持ち家の方だと、年1回固定資産税を納税されているのではないでしょうか。不動産売買の契約をした時に、不動産取得の手続きを行い、価格や所在地、購入年月日、所有権者を申告すると納付書が届きます。また、固定資産税が課税されるのは不動産だけではありません。今回は固定資産税について詳しくご説明していきます。
この項目では、固定資産税について、法人に対しての課税対象を説明して、算出方法についても解説していきます。課税対象と算出方法がわかってくると、税理士ができることが見えてきます。
固定資産税の課税対象として、まずよく知られているのが、不動産です。
固定資産税は、不動産ならば、土地、建物それぞれに課税されます。
1月1日にその土地を所有している人(所有権者)に課税されます。固定資産税台帳を基に各市町村が管理しています。土地の評価額とういのは、景気や時勢によっても変わります。
この時勢というのは、所有不動産の近隣の再開発、大型施設の建築などに影響を受けるということです。
新駅ができたりして、その駅から近くなると土地の値段が上がるということをよく聞きますよね。その評価は3年ごとに見直しがあります。また土地には、住宅用、ビルなどの土地だけでなく、農地、山林も含まれます。
建物に関しては、引き渡し時がもっとも価格が高く評価されて、その後は住み始めてから木造で22年、鉄筋コンクリート造は47年で償却されます。
償却というのは資産価値がなくなることです。償却すればあとは土地にしかかからないわけですから、固定資産税は安くなります。しかし、住宅に新しい設備を付随したならばまた資産価値が出てきますので固定資産税が課税されます。2階部分を増築、太陽光発電システムを付けるなどすると対象になります。
これは事業を行っている、個人、法人が事業を行うために使用している設備が対象となる固定資産税です。
大型重機、事業用建物(倉庫、店舗など)はもちろんのこと、エアコン、応接セット、内装費用など建物付属設備として計上しているもの、事業用に使うパソコンも対象です。
まず、償却資産に対してですが、1.4%の税率で固定資産税が課税されます。
償却資産の固定資産税の免税点は150万円となります。
しかし、気を付けていただきたいのは、償却資産の総額に1.4%が乗じられるということです。150万円を超えた部分にだけ課税されるわけではありません。
土地・建物の価格に固定資産税の税率をかけ、さらに軽減額(住宅等では特別に税金を値引いてくれる)を引けば、固定資産税が計算される、ということになります。
これを数式で表せば、「課税標準額×税率―軽減額=固定資産税」です。
課税標準額とは土地・建物の金額ということです。
現在の土地の値段を知るには、都税事務所などのHPにアクセスすると路線価が掲載されています。1㎡あたりの価額を知ることができます。
参照:東京主税局ホームページ
固定資産税の算出方法については下記のコラムでも詳しく解説しています。
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・固定資産税を求める計算方法についてわかりやすく解説
固定資産税の課税対象と計算方法についてご説明してきましたが、この項目では、実際に税理士が固定資産税に関してどのような業務ができるのかをご説明していきましょう。
1の項目で、固定資産税の計算方法についてご説明しましたが、路線価を確認して、土地、建物の値段をまず算出して、固定資産税の税率をかけてと、これを自分でやるとなるとかなり面倒です。そして正確に算出できない危険性もあります。役所から送付される納付書のままに支払うしかないとなるのですが、税理士ならこのような固定資産税の税金計算は得意としています。
事業をしているならもちろんのこと、自宅であっても定期的に所有している資産の価値について確認しておくことはとても大切なことです。
個人だから税理士さんを依頼するなんて、少し気が引けると思う必要はありません。あとは市役所などの無料相談なども活用してみるのもおすすめです。
税理士に正確に資産価値を算出してもらうことで、固定資産税の見直しができます。やはり役所からの通知書だけではどうやって計算しているのかわかりにくいです。それに役所の人間も人の子です。ミスだってあります。
実際に、『2017年12月、東京都内の男性が都税事務所の計算ミスで過大に徴収されたと国家賠償を求めた裁判で、東京地裁は15年分で約540万円の支払いを都に命じた』という報道もあります。
自己所有の不動産、償却資産に関して、税理士に一度資産価値を見直してもらって、役所からの通知書の計算内容が正しいのかどうかを定期的に確認することはおすすめです。
税理士試験には税法科目の一つで固定資産税科目が存在します。計算と理論が半々の試験で、計算が得意な人には相性が良い試験と言われています。詳しい内容はこちらのコラムで紹介していますので、ぜひご覧ください。
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