職に有利に働くという認識をされています。
◆1級:税理士試験の受験資格を得るために必要とされるレベル。
 ※税理士や公認会計士を目指す人々の登竜門とも言われます。

日商簿記は、数ある会計に関わる資格試験の中で一番広く知られており、かつ多くの人々が受験するものです。会計の知識をつけたい社会人・スキルアップのために受験する経理マンはもちろんのこと、経営者や上位の職制に属する経営判断に関わる機会のある人々にとっても持っている価値のある資格です。

合格に必要な勉強時間は、3級「50〜100時間」2級「100〜200時間」1級「400〜600時間」となっています。

ビジネス会計検定

ビジネス会計検定試験とは、財務諸表の理解力を養う検定試験です。財務諸表が表す項目・数値を理解し、財務諸表に関する知識・分析方法を身につけることができます。

この検定は簿記とよく比較される検定ですが、簿記は「財務諸表(貸借対照表や損益計算書)を作成する」ことが目的とされています。一方でビジネス会計検定は「財務諸表を分析し企業の経営状況を判断する」ことを目的としています。

また、合格に必要な勉強時間は、2級「100〜200時間」1級「300〜500時間」とされています。

ファイナンシャル・プランニング技能検定

ファイナンシャル・プランニングとは、人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法のことを指します。家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識を身に着け、相談者のサポートを行うのが主な仕事内容となります。

ファイナンシャル・プランニング技能検定の合格に必要な勉強時間は、3級「80〜150時間」2級「150〜300時間」とされています。

社会保険労務士

社会保険労務士は、社会保険労務士法に基づいた国家資格者です。労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とされています。この資格を取得することで、どの企業にも必要とされる人材となれます。

社労士試験合格レベルまでの勉強時間は、約800時間〜1000時間です。 仮に1日の勉強時間を3時間で週5日15時間と想定すれば、約1年の学習期間が必要となります。

中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業をターゲットとして経営課題に関する診断や助言を行う専門家で国家資格とされています。経営に関する問題点を見つけて指摘したり、解決策を提示することで、経営状況の改善に導くことを目的としています。直接的に経理として働くことは少ないですが、資格を取得するために会計の知識が必要となるため関連のある資格となります。

合格に必要な勉強時間は800〜1000時間といわれています。やや難易度は高いですが、会計の知識だけでなく経営に関しての専門知識も取得することができます。

BATIC(国際会計検定)

英語と会計を融合した資格試験です。認知度は日商簿記ほど高くないものの、英語で会計業務ができるというアピールに使えるものです。こちらは合格・不合格ではなく点数制になっており、Subject1の英文簿記(400点満点)+Subject2の国際会計理論(600点満点)の計1000点満点となっています。また、活躍する場として海外も視野に入れたい・より専門性をアピールしたい場合は、後述の米国公認会計士もおすすめです。

subject2への理解は、日商簿記2級の知識を持っていてもやや不足とされるため、1000時間以上の勉強時間が必要とされるでしょう。

建設業経理士

建設業経理士とは、建設業界において必要な財務や経理に関する専門知識を身につけていると認められた人に与えられる資格です。簿記の知識を建設業で応用した形の資格となっていて、建設業界の経理として働こうと考えている人にオススメです。
建設業経理士の合格に必要な勉強時間は、簿記を取得しているか否かで大きく変わります。2級の取得を目指す場合、初学「80〜100時間」簿記3級「50〜60時間」簿記2級「20〜30時間」となります。

公認会計士

言わずとも知れた国家資格であり、取得し監査法人などに就職すれば会計士の独占業務である監査に携わることができます。公認会計士として監査に携わる以外にも、事業会社の中で会計のスペシャリストとして経理業務に従事したり、独立して経営を担う場合など様々な場面で役立つ資格です。

3大難関国家資格のなかの一つとして位置づけられていて、難易度は会計・経理の資格の中では最難関といえるでしょう。知識のない状態から公認会計士の資格の取得を目指そうとなった場合、約4000時間もの勉強時間が必要となります。1日10時間の勉強を1年間続けるくらいの難易度であり、その分取得した後のメリットも大きい資格となっています。

米国公認会計士(USCPA)

名前の通りアメリカの会計士としての資格のため、これに合格したからといって日本で公認会計士と名乗って監査業務ができるものではありません。しかし、日本の公認会計士は日本でしか通用しないもののこちらは世界では広く認知されていることから、海外を視野に入れて会計のスペシャリストとして活躍したい方には英語で会計を専門として業務に携われることを証明出来るのでおすすめです。

グローバル企業や海外の経理系ポジションにおいては、この米国公認会計士資格を持っている応募者が優遇されることも多いです。合格に必要な勉強時間は1000〜1500時間と言われていますが、海外の試験であるためこれとプラスして英語の勉強も必要となってきます。

税理士

税務のスペシャリストとして納税者に代わって税務申告を行なったり税務アドバイザリーをする国家資格です。会計士とは業務内容が違うものの、資格取得までには根気のいる勉強が必要となる難易度の高い資格です。日本の会計・経理の資格の中では公認会計士の次に難易度が高く、2000〜2500時間勉強が必要といわれています。

米国税理士(EA)

