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税理士試験に合格後はどこに就職する?税理士事務所だけが就職先ではない!

HUPRO 編集部
税理士試験に合格後はどこに就職する?税理士事務所だけが就職先ではない!

税理士試験合格者には様々な進路が用意されています。税理士事務所や会計事務所に就職・転職したり、一般企業の経理職に就いたり、コンサルティング会社で活躍したりと様々です。今回は、そんな税理士試験合格後にどのような進路を選択する人が多いのか、考えるべきポイントはどこかについて詳しく解説していきます。

税理士試験合格後の進路

税理士試験に合格しても、そのままでは税理士となる資格を有するだけなので、税理士として名乗ることはできません。税理士と名乗るためには、試験合格後、2年間の実務経験を経て、税理士として登録したのち、税理士と名乗ることができます。

税理士として登録されていない人には、税務官公署に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法の規定に基づき、申告、申請、請求若しくは不服申立てにつき、または当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、または代行する業務(税務代理業務)や、税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、不服申立書そのほか租税に関する法令の規定に基づき作成し、かつ、税務官公署に提出する書類で財務省令で定めるものを作成するという税務署類の作成業務、税務官公署に対する申告等、税務代理で規定する主張若しくは陳述または申告書等の作成等に関し、租税の課税標準等の計算に関する事項について相談に応じる税務相談業務という3つの業務を行うことは認められていません。

この3つの業務は、税理士の独占業務であるからです。税理士として登録をしていない人がこの業務を行った場合には、罰則が適用されることになるので注意が必要です。

税理士試験に合格したのち、多くの人が、税理士事務所や会計事務所に就職することになります。その理由は、税理士として登録するために必要な実務経験を積むためです。税理士事務所や会計事務所には、すでに税理士として働いている人がいるので、日々の業務のなかでどのようなことをしているのかをみて、税理士登録後の業務をより具体的にイメージすることができるようになります。

税理士事務所や会計事務所の方針によって、どの種類の業務にもっとも力を入れているかは変わってきます。しかし、税理士事務所や会計事務所に就職した場合は、これらの種類の業務すべてについて実務経験が積める可能性が高いです。そのため、今後、税理士として仕事をするにあたっての自分の適正を見極めることがもできます。

税理士事務所や会計事務所を就職先とする最大のメリットは、豊富な業務経験を積んでいる先輩税理士との人脈を築くことができる点です。これらの人脈が開業や独立に有利になることがあるため、税理士にとって人脈作りは非常に重要な意味を持つことになります。

その一方で、小規模な税理士事務所・会計事務所であれば、事務所経営のノウハウなども学ぶことができ、税理士として必要となる知識だけではなく、事務所経営の知識も身につけることができます。

したがって、税理士事務所や会計事務所への就職は、税理士事務所を自分で開設したいと考えている人に多くのメリットがあると言えます。税理士の仕事では、相手との信頼関係を欠くことはできません。そのため、税理士同士の人脈づくりやクライアントとの関係構築は将来的に大切なことです。開業税理士を目指す場合には、税理士試験合格後、まずは税理士事務所や会計事務所への就職を考えるのがおすすめです。

規模の大きな税理士法人への就職

税理士試験合格後には、多くの人が規模の大きな税理士法人への就職を目指します。その理由は、税理士法人には多種多様な仕事が数多く依頼されるからです。そのため、税理士事務所や会計事務所では積むことのできないような経験も積めます。

税理士法人とは、社員を税理士に限定した、商法上の合名会社に準ずる特別法人のことを言います。税理士法人が設立される目的は、複雑化・多様化、高度化する納税者等の要請に対して、的確に応えるとともに、業務提供の安定性や継続性、より高度な業務への信頼性を確保することが可能となり、納税者利便の向上に資するためです。

近年の経済活動は複雑化しているということもあって、一人の税理士だけで一つの会社の全ての税務に対応できることはほとんどありません。したがって、複数の税理士がチームとなって業務にあたるのが、税理法人ということになります。税理法人に就職することができれば、先輩税理士が働く様を最も身近で見ることができます。多くの税理士が働いている環境に身を置けるということは、まだ試験に合格したばかりの人にとっては大きな財産となるはずです。

しかも、税理士法人には、小規模な税理士事務所や会計事務所には任せることが難しいような案件となっているのが普通であるため、税理士事務所や会計事務所では経験することができない仕事内容も経験することができるはずです。したがって、税理士試験合格後は多くの人が、自分のキャリアのためにも規模の大きな税理士法人への就職を希望するわけです。

税理士事務所・会計事務所以外の進路

税理士試験合格後、多くの人は税理士事務所や会計事務所への就職を希望します。しかし、税理士試験に合格したあと、必ずしも税理士試験や会計事務所に就職する必要はありません。税理士となるために学んだ知識やスキルは、専門的な知識として様々な場所で活かすことができます。

そのため、税理士試験合格後は、一般企業に就職する人もいれば、コンサルティングファームなどに就職する人もいます。一般の会社の経理部に就職して活躍する人もいます。税理士試験合格後の実務経験は一般企業で積むことも可能ですし、必ずしもフルタイムで働く必要はありません。以下では、税理士試験合格者がとることの多い進路について詳しく解説していきます。

税理士事務所・会計事務所以外の進路

コンサルティングファームへの就職

税理士という名前を聞くと、多くの方は、税務申告や税務相談などといった業務を請け負う人をイメージするのではないでしょうか。しかし、実際には、税理士の仕事はもっと多用な働き方ができる仕事です。

