一昔前は「役員」といえばその会社でたたき上げの人材がほとんどでした。しかし、最近はより優秀な経営者を求めて、企業が社外から役員を招くことは珍しくありません。また、ベンチャー企業などでは、公認会計士の資格を持つ方がCFOになるなど、専門資格と知識を生かした転職が年齢を問わずに見られるようになってきました。キャリア構築の目指す先ともいえる経営への参画。本記事では役員として転職するにあたっての必要なことをご紹介します。
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役員として転職希望をするにあたり、役員とはどういう存在なのか、社員とは何が違うのかを軽くおさらいしましょう。
社員であれば、会社と雇用契約を結び、労働の対価として給与をもらう関係です。
しかし、同じ会社であっても、会社の経営を担う存在である役員になった時点で、労働基準法上の「労働者」ではなくなり、社員としてはいったん退職し、取締役として委任契約を締結しなおします。
役員の委任契約については、株主総会にていつでも解除が可能です。また、その報酬についても株主総会による支払決議がなされない限りは支払われません。
いずれにしても、従業員として契約するのとは異なるということを前提にしています
役員の契約や報酬については以下の記事でも解説しています。
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大企業では何十人も役員がいるところもありますが、通常であれば役員の数は少なく、多くて数名というところが大半でしょう。
つまり、なかなか役員になれる人はいません。経験者が圧倒的に少ないのです。役員の経験があることは確かに転職活動を有利にしますが、必ずしも必須ではありません。
ただ、管理職でのマネジメント経験については高い確率で求められます。
法務部門などを統括する役員であれば弁護士だったり、CFO(Chief Financial Officer/最高財務責任者)に関しては、公認会計士・税理士など専門資格がある方が有利でしょう。
「役員 転職」「エグゼクティブ 転職」などで検索すると、多くの求人がヒットすることからもわかるように、優秀な役員を登用したいと考えている企業は増えています。
オープンで募集がなされるのは、実は氷山の一角とも言われ、実はクローズでの募集の方が多いのが実情です。
例えば、従業員がネットで役員を求人を見つけたら、経営に対する不安を与えるのではないか?というような配慮もあり、役員同士の人脈や、転職エージェントなどを介して、水面下で話が進むことが一般的なのです。
特に最近では、中小企業の業務承継が問題になっており、役員を必要としている企業の数は想像よりも遙かに多いのが現状です。
役員報酬については、その企業によって全く異なります。
大手や外資系などで、役員報酬○億円!というようなところもあれば、数百万円と、大手企業の社員並みのところも珍しくありません。
日本の企業で多くを占める中小企業では、平均的な役員報酬は600万円程度と言われています。
役員は、従業員としては働くのとは異なり、会社の経営に責任を持つ立場です。
そのため、報酬度外視で経営参画する方もいれば、1つの会社の報酬は少なくても、複数の会社で社外取締役を兼任し、それぞれの会社から報酬をもらうというパターンで復業をこなしている役員もいます。
役員は会社の経営に携わるポジションのため、その会社の機密事項を知ることができる立場にあります。
そうした情報をもってライバル会社に転職などされたら、自社にあたえる損害も大きいため、役員就任時に委任契約と共に「競業避止契約」を結び、情報流出を防いでいる会社も少なくありません。
これは、役員だけでなく、会社のメイン業務の研究開発などにかかわっていたメンバーなどの一般職員も該当するため、会社によっては入社時に雇用契約の中にそうした条項を盛り込んでいる場合もあります。
転職する際には、自身の雇用・委任の契約の詳細についてあらかじめチェックしておきましょう。
競業避止義務については以下の記事でも解説しています。
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役員の転職活動は、クローズの環境でおこなわれることが圧倒的に多いです。
表だって募集されない求人を見つけるのは、転職エージェントが役立ちます。
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