違う会社の人と話をしていると「プロパー社員」の意味が違っていて話がかみ合わなかったことはありませんか?今回は、人事でよく使われる「プロパー社員」について4つの意味とよく見られる特徴について解説します。
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「proper」とは、英語で「本来の」「正規の」「専門の」といった意味を持つ言葉です。それが転じて和製英語となり、日本では以下のような意味で使われるようになりました。
プロパー[名・形動]
1 固有であること。特に、その方面に専門であること。また、そのさま。
「数学プロパーの問題」「人事部門のプロパー」
2 得意先を回って、自社製品の宣伝・売り込みを行う販売員。
「製薬メーカーのプロパー」
3 服飾・流通業界で、正札(しょうふだ)であること。値引きしない商品。正価。
「プロパーの値段で買う」
プロフェッショナルや、製薬会社のMR。そしてバーゲン価格ではない価格について「プロパー」という言葉も、それぞれの業界では普通に使われています。
「プロパー」という和製英語からさらに新しく生まれた「プロパー社員」という言葉については、一般的に以下の4つの意味があります。
①新卒入社の社員 中途入社の社員と区別して、新卒入社の生え抜き社員を「プロパー社員」と呼びます。
新卒でその会社のみ経験者と、中途入社で転職してきた人を区別する呼び名です。
②正社員 非正規や有期雇用の社員が多い場合、正社員のことを新卒・中途など採用形態を問わずに「プロパー社員」と呼びます。
正社員に対して、派遣社員や契約社員など、会社で働く非正規社員と区別する呼び名です。
③自社の社員 業務委託や下請けのスタッフと区別する場合に、自社の社員を正社員・非正規雇用・アルバイトまとめて「プロパー社員」と呼ぶ。
業務委託で常駐している方と区別す呼び名です。
こうしてみると、「プロパー社員」という呼び方は、その会社で働く人の構成によって使い分けられているのがわかりますね。
代表的な「プロパー社員」の意味を表にしましたが、会社によっては「プロパー社員」にあたる別の言葉がある場合もあるでしょうが、どの意味でも間違いではありません。
プロパー社員のうち、①~④のいずれにも当てはまるのが、新卒入社の正社員である「プロバー社員」です。
確かに、日本企業においては、中途社員よりも新卒入社の社員が優遇されているということは珍しくありません。
例えば、昇進面においては、年次で一斉に上がることになっている制度になっている会社もあります。第二新卒や中途社員が入ることができるのは、同じ年齢でもその一段下からだったりすることもあります。
給与面においても、スタートの金額が違っていたり、部署によっては新卒からの生え抜き社員しか入れない部署もあったりすることもあります。言うなれば、私立学校で小学校から上がってきた人と、大学から入ってきた人の差のようなものが見えない壁として立ちはだかっている場合もあるのです。ただし、これはあくまでも会社によります。
転職する場合は、プロパー社員の割合が多く、優遇されているような会社を避けるのが無難かもしれません。
希望の会社に転職できたはいいけれど、プロパー社員と中途社員である自分との間に明らかな格差があったら、自分はそのまま差をつけられたままなのではないか?不安になるのも無理はありません。
実は筆者も、転職先で同じ年齢のプロパー社員とは、同じ業務をしているにもかかわらず、給与も昇進スピードも配属先も異なり、悔しい思いをしたことがあります。
会社に長くいると、「半沢直樹」のように、別部署にいる同期やそれまでの異動で培った社内の人脈を使って仕事をスムーズに進められるということもうらやましく感じていました。
筆者の実体験も交えた、プロパー社員の特徴としては以下のようなものがあります。
・愛社精神が強い
・新卒入社できたことを誇りに思っている
・同期のネットワークが強い
・社内での人脈ができあがっている
・経営層に近い部署に配属されやすい
・中途入社の社員は仲良くしても「外様」という意識
・新しい業務などを取り入れることに抵抗がある
新卒の競争率が高い企業ほど、新卒入社の方のプロパー社員はそのことを誇りに思っている傾向が高いです。それなりに長い期間の新卒研修を経て、同期会などもよくおこなわれるので、同期や社内の方とのつながりも強く、他部門の知り合いが多いため、社内の情報通だったりします。
また、会社によっては、広報や人事といった経営層に近い部署には、生え抜きの社員しか配属しないという不文律があったりします。
しかし、今まではその感覚でやってこれたとしても、めまぐるしく変わる社外の状況について目を背けているようでは、会社としての発展を見込むのは難しいのではないでしょうか。
転職してきた新しい社員を「プロパー社員」と同様に快く迎えてるかどうかは、その会社の社風がおおいに関係します。社員の構成比を調べるのは難しいかもしれませんが、転職エージェントを通すなどして、できる限り情報を調べてから転職する方が得策といえるでしょう。