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人事になるには?未経験からキャリアチェンジ成功のためのポイントを解説します!

HUPRO 編集部
人事になるには?未経験からキャリアチェンジ成功のためのポイントを解説します!

DXや少子化、グローバル化で「ヒト」が戦略資源となる今、企業は優秀な人材の確保・育成に注力し人事需要が急増しています。この背景から、未経験者の人事キャリアチェンジも盛んになっています。本記事では「人事になるには?」をテーマに、転職方法、必要スキル・資格など転職までの具体的なステップを徹底解説します。

人事の仕事内容と求められるスキル

人事は、企業の最も大切な資源である「人材」を戦略的にマネジメントする部署です。ここでは、人事の各業務と、それを遂行するために求められるスキルを具体的に解説します。

人事企画

1つ目は、人事企画です。
これは会社経営の目標を達成するために、社員をどのような部門に、何人配置するかなどの計画を立案することを指します。その際人員に不足があると判断すれば、どのような人材が何人必要かを洗い出し、採用計画を練ります。

【求められるスキル】
企業全体の経営目標に沿った人員配置や採用計画を数値データに基づいて導き出すための鋭い分析力が不可欠です。また、将来を見据えた人事戦略を的確に立案し、実行可能なプランに落とし込む計画立案能力と、企業の経営意図を正しく把握する理解力が求められます。

人材採用

2つ目は人材採用です。
人材採用は、人事企画で策定された採用計画に基づき、求人広告の作成、説明会の開催、選考プロセス(面接、書類審査など)の実施を通じ、必要な人材を確保します。転職エージェントや採用イベントへの参加も含まれます。

【求められるスキル】
採用担当者は、応募者との面接や説明会などで企業の魅力を効果的に伝え、最適な人材を見極めるための高度なコミュニケーション力と対人説得力が必要です。また、求人広告作成や選考プロセスにおけるデータ分析を通じ、採用戦略を練るための分析能力やプレゼンテーションスキルも求められます。

人材評価

3つ目は人材評価配置です。
人材評価は、社員の能力や業績成果を正当に評価するための評価制度を構築し、フィードバックや報酬制度の改善を検討します。また、評価結果を元に、社員の最適な配置や異動を実施し、組織全体のパフォーマンス向上を図ります。

【求められるスキル】
企業全体の戦略目標に合わせた最適な人員配置や採用方針を導き出すため、各種数値データを用いて現状を詳細に解析する高いデータ解析能力が不可欠です。また、未来の市場や組織変革を見据え、実行可能な具体策として人事戦略を立案する計画力と、企業が追求する経営理念や文化を正確に捉える洞察力も求められます。

人材育成

4つ目は人材育成です。
人材育成は、会社の長期戦略に必要な知識やマインドを社員に習得させるため、研修や教育プログラムの企画・実施を担います。新人研修から中途、管理職向け研修まで、多岐にわたる内容を検討し、場合によっては外部講師の活用も行います。

【求められるスキル】
組織の未来を見据えた研修プログラムを自ら企画・構築する創造的なプランニング能力が求められます。さらに、参加者の理解を促進するための効果的な指導法を実践できる指導力と、研修の成果や状況に応じてプログラムを柔軟に見直す適応力も不可欠です。

労務管理

5つ目は労務管理です。
労務管理では、社員が安心して働ける環境を整えるため、勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、健康診断、福利厚生、安全衛生管理、さらにはメンタルヘルス管理などを担当します。これらは社員の生活基盤を支える重要な業務です。

【求められるスキル】
労務管理においては、日々の勤怠や給与、社会保険関連のデータをミスなく処理できる高い事務処理精度が不可欠です。また、労働法や各種規制を正しく理解し適用できる法律知識が求められます。さらに、予期せぬトラブルや課題が発生した際に、迅速かつ的確な解決策を導く分析力と判断力も重要な要素です。

労務管理

人事になるためのキャリアチェンジ方法

では、未経験が人事になるにはどのような方法があるでしょうか?ここでは、実践的な3つの方法を紹介します。

①:他部署からの異動

現職での実績やコミュニケーション能力をアピールし、社内公募や上司との面談を通じて人事部への異動を目指します。さらに、業務改善の具体的な数値成果やリーダーシップを示すエピソードを添えることで、異動希望の説得力を高めることが重要です。

●ポイント
▪自身の現場で取り組んできた改善策やプロジェクト実績を、具体的な数値や事例を交えて示すことで、これまでの経験がどのように人事部門の課題解決に寄与するかを論理的に伝えましょう。

▪面談や社内公募時には、リーダーシップやチームのパフォーマンス向上に関する具体的なエピソードを交えて、転職後の即戦力としての魅力をアピールすることが大切です。

②:人材業界からの転職

人材派遣会社や転職エージェントでの経験は、人事業務に直結する知識やノウハウが身につきます。専門性を高めるための資格取得も同時に進めると有利です。さらに、これらの経験は、採用戦略や人材評価のプロセスに対する実践的な理解を深め、職場での即戦力として評価される要因となります。

●ポイント
▪採用プロセスにおける実績(応募者数の改善、採用成功率の向上など)を具体的なデータとともに提示し、業界で培った実用的な知識・ノウハウを強調しましょう。

▪資格取得や業界特有のノウハウが、実務でどのように活かされているかを具体的なエピソードで示すと、転職先での貢献度がより明確になります。

③:新卒でベンチャー企業に就職する

大手企業ではなかなか人事部に新卒で配属されにくい場合もありますが、柔軟な組織運営のベンチャー企業なら、希望に応じた配属が受けやすくなります。さらに、ベンチャー環境では幅広い業務に関与するチャンスがあり、即戦力としてのスキルアップや経験の蓄積が促進されるため、キャリア形成の初期段階で大きな成長が見込めます。

