残業代の計算方法は、給与計算の中でも面倒です。計算方法をしっかり知っておくことが必要です。ソフトやアプリを使ったりしながら残業代を計算しますが、それぞれの会社によって勤務体系が異なったりして複雑です。詳しい計算方法についてまず知って給与計算を楽にしてみませんか。
残業代の計算には残業の種類をまず知っておくことが大切です。
残業には、法定労働時間内の「法定内残業」と「法定外残業」があります。この違いによって、残業代の給与計算が異なりますので詳しくご紹介します。
労働基準法に書かれている「1日8時間、1週間40時間」という法定内労働時間がありますが、それを超える残業が「法定外残業」となっています。
それを超えない残業が「法定内残業」で、会社で決められた就労時間の例えば7時間を超えて1時間残業した分などが「法定内残業」となります。
2時間残業した場合、1時間は「法定内残業」、後の1時間は「法定外残業」としての計算が必要です。残業をした場合、「法定内残業」をした場合と「法定外残業」とは、計算方法が異なるため区別をする必要があります。
残業を考える際に、休日についても確認しておく必要があります。休日にも法定休日の考え方があり、労働基準法で週1日もしくは4週間で4日以上となっていて、会社ごとに就業規則などに記載されています。それぞれ残業の計算方法が異なりますので注意しましょう。
会社の就業規則に定められた休日の日に残業すれば、「法定休日残業」となります。通常の残業と異なり、休日の日に残業したことでより割増の残業代になるのがポイントです。詳しい割増率については、この後詳しくご紹介します。
残業代を計算する際には、時給を元にして計算します。その際に、月給制の場合には時給がわからないことが多いでしょう。月給の場合も、基礎賃金から時給を換算して計算することができます。
その際に、基本給とは少し異なりますので気を付けて計算しましょう。
基礎賃金とは何かですが、基本給から家族手当や通勤手当などの一部の手当てを差し引いたものです。
基礎賃金を就業規則で決まっている月の所定労働時間などで割って、時給計算を行います。1ヶ月の所定労働時間もしくは1年間の所定労働時間で時給を計算します。
時給=(月給-諸手当)÷1ヶ月所定労働時間
また、日給制の場合は、月給制の場合とは時給の計算方法が異なります。日給いくらという基本給から計算して1時間の基礎賃金、時給を出します。
こうして計算した時給を元に残業代の計算式は、
残業代=時給×時間外・休日・深夜労働をした時間×割増賃金率
となります。
時間外・休日・深夜労働の時間をそれぞれに計算して、個々の割増賃金率を掛けた金額が残業代になります。ここからは、それぞれの残業の計算方法をご紹介します。
時間外残業の場合、法定内の残業は通常の1.0倍の時給ですが、1日8時間、1週間40時間を超えた法定外残業の場合は25%の割増で計算します。
法定外残業の計算式は次のようになります。
・時間外労働で法定外残業では、時給×時間×1.25(25%割増)
さらに、法定外残業が1ヶ月60時間を超えてしまった場合は、大企業の場合などでは50%の割増率のアップ。加えて深夜労働の場合には75%割増になります。
また、休日労働の残業代の場合には法定内残業や法定外残業に関係なく、35%の割増率で計算します。
・法定休日労働の場合には、時給×時間×1.35(35%割増)
ただし、休日出勤をしても、休日出勤前に振替休日、代休が伝えられていた場合は、割増率はなくなります。後から代わりの休みを取った場合に、割増された賃金を受け取ることができます。
残業時間も夜遅くなると深夜残業となり、残業代が高くなります。深夜残業は、22時~朝の5時までで、残業を長くした場合は、残業時間を深夜残業とに分けて計算する必要もあります。
また、法定外残業の深夜残業と法定休日の深夜残業はさらに割増になりますので、その計算方法も知っておきましょう。
深夜労働の残業代の計算方法は次のようになります。
・22時~5時までの深夜労働では、時給×時間×1.25(25%割増)
・法定外残業の時間外労働で深夜労働の場合には、時給×時間×1.5(50%割増)
・法定休日の深夜労働は、時給×時間×1.6(60%割増)
ここで残業代の給与計算で、多い疑問についても触れたいと思います。残業代は何分から計算されるのかについてや管理職の場合についてご紹介します。
残業代が何分単位で付くのかは気になるところです。まずは就業規則で書かれているものを確認する必要があります。通常は、30分単位で計算されることが多く、会社によっては1分単位の場合もあります。また、1ヶ月の残業時間をトータルで計算して30分単位で区切ることもできます。
管理職など役職に就いている場合には、すでに給与の中にある程度の残業代が含まれていると見なされます。残業をしても給与計算には関係しません。ただし、深夜残業をした場合だけ深夜勤務の1.25倍(25%割増)で計算可能です。時間外残業の割増や休日出勤の割増はありませんが、深夜残業だけは計算できます。
ここまで見てきますと、残業代の給与計算は面倒だと思われる人も多いでしょう。そんな際に、残業計算をする給与計算ソフトやアプリでも企業向けにおすすめのものがありますので活用するのも一つの方法です。
「タブレットタイムレコーダー」は、タブレットで勤怠管理を行いそのまま計算できる低価格なアプリです。グラフなどで視覚的に従業員の勤怠管理ができ、残業比率などのグラムも見られて分析に役立ちます。
「ザンレコ」は、GPS機能なども活用することで残業の証拠が残せるアプリとしておすすめです。従業員のスマホ画面から残業請求ができるようになっているのもメリットです。様々なアプリがありますので、仕事の内容などによって残業を記録しやすく計算しやすいアプリを選んでみるといいでしょう。
また、自分で残業代の給与確認をしたいと思う場合にも、残業の割増率は複雑なため確認するのはなかなか大変です。アプリを使って自分の残業代を確認する方法もおすすめです。自分の残業代が正確に払われているのか心配な時はアプリで計算してみるといいでしょう。
「Keisan」アプリでは、法定外労働、法定休日、深夜労働などの残業に関する情報を入力しがあげるだけで残業代が計算されます。月60時間を超えている残業についても計算してくれます。
「残業代簡易チェッカー」などのアプリもあり、6つの項目で簡単に自分で残業代を計算できます。
エクセルシートでも、「給与第一」「給料ふえる君」などがあり、入力するのは大変ですがより正確な残業代の計算が可能です。
残業代の計算方法は、複雑となっています。同じ残業でも法定外労働、法定休日、深夜労働など様々な条件を確認する必要があり、正確に計算するのは大変です。
それぞれの内容をきちんと理解した上で、給与計算ソフトだけでなく、アプリも活用することで低価格で正確な計算が可能です。様々なソフトやアプリを活用してより正確な計算を心掛け、後からの確認もできるようにしてみるといいでしょう。