米国税理士(EA)は、日本の資格ではなく、アメリカの内国歳入庁(IRS)が認可するアメリカの国家資格です。ですがアメリカの法律では、アメリカ国民は国内外のどこに住んでいるかにかかわらず、 自国に税務申告を行う義務があります。そのため、米国税理士はアメリカ国内だけでなく、世界中で需要のある資格となっているのです。

米国税理士に合格するためには約1000時間ほど必要となります。英語力が気になる方もいると思いますが、TOEIC600点以上が基準とされており、そこまで高い難易度を必要とされていないため、米国公認会計士よりは取りやすい資格となっています。

未経験・初心者にオススメの資格

今回は会計・経理業界未経験や初心者にオススメの資格を紹介していきます。

日商簿記

未経験・初心者に一番オススメの資格がこの日商簿記です。オススメの理由として2つあります。
1つ目は、会計・経理業界の資格の基盤となっているからです。この業界で必要となるスキルとして、財務諸表を作成できたり、読み解くことが最低条件となります。この会計業界の基礎を取得できるのが日商簿記となっています。この日商簿記を取得するにあたってこの業界の他の資格に興味を持ち資格を取得しようと思い立った時にも、日商簿記の資格を最初に学んでいることで他の資格のベースが理解しやすく、効率よく試験に合格することができるでしょう。

2つ目は就職・転職活動に有利である点です。簿記3級に関しては、そこまで大きく有利に働くことはないです。一方で簿記2級以上となってくると、年齢にもよりますが欲しがる企業がたくさんあります。その理由として、簿記2級の知識が経理業務を行う上でとても役に立つことが認知されているからです。

ファイナンシャル・プランニング技能検定

このファイナンシャルプランニング技能試験も未経験・初心者にオススメです。オススメな理由としては、仕事に直結して役立つ点です。例えば、人事部や総務部であれば、給与計算を行う上で必要な所得税、社会保険、生命保険や損害保険の知識を業務で活かすことができ、営業部であれば、FPで学んだ幅広い知識やお金に関する話題を、先方との商談の場で活かすことができます。このように様々な部署で直接的に関与するのでオススメとなっています。

キャリアアップにオススメの資格

今回は、キャリアアップにオススメの資格を紹介していきます。

公認会計士

キャリアアップにオススメな資格の1つは公認会計士です。公認会計士は3大難関国家資格の1つであるため、資格を取得することで確実にキャリアアップを成功させることができます。

公認会計士は独占業務があり資格保有者にしかできない仕事があります。そのため、行える業務内容が増え、年収も増加します。景気に左右されにくい業界でもあり、独立して活躍する人も多く存在する資格です。

一方で、デメリットがあります。それは試験に合格することがかなり難しい点です。他の資格とは日にならないくらいの勉強時間を必要とし、1年間仕事を休んで公認会計士試験に向けて勉強をしても合格できない人はたくさんいます。そのため、真剣に目指すことを考えると、生活などいろいろ考えなくてはなりません。仕事などを継続しながらのキャリアアップを考えたい場合は、次に紹介する税理士をオススメします。

税理士

キャリアアップを目指したい場合、個人的に一番オススメなのが税理士です。その理由として、学校や職場に通いながら資格取得を目指せるからです。

税理士試験は、公認会計士試験と違い科目別合格制度を取っています。公認会計士試験は9科目を1度の試験で取得しなければいけません。それに対し税理士試験は、5科目合格を資格取得水準とし、1科目づつの受験を認められています。そのため、1年で1科目ずつなど自身にあったペースで資格取得することができます。公認会計士試験は難易度が高すぎるあまり断念することが少なくない試験ですが、税理士試験は確実に1科目ずつ合格することができるのでオススメとなっています。

海外を視野に入れている人にオススメの資格

ここでは、今後海外での会計・経理業務を視野に入れている人にオススメな資格を紹介していきます。

BATIC(国際会計検定)

BATICは、英文簿記をはじめとする英語での会計処理や、IFRSに関する知識など国際的な会計基準の理解度を計る試験であるため検定です。そのため、海外での会計・経理業務を考え始めた人が最初に受けるのにオススメの資格です。

この検定は自分が米国税理士や米国公認会計士になることを考えるための一つの基準となると思います。海外で働きたいと考えている人や、国内の外資系企業で働きたいと考えている人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

米国公認会計士(USCPA)

米国公認会計士は海外を考えている人にオススメの資格です。米国公認会計士は米国の監査業務を行える資格です。他にも、国際相互承認協定を締結している国々で会計士として働くことができます。そのため、自分の働きたい場所を選ぶことができます。

日本でも取得するメリットがあります。例えば米国公認会計士の試験は、科目にITやビジネス科目も存在します。つまり、今後需要が高まってくるであろう会計×IT分野に関する知識を見つけられることになります。また、企業に転職する際も英語力の証明にもなり、外資系やグローバル展開をしている企業などから高い評価を受けるでしょう。

まとめ

本記事では、会計・経理に関連した資格についていくつか紹介してきました。今回紹介してきた資格は、どれも取得するメリットがあります。資格によってさまざまな役割があり、経理業務に特化した資格や知識を持つことでコンサルができるようになったり、独占業務の存在により唯一無二の人材となれたりします。このように自分自身がどのようになりたいかやどんな企業に転職したいのかを考えて資格取得を目指すとよいでしょう。

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この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験

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