●ポイント
▪インターンシップや学生時代のリーダーシップ経験を、具体的な成果やプロジェクトを持って説明し、ベンチャーの多様な業務への即応力を裏付けると効果的です。

▪少人数での業務経験や、多岐にわたるタスク処理で得た柔軟なスキルが、未経験者でも即戦力として評価される理由を具体的なエピソードとともにアピールしましょう。

人事になるために必要な資格

人事職に就くために、必ずしも資格が必要というわけではありません。しかし、転職活動やキャリアアップを目指す際、特に「労務関係」や「対人スキル」に関する資格を取得しておくと、あなたの強みとしてより高く評価される可能性があります。ここでは、日頃の仕事や将来のステップアップに役立つ資格を5つ厳選してご紹介します。

①:社会保険労務士

労務管理や社会保険の知識をしっかり学べる資格です。これを持っていると、あなたの専門性が際立ち、転職活動でも大きな武器になります。実際の現場でも評価されるので、キャリアアップに直結します。ちなみに、合格までに必要な勉強時間はおおよそ1,200~1,500時間が目安です。

②:人事総務検定

人事や総務の業務に必要な基本知識と実務スキルを実践的に学べる資格です。これを取得すれば、業務にすぐ役立つノウハウが身につき、自信を持って現場に臨むことができます。さらに、資格を持っていると、スキルアップの証明として転職活動でも有利になります。必要な勉強時間は約300~500時間くらいが一般的です。

③:キャリアコンサルタント

社員のキャリア開発や相談業務に必要な知識を習得でき、対人スキルの向上にも大変役立つ資格です。これを取得することで、個々のキャリアサポートに説得力が出て、転職時においても好印象を与えることができます。さらに、実際の職場での相談や支援にもすぐ役立つ実践的なスキルが身につきます。勉強時間はおおよそ400~600時間程度が目安です。

④:メンタルヘルス・マネジメント検定

職場のストレス管理やメンタルヘルス対策に特化した知識を学べる資格です。これを取得すれば、従業員の健康管理やトラブル防止に関するアドバイスができるため、労務管理面で非常に有利になります。さらに、どんな職場でも重宝される対人ケアのスキルがアップします。勉強時間はだいたい300~500時間くらいが目安です。

⑤:コーチング認定資格

社員とのコミュニケーションの質を向上させ、目標達成を促すためのコーチングスキルを証明できる資格です。これを持っていると、社内での人材育成やチームのパフォーマンス向上に直結し、転職活動でも対人能力の高さがアピールできます。さらに、実践的な指導力やサポート力も身につくので、組織全体の成長に貢献できます。勉強時間は、取得するコースにもよりますが、約200~400時間が目安となります。

また、これらの資格以外でも、採用プロセスや業務改善を効果的に実施し、組織全体のパフォーマンス向上に直結するため、面接技術やExcelなどのデータ管理スキル、そしてPDCAサイクルを回す実務経験を積むことも重要です。

未経験からでも人事になるための自己PR例とポイント

例①データ活用をアピールする場合

前職では、プロダクト開発のプロジェクトリーダーとして、顧客の声を基に製品改善策を提案し、データ分析を駆使して施策を最適化した結果、前年比で製品売上を120%伸ばすことに成功しました。この経験から、PDCAサイクルを活用して課題を解決し、定量的な成果を出すことの重要さを実感しており、これらのスキルは採用計画や人材評価のプロセスにも十分に応用できると自負しています。

●良いポイント

▪PDCAサイクルと具体的成果:PDCAを実践し、前年比120%の売上成長を達成した数値により、課題解決力と目標達成への意欲が明確に示されています。

▪顧客志向の問題解決:顧客の声をもとに改善策を提案することで、単なる業務遂行ではなく、コンサルティング能力を発揮できる点がアピールされています。

▪応用力の高さ:プロジェクトリーダーとしての経験が、人事の採用や評価など異業種キャリアにも即戦力として応用できることを強調しています。

例②人材育成や業務改善をアピールする場合

飲食店の管理責任者として、アルバイトやパートタイムスタッフの採用と研修プロセスを抜本的に見直し、自作の新人研修ガイドラインを導入しました。その結果、新人が短期間で即戦力として活躍できる環境が整い、スタッフ全体の士気向上に大いに貢献し、店舗の業績も地域内でトップクラスにまで押し上げることができました。この経験から、現場での人材育成と業務改善が企業成長の鍵であると痛感しました。これを踏まえ、御社の人事部門で実践的な採用・教育プログラムの構築に自らのノウハウを活かし、さらなる成長に寄与したいと考えています。

●良いポイント

▪実績に基づく具体性:実際に新人研修ガイドラインの導入など、取り組みの効果が現れる具体的な事例として、新人が短期間で即戦力化し、店舗の業績が地域トップクラスに上昇した実績が示されています。

▪現場改善と業績向上の示唆:スタッフの士気向上が業績向上に直結した事例から、現場での人材育成が企業全体の成長に繋がることが説得力を持って伝わります。

▪応用可能な経験の強調:プロジェクトリーダーの経験が、人事部での採用や評価など他の業務にもすぐに活かせると示すことで、異業種からの転職でも即戦力となる自信を提供します。

まとめ

未経験から人事へ転職するのは決して容易ではありませんが、正しい情報と戦略、そして具体的な業務実績や資格取得に努めることで、必ず実現できる未来があります。まずは自分の強みを見極め、これまでの経験やスキルをしっかりとアピールすることが大切です!!

この記事を書いたライター

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カテゴリ:転職・業界動向

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