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日商簿記1級は就職に有利?/日商簿記1級の求人動向

HUPRO 編集部
日商簿記1級は就職に有利?/日商簿記1級の求人動向

最近誰もが知ってる資格の一つとして日商簿記があります。その中でも日商簿記1級を目指す方は少なくないと思います。本記事では、日商簿記1級を取得した方の就職に有利かどうか、実務経験有り、無しなど、さまざまな視点で説明しております。

日商簿記1級は就職に有利?/日商簿記1級の求人動向

スキルアップを目指す社会人主婦OLなど幅広い世代に人気の日商簿記検定。その中でも日商簿記1級は仕事をする上で最強の武器になります。
リーマンショック以降、企業の経営は冷え込み間接部門と言われる事務職の求人は大幅に減ってしまい、日商簿記1級を持っている人でさえ、経理部門への就職は狭き門となりました。

その結果、企業ではこれから会社の経営を担っていくであろう30代40代の中間管理職と呼ばれる人材が足りないという空洞化が起きています。
そのため、30代40代の方をターゲットにした日商簿記1級を活かせる経理の求人が多くなってきました

日商簿記1級でできる仕事とは?

日商簿記1級は求人を探す上で最強の武器になることは間違いでしょう。まず簿記検定にはどのような種類があるのでしょう?順番に見ていきましょう。

簿記検定の種類と日商簿記の難易度

簿記検定には主催団体の違いで「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」の3種類があります。その中でも最も人気があり難易度の高いものが日本商工会議所主催簿記検定(通称:日商簿記)です。簿記検定と言えば日商簿記を指すと言っても良いでしょう。

①「日商簿記3級」合格率40%

簿記の基本的な知識が問われます。会社の経理に必要な最低限の会計を学ぶことができるので小規模の企業や個人事業主の経理なら十分に対応できます。

②「日商簿記2級」合格率30%

本支店会計や連結決算などを学ぶので本店支店や工場のある規模の大きな会社の財政状態や経営成績を理解できるようになります。

③「日商簿記1級」合格率10%未満

会計学や財務諸表規則など会計の法律を学び、会社の経営分析や財政管理など多岐に渡る経理の業務をこなす事ができます。難易度の高い試験なので、社内でも一目置かれることになるでしょう。

日商簿記1級で狙える求人とは?/企業が求める即戦力とは?

社内でも一目置かれ、重宝される日商簿記1級の資格があれば、上場企業の経理部や幹部候補者などの求人も狙うことができます
知名度抜群の日商簿記1級は武器になり、求人の幅も広くなります。履歴書の資格欄に日商簿記1級合格があると、採用担当者の目にも止まりやすく、大きなアピールポイントになることは間違いありません。無資格の方に比べると、採用されるまでの道のりはスムーズでしょう。

支店や工場が多い企業では、会計処理も複雑で連結決算、内部取引など、日商簿記1級の知識がないと難しい会計処理がたくさんあります。

しかし日商簿記1級以外にもう一つ、必要なものがあります。

日商簿記1級は武器に!でも求人で大切なのは即戦力

「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、どれだけ優れた資格を持っていても実務経験が無ければ、即戦力として働くことは難しいです。
日商簿記1級の資格は難易度が高く、求人もたくさんありますが、「日商簿記1級の資格」と「企業が求める即戦力」は必ずしもイコールではなく、日商簿記1級があれば、すぐに即戦力として働けるわけではありません

企業では専門知識に裏打ちされた確かな分析力、行動力、実務能力など、より高度な能力を求められるのです。

日商簿記1級は武器に!でも求人で大切なのは即戦力

実務経験と日商簿記1級で狙える求人は?

即戦力を求める企業の求人では、日商簿記1級の資格と同じくらい実務経験を重視する傾向にあります。新卒採用で就職する場合は人柄や意欲、やる気が評価されるため実務経験を求められることはほとんどありません。しかし中途採用の場合は、採用後すぐに即戦力として働くことが求められるためビジネスマナーはもちろん経理事務の実務経験が大事になります。

①実務経験がある人(日商簿記1級あり)

日商簿記1級に実務経験があれば怖いものなしです。経営分析や企業のマネジメントなどハイレベルな仕事を任されることも多くなるので、ファイナンシャルプランナーの取得など、さらなるスキルアップを目指し頑張っていきましょう

②実務経験がある人(日商簿記1級なし)

「実務経験に勝るものはない」と言われているように実務経験があれば一般的な事務作業ならサクサクとこなせると思います。しかし大手企業の場合は日商簿記1級程度の知識を求めてくることも多く、日商簿記1級が無い人は書類選考で門前払いということも起こります。大手企業の求人を狙うなら、働きながら日商簿記1級を取得するため、勉強されることをお勧めします

③実務経験なし(日商簿記1級あり)

日商簿記1級を武器に採用された場合、周囲の方からは大きな期待が寄せられ、給料に資格手当等が加算されることも珍しくありません。同時に難易度の高い、高度な仕事を任されることも多くなります。
しかし「日商簿記1級で学ぶ会計」と「実務で行う会計」は異なります。日商簿記1級に合格しているからといって、最初からテキパキと仕事がこなせるわけではありません。
周囲の期待と、自分の能力にギャップを感じ、すぐに退職してしまう方もおられます。
先に中小企業や会計事務所等で数年、経験を積んでから、大手企業の求人を探すのも一つの方法です。

日商簿記1級の求人を探す前に実務経験を

コンサルティング業務で日本中を駆け回ったり、銀行の方と資金繰りを交渉したり、とても華やかな仕事という印象をお持ちの方もおられるかもしれません。
しかし実際の経理はとても地味でコツコツと取り組む姿勢が必要な仕事です。将来、日商簿記1級を武器に求人を探したいと考えている方は、派遣や短期のアルバイトでも構いませんので、実際の仕事触れ、実務を学んでおきましょう。

労働力人口の減少により、経理事務や社会経験の未経験者や、資格の無い人にまで間口を広げた求人も増えてきました。未経験者まで間口を広げると必然的にライバルは多くなります。しかし日商簿記1級の資格が最強の武器になることは言うまでもありません
日商簿記1級を既に取得している方、これから勉強しようと思っている方。日商簿記1級は最終目標ではありません。これからどのように活かしていくのか、そのために何をすべきか、考えておきましょう。

この記事を書いたライター

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