近年では、税理士業務もグローバルな対応が求められるようになっています。従来の税理士は、税務申告や税務相談などといったコンプライアンス業務を重視して活動を行ってきました。これらの業務は、過去の企業活動に関連して発生した税金を対象とします。それに対して近年の税理士にはコンサルティング業務が求められるようになっています。

したがって、グローバルな税務に対応することができる税理士には一定の需要が存在しています。そのため、税理士試験合格後、税務に関する専門的な知識を活かすために、コンサルティングファームに就職する人もいます。

クライアントに対する税理士のコンサルティング業務では、将来の企業活動に伴って発生する税務リスクへの対応や、今後の企業の成長につながる施策を手がけます。また、税理士が対応すべき税制の一つとして、移転価格税制があります。

企業が、海外の関連企業との取引価格(移転価格)を第三者との取引価格と異なる金額に設定すれば、一方の利益を他方に移転することが可能となってしまいますそこで、このような利益の移転を防止することを目的に定められているのが「移転価格税制」です。

この移転価格税制について適切な対応を怠ると、企業は想定外の税務リスクを抱えることになりかねません。また、税率の高い国から低い国へ所得を移し、納税額を抑えようとするBEPS(税源浸食と利益移転)のような行為は、課税時の税務リスクの増加につながりかねず、昨今ではBEPSに対応するための国際ルールの見直しの動きもあります。

今後はより慎重な対応が必要となることが予測されます。移転価格税制を採用している企業では、高度な税務判断が行われることになります。したがって、この仕事には税理士に対する期待が高まっている状態であるということができます。

一般企業への就職

税理士試験合格後に、一般企業へ就職するという人も多くいます。そもそも、一定数の人が、一般企業で働きながら時間をかけて税理士試験に合格しています。経理部に所属していながらキャリアアップのための税理士の資格をとるという人も少なからずいます。

企業は当然税金を納めなければなりませんから、企業内に税理士がいれば、税金額を正確に計算することができるなどのメリットがあります。企業としても、会計や税務の専門知識を身につけている人材は常にほしいと考えているわけです。実際、外部の税理士と顧問契約を結ぶと、会社にとってはその費用が大きな負担となってしまうため、社内で税務手続きを済ませたいと考えています。

企業税法の規定は毎年変わるので、それをフォローアップするのは大変です。だから、企業内に税理士試験合格者がいれば、効率よく法改正に対応することが可能となりますし、外部の税理士に高い費用を払うよりも節約して質の高い成果を得ることができます。

さらに、近年では、大きな会社であればあるほど、タックスプランニングの重要性が認識されるようになってきています。タックスプランニングとは、将来の法人税等の発生につき計画を行うことを言います。 一般に、タックスプランニングの目的は、事業や投資を行うための複数のスキームの間で税務コストを比較し、税務コストを最小限にするためのプランを策定することです。この計算は複雑であるため、税務を熟知した専門家でないとわかりません。

したがって、企業内においても税理士が重用されているというわけです。税金の金額はある程度は見積もりの部分もあるので、税務上有利な計算方法を適用することで、合法的に税金額を引き下げることもできます。払うべき税金が少なくて済むなら助かるという会社も少なくありません。だからこそ、企業はできるだけ合法的に払わないで済む税金は払わないで済むようにしたいというインセンティブを有しています。

それに応えるのが、企業内で働く税理士というわけです。税務の専門家として、企業内で働く税理士は、単純な記帳代行業務を行っているというよりも、より専門的な知識を活かして企業戦略と合うように、あるいは企業の財務戦略と合うように、タックス・プランニングを行うことが多くなります。資格手当などが用意されている企業もあるので、一般企業へ就職した税理士は年収も比較的高くなる傾向にあります。

税理士は転職にも有利!

税理士試験に合格するためには、かなりの時間が必要になります。税理士試験に合格したのが30歳くらいという人もかなり多いです。そのため、すでに何かしらの仕事に就いていて、努力して難関の税理士試験を突破したという人も少なくありません。

税理士試験に合格したのち、税理士として登録するためには、規定の実務経験を積まなければなりませんから、元在籍していた会社の経理部で2年間の実務経験を積むという人もいますが、多くの人は税理士事務所や会計事務所への転職を考えます。税理士事務所や会計事務所の方が、実務経験を通じて税理士として働くためのより高度な知識やスキルを身につけることができるからです。

もちろん、一般企業へ転職する場合も、税理士試験を突破したということは有利に働きます。どこの企業でも、高いスキルと専門知識を有した人材は不足していますから、税理士試験を突破しただけでもかなり有利に転職活動を進めることができるはずです。昨今では、先にも説明したように税理士に期待されている役割の幅も増えてきています。

単なる記帳業務だけではなく、企業全体の税戦略を考えることで、できるだけ法人税を安くしたりするなど、税に関する専門知識を有していないとできない業務を任されるようになっています。そうした業務を任せることができるような人材を企業は探しているので、税理士試験を突破した人は転職も有利に運ぶことができます。

まとめ:税理士試験合格者は就職にも転職にも有利!

税理士試験に合格するということには大変な努力が必要です。そうした難関試験を突破することができた人は、就職をするにも、転職をするにも有利となることは間違いないはずです。すでに働いている人はキャリアアップにもなります。

税理士試験合格後の就職先、転職先として最も多いのは税理士事務所や会計事務所ですが、それ以外にも、コンサルティング会社や一般会社の経理、税理士法人などに就職する人もいます。税理士という仕事は、それだけ多用な働き方を選択することができる職業です。

税理士試験合格後の進路選択は、自身のキャリアにとってとても大きな意味を持ちます。自分が活躍したいフィールドはどこかということをきちんと考えて、就職活動や転職活動をするようにしましょう。

カテゴリ:コラム・学び

この記事を書いたライター

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