公認会計士試験合格者が就職で考えておくべきこと

長い試験勉強を終え、無事、公認会計士試験に合格して、ほっと一息ついている方も少なくないでしょう。しかし、公認会計士試験合格者になったからといって、まだ安心はできません。なぜなら、公認会計士合格者は“監査法人に就職した後の過ごし方”がとても重要だからです。今回は、公認会計士試験合格者がキャリアアップを図るための、就職に向けて実践していきたいポイントをご紹介いたします。

• 4大監査法人は、公認会計士試験合格者にとってチャンス
  • 忙しい分、経験がいろいろな経験が積めるメリットも
  • 4大監査法人は福利厚生も充実
• 公認会計士試験合格者が身に着けておきたい3つのスキル
  • 人脈
  • 英語
  • 修了考査に合格しておく
• まとめ

4大監査法人は、公認会計士試験合格者にとってチャンス

公認会計士試験に合格したら、多くの公認会計士が監査法人に就職します。
4大監査法人と言われている「あずさ監査法人」「新日本有限責任監査法人」「有限責任監査法人トーマツ」「PwCあらた有限責任監査法人」も、公認会計士合格者は比較的就職しやすい状況です。4大監査法人は、業務内容が激務になることも多いですが、大手クライアントを相手にし、やりがいを持って働けるでしょう。

忙しい分、経験がいろいろな経験が積めるメリットも

4大監査法人は、従業員同士顔も名前も分からないというケースが少なくないほど働き手が多く大規模なため、その分クライアント数も膨大となります。こなさなければならない案件もかなり多いですし、繁忙期は特に忙しさが増します。

しかし、多くの案件をこなせるということは、それだけいろいろな経験を積めるということです。さらに、近年は監査法人業界の景気が上がったことにより、公認会計士の人手不足が深刻化しています。そのため、試験合格者にもどんどん仕事を振り分ける傾向があり、若手だからこそ積極的に経験が積めるメリットもあるのです。
数年後、公認会計士としてキャリアアップをするために、与えられた仕事はどんどんこなして経験を積んでいきましょう。

4大監査法人は福利厚生も充実

公認会計士試験合格者が今後のキャリアアップを見据えて仕事をしていくのに、必ずしも4大監査法人を選ぶ必要はありません。規模が小さくクライアントとの距離が近い中小監査法人にも、もちろん働くメリットはたくさんあります。

しかし、将来の転職を成功させるために4大監査法人をおすすめするのには、「福利厚生が充実している」という強みがあるからです。公認会計士合格者が今後のスキルアップを図るには、ただ真面目に仕事をしているだけでは実現できません。先のキャリアをしっかりつかむには、監査法人で経験を積む以外にも、自主的に他のスキルを身に着けて、他の公認会計士と差をつける必要があるのです。

ですが、そのためには安定した生活を送り、自分や家族が健康でいられること大前提となります。福利厚生がしっかり整っている4大監査法人なら、仕事をしながら他のスキルも身につけて行く余裕が得られるメリットがあるのです。

＜関連記事＞

公認会計士試験合格者が身に着けておきたい3つのスキル

4大にしても中小にしても、監査法人に入って経験を積み、いずれは転職をしたいと思っている人は、以下3つのスキルを身に着けておきましょう。スキルを習得しておくこと、他の公認会計士と差がつき、就職活動時に有利になります。

人脈

公認会計士試験合格者の転職先はさまざまです。
しかし、自分が望み、より昇進や昇格が期待できる場で活躍するためにも、若いうちから人脈を広げておくことは大きなメリットとなります。人脈はビジネス関係だけにとどまらず、他業界の友人や知人でもかまいません。人脈というものにとらわれすぎず、いろいろな情報を人づてにゲットできるような間柄も良いのです。また、特に親しくなった人とは、キャリアを積んだ後にビジネスで関われる場合もあります。監査法人だけに限らず、いろいろな場で友人・知人をつくり、人脈を広げましょう。

英語

最近は英語力があることが特別秀でたスキルではなくなってきています。反対に言うと英語が話せないということが、欠点となってしまうこともあります。大手監査法人などグローバルに仕事を展開していくためには、英語力が必須となります。公認会計士試験合格者になってすぐは、英語力の有無による差がビジネスにおいてあまり出てきません。しかし、ある程度キャリアを積んでいったときに英語力があるかないかで大きな差がついてきますので、若手のうちから英語の勉強をしておきましょう。

修了考査に合格しておく

公認会計士試験に合格した後も、正式に公認会計士として登録し仕事をするためには「終了考査試験」を受けて合格しなければなりません。
5科目を2日間にわたって試験を行うハードなものですが、合格率は比較的高めとなっておりますので、ぜひ試験勉強をして合格資格をとっておきましょう。
将来独立を考えている方は、修了考査に合格した後「会計士登録」をしておくことで、キャリアの幅も広がります。

まとめ

以上、公認会計士試験合格者が就職において考えておくべき点について解説しました。合格者は4大監査法人に入る方が大半ですが、その後に転職するケースも増えてきています。どうしても日常業務に追われてしまうと思いますが、ふと立ち止まって将来のキャリアをしっかりと描きながら、今どんなスキルを身につけておくべきか考えておくと良いでしょう。