デジタル環境が劇的に進歩する現在では、「ヒト」に関わる業務は簡易化されます。一方、人事職は一見すると誰にでもできますが、AIにはできない対人能力や調整力が求められます。今回はAI時代に改めて注目される人事職について、未経験から臨む際の注意点や円滑な転職方法を紹介していきたいと思います。
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人事業務のベースにあるのは、組織として掲げる「人事計画」です。それを基本として業務を遂行するわけですが、タスクとしてざっくり分けると「採用」「教育/育成」「労務」「評価」の4項目(ミッション)に分けることができます。目指している皆さんには今更なことかもしれませんが、人事職に限らず、転職、特に未経験分野へチャレンジする場合、その内容を理解しないまま、最初に持ったイメージを引きずってこられる方が多い傾向にあります。そのため、ここでは改めて「人事って何?」を上記の4項目ごとに説明していきます。
その組織の新規雇い入れにかかる全般を担います。新卒等の定期採用をしているのであれば、管理層や部門からの過不足やニーズを聞き取り、部署や職種ごとに採用目標数を定め、求人内容精査と作成、(高校/)大学等)各学校廻り、各メディア登録/対応、合説企画/運営などなど。中途採用であれば、部署部門を中心にニーズを聞き取り、求人内容精査と作成、人材会社の選定と依頼、各メディア登録/対応。当然この後には、応募者管理(書類選考、面接、職場見学対応、選考段取り、及び内定者や採用者フォローなど)があり、いわゆる“入り口“を担当します。採用=デスクワークと思われがちですが全くそんなことはありません。トータルすると外出している時間の方が長いのではないかと感じます。
採用した人財の個人の資質に頼る時代ではありません。組織として掲げる(であろう)年間計画等に従って、目標に到達するためにどういう能力が必要か、そのためにはどんな知識や資格が必要か、それを得るためにはどうするか、それを誰に受けさせるか等々、いかに効率的に利益につなげるかを後述する評価とも絡めて設定し、それに基づいたカリキュラム企画/実施、現場/管理層双方からの意見も聞き取ったうえでのアフターフォロー、習熟度や資格の取得進捗管理につなげていきます。外部に委託しない(できない)内容に関しては自ら講師も務めます。
従業員の勤怠管理(出勤退勤/遅刻/欠勤/有休取得/時間外就業/シフト等)とその勤怠情報に基づいた報酬管理(給与/賞与/一時金/時間外手当等)、福利厚生に付随する各種手当管理、及び社会保険等の加入脱退手続きを担当します。アウトソーシングの活発化により現状もっともスリム化されてきているのが「労務」で、担当者はアウトソーシングの委託先とのやり取りが主業務になり、委託先は複数社である場合が多い為、自社従業員ではなく委託先を管理するのがメインになっていたりします。
働き方改革が謳われるようになり、近年急激に脚光を浴びてきのが「人事評価」です。従業員評価の面接/分析だけではありません。配置転換、昇進/降格、報酬査定、及び就業規則等諸規則に有機的につなげて制度や評価するシステムの見直し/改編/新規導入等を進め、日々アップデートしていくのが主業務です。従業員のモジベーション向上や能力向上にもかかわってくるため前述の「教育/育成」業務にも刺さっていきます。基本理念やVMV(Vision Mission&Values)とも深くかかわってくるためその組織の活動の根幹ともいえます。
人事の業務に限ったことではありませんが、未経験、または異職種からの転職にはそれなりのバックグランドがあります。人事業務の基本定義を理解したところで、そのバックグランドが何なのか、目指す自分自身を振り返ってみてください。
「この業務をなぜ自分は志望しているのか?」
「どこに魅力を感じているのか?」
「興味を持ったきっかけは何なのか?」
自分では漠然と分かっていても言葉として表現するのって難しいですね。でも、これを表現できない限り、相手には伝わりません。以下は人事職未経験の方々の目指した理由やきっかけ、いわゆる「志望動機」、の例文です。自己PRの要素も含まれています。ご自身の振り返りの参考にしてください。
貴社人事職を志望した理由は「人財は会社の宝」という理念に共感したからです。
個別指導塾で年間計50名ほどの中学生を希望校合格へ導きました。学習指導はもちろんのこと、生徒とのコミュニケーションやモジベーションを保ち、目標に向けた学習進捗を個別に管理していくことが求められ、生徒の能力を最大限に発揮できる環境を作るのがミッションと捉えて仕事をして参りました。、(中略)環境次第で人は変わります。人次第で仕事の成果は変わります。人が成果を出しやすい環境作りは塾にも企業にも必要なことであり、会社の宝を育成する重要なファクターと思っています。「育成」という自分の引き出しを武器に貴社の理念に貢献したいと考えます。
現在、ITサービスのセールスとして就業しております。企業訪問をするうちに「ここをこうすればもっとお客様のニーズにこたえられるのでは…」、「もっと会話ができていればくみ取れたのでは…」といったコミュニケーションと企画精度の問題に多くぶつかりました。ITとはいえ、最終的にはヒトに関わることがほとんどだったため、ここで人に関わる仕事=人事職に興味を持ちました。セールスはサービスを販売するための仕組みや情報分析をして提供しますが、人事は人が仕事をするためのパフォーマンスを向上する仕組みや情報分析をして提供します。現職場にも人事部署はありますが、恥ずかしながらこれまで全く意識しておらず、興味を持ち始めてからは、見る方向は違っても同じ流れで仕事をしているのだと感じ、未経験職種ではありますがこの職種に自分の役割はあるものと考え、応募いたしました。
現職で転職をサポートするコーディネーターを担当しており、その経験を活かして採用や教育に携わりたいと考え、貴社を志望いたしました。(中略)これまで数百名の転職希望者を担当してきた経験から人材を見定める目には自信を持っております。今後は貴社の理念や方針に関する理解を深め、貴社にマッチする人材を発掘できるように努力するとともに、人材教育も意欲的に行っていきたいと考えております。
誤解を恐れずにいうと、採用側が経験のない応募者と対応する場合、いくら自己PRされても正直ピンとはきません。過去の栄光、過去の自慢話だからです。過去にどれだけ売り上げを上げても、素晴らしい商品の開発をしてきてもそれは過去の実績です。実績をそのままお話しされても「だから何?」に行き着くわけです。絡めてほしいのはその実績をどう活かそうと思っているのか、またはなぜその実績を未経験の人事職に活かそう(活かせる)と思ったか。要は「志望動機」に最大の興味を傾けます。
皆さんが人事職を希望して応 募した場合、対応するのは正にその人事職の人である場合が大半です。目の前にいる人事担当者の話し方やメール文章の精度、連絡の密度、質問への解答精度等、逆に値踏みしてみてください。その人を上司に持つかもしれない、その人と同じレベルの仕事をするかもしれない、面接する前から大体のレベル感は理解できると思います。別職種だとこうはいきません。
人事職の業務内容、未経験から臨む際の注意点等をお伝えしました。採用側としては皆さんのバックグランドが何なのかがわからない部分であり、知りたい部分です。人事当事者の気づかない、未経験だからこそ気づくことでもあるからです。人事業務をどう捉えられているか聞きたいし、気づかせてほしいと常々思っています。ゆえに未経験だからといって全てがダメとは考えていません。
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