給与計算実務能力検定とは、給与計算業務の知識や実務能力について測定する資格で、給与計算とこれに関係するいろいろな手続きについての知識を、体系的にマスターすることができます。
本記事では給与計算実務能力検定の難易度や実際の合格率・取得のメリットについても解説していきます。
給与計算実務能力検定試験は、企業・組織に不可欠な給与計算業務について、その知識・実務能力を客観的に判定し、給与計算業務のエキスパートとして認定する検定試験で、内閣府認可の一般財団法人職業技能振興会と一般社団法人実務能力開発支援協会で実施しています。
どんな会社や団体でも給与計算は行われています。給与計算業務を正しく行うには、社会保険の仕組みや労働法令、所得税・住民税等の税法等に関する幅広い正確な知識が必要不可欠となります。この検定を取得することでこのような幅広い知識に精通していることとなります。
以下では給与計算実務能力検定について詳しく解説していきます。
2級…3月と11月
1級…11月のみ
次回の試験日時は以下の通りとなります。
【試験日時】2025年3月16日(日)
2級試験 14:00~16:00
WEB出願締切
2025年2月10日(月)
23:59まで
郵送での出願締切
2025年1月31日(金)
(当日消印有効)
特になし
北海道、宮城、栃木、埼玉(2会場)、千葉、東京(2会場)、神奈川(2会場)、新潟、石川、長野、静岡(2会場)、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、香川、福岡、長崎、熊本、大分、鹿児島、沖縄
2級…8,000円
1級…10,000円
2級のレベルとしては、基本的な給与計算ができ、明細を作ることができるレベルです。ただし年末調整といった複雑な業務は範囲外となっています。
試験形式は試験時間が120分、出題される問題は全40問マークシート式で、うち35問が知識問題、5問が計算問題です。(知識問題70点分、計算問題30点分)合格に求められる点数は70点以上とされています。
一般的な難易度としてはやや易しめです。
一方で1級のレベルとしては、税務や労働法令に関する知識が試されるだけでなく、給与体系のイレギュラーなものなどへの対応など、社会保険や年末調整、税務というような給与計算関係の全ての仕事に精通しているレベルとされています。
試験時間は2級と同じで120分、出題される問題は30問のマークシート式の知識問題、10問の記述式の計算問題のトータル40問です。(知識問題60点、計算問題40点分)合格に求められる点数は70点以上かつ計算問題での正答率が60%以上であることです。
一般的な難易度としては普通レベルです。
給与計算実務能力検定を主催する一般社団法人実務能力開発支援協会の公式サイトによると、想定している合格率は2級が60〜70%、1級が40〜50%となっています。
実際の合格率を見てみましょう。
・2級
・1級
上記の表を見てみると、給与計算実務能力検定2級の合格率は約70%で、1級の合格率は約50%であることがわかります。これより合格率は、他の資格や検定に比べて比較的高いことが分かるのではないでしょうか。
給与計算実務能力検定2級の合格に必要な勉強時間は50時間といわれています。1日2時間取れれば1カ月で合格できるので、取得しやすいでしょう。また、1級の合格に必要な勉強時間は、2級の勉強にプラスして50〜100時間といわれています。この検定は1年間に何度も行われているわけではないので、逆算しながら計画を立てることが重要となっています。
では給与計算実務能力検定を取得するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?一つずつ見ていきましょう。
組織において給与計算のスキルは必要不可欠なものです。特に、管理部門の労務や経理などにおいては、直接実務に結びつきます。資格を取得することで客観的に自身のスキルを証明できるようになるため、採用担当者から人事労務業務のプロとしてプラス評価されるので、このような職種に転職したいと考えている人にとってはメリットになるでしょう。
給与計算業務の経験がある人材は、需要が高く、求人が全国各地であります。会社の管理部門の経理や人事というような職種だけでなく、事務員として社会保険労務士事務所で仕事をする方法もあります。
受験勉強を通じて体系的な業務知識がマスターできるので、給与計算関係の業務を行っている人はスキルアップができます。ただ会社で給与計算業務をしているだけでは給与計算ソフトでただ数字を打ち込んでいるだけで、その背後にある知識などを身につけることができないケースもあります。
検定の合格を目指すにあたって幅広い知識をインプットすることで、より一層のスキルアップが見込めるでしょう。
さらに、税法や社会保険についても学習できるため、相性は別の資格ともいいでしょう。
ここでマスターした知識が、難関国家資格である社会保険労務士などの学習にも役に立ちます。このような難関の国家資格を将来的に取得することができれば、開業も夢ではありません。
給与計算実務能力検定は、ニーズが高い資格でありながらも、そこまで難易度は高くありません。そして検定を取得できれば、大きなアピールポイントとなるのです。そのため、子育てなどを理由に一時的に仕事から離れていた人が復帰をしたいと考える際に、とても有利に働く資格のひとつといえます。さまざまな企業が給与計算実務能力検定を取得している人材を求めているので、時短勤務が可能な会社を選ぶ、保育園に近いエリアの会社を選ぶなど、多少こちらが強気に出ても就職活動がうまくいく可能性があります。
オススメのテキストは「公式テキスト」1択です。この検定を作成している実務能力開発支援協会がこのテキストを使うことで独学で合格可能であるとしています。ですが、自信のない方は公式が出している講座を受講することもよいでしょう。
また、いきなり1級を目指したいと考えている方もいるかもしれません。確かに、1級の検定は年に1回しか開催されていません。そういった方は、2級との同時受験をオススメします。日程は同じですが、時間帯がずれているため同時受験をすることができます。
今回は給与計算実務能力検定の難易度について解説してきました。この検定は社会的ニーズが高い資格の一方で、合格率は経理系の資格の中では高く、取得しやすいコスパの高い資格といえるでしょう。初心者でも給与計算実務能力検定の中の2級は取得しやすく、給与計算業務を経験した人であれば学習が短期間でも合格を十分に狙えます。
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