転職を考える時は、企業の福利厚生制度もしっかりと把握しておきましょう。「目に見えない給料」ともいわれる福利厚生制度を活用することで、給与の額面以上の価値を得られる企業は少なくありません。住宅手当などの各種手当てや、社員食堂などの会社の設備・施設などが福利厚生で思いつく代表的なものですが、今回は、福利厚生制度のうち「カフェテリアプラン」について紹介します。
「カフェテリアプラン」とは、従業員に対して、複数の法定外福利厚生施策により構成されたプランを提供し、従業員が付与されたポイントの範囲内(例:1人当たり年間 300 ポイント、1ポイント= 200 円 ) で、希望するものを選択する仕組みです。ポイントは年次や役職によって異なります。
例えば、旅行したり、ちょっと良い外食を楽しんだり、カタログに載っているものを購入したりすると、後で福利厚生の補助分のお金が戻ってくる仕組みです。
対象の商品は、企業が提携している福利厚生制度のサイトで確認することができます。
主なカフェテリアプランの内容
・スキルアップ:スクールや通信教育などの補助
・余暇の充実:旅行費用補助など
・健康支援:人間ドック費用補助やスポーツクラブ利用割引など
・ファミリー向け:レジャー施設や託児所・介護施設など利用時の補助
カフェテリアプランは、導入企業のみの会員制なので、一般の人は見ることができません。タイムセール的に破格の金額でホテルに宿泊できるプランなどがあったりするので、まめにチェックすることで、よりお得なプランを利用できたりします。
カフェテリアプランを導入している企業
それでは、実際にカフェテリアプランを実施している企業はどのようなところなのかを見てみましょう。
出典:第63 回福利厚生費調査結果報告 2018 年度(2018 年 4 月~2019 年 3 月)「導入企業」が回答企業に占める割合|日本経済団体連合会
経団連が毎年、福利厚生費についての調査をおこなっており、カフェテリアプランを導入している企業は2018年度集計で104社となっています。意外と少ないという印象です。
出典:第63 回福利厚生費調査結果報告 2018 年度(2018 年 4 月~2019 年 3 月)「導入企業」の規模別分布|日本経済団体連合会
また、従業員規模から見ると、カフェテリアプランを導入しているのは、1000名以上の規模の企業がその8割を占めます。
従業員の数が多く、多彩な希望に応えるために、多くのメニューをそろえるカフェテリアプランを福利厚生の一環として導入するのは自然な流れなのかもしれません。
現在カフェテリアプランを企業に提供しているのは、代行業者です。
主な代行企業は以下の4つです。
・株式会社ベネフィット・ワン
・株式会社リロ・クラブ
・株式会社イーウェル
・株式会社JTBベネフィット
カフェテリアプランの利用時には、代行業者の専用サイトにログインし、メニューから自分が希望するものを選択し、サイト経由で申し込み・購入をおこなう必要があります。
また、カフェテリアプランを提供しているカタログページについては、ポイントを使い切っても割引メニュー自体は有料で利用できるが可能です。企業によってはカフェテリアプランとしてポイントを提供せずに、サイトとの提携のみをおこなっている場合もあります。
カフェテリアプランは自らサイトやカタログをチェックする必要があるため、調べるのを面倒くさがる人はそのメリットを受けられません。
自分でいろいろ調べるのが好きな人と、面倒がって何もしない人では、大きく差が開いてしまう制度なのです。
しかし、導入している企業のカフェテリアプランの金額を見ると、1ヶ月に5000円以上のポントをあたえている企業が多いのです。
出典:第63 回福利厚生費調査結果報告 2018 年度(2018 年 4 月~2019 年 3 月)カフェテリアメニューの費用の分布|日本経済団体連合会
年間で1万~6万円お得になると考えると、ちょっと面倒であっても、カフェテリアメニューの確認をした方が良さそうです。
すでにカフェテリアプランのある企業に勤めており、これから転職を考えている人であれば、スキルアップのためのテキストや講座などをチェックしてみてはいかがでしょうか。