IPO準備会社は、他では味わい難い経験ができることから、転職先の選択肢として注目を集めています。今回はそんなIPO準備会社で働くメリットやデメリットを解説します。上場準備企業の中からどんな企業を選ぶのがいいのか、どのような人材が求められているのかについても紹介していきます。
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IPO準備会社と言っても、まだまだ上場まで時間がかかる会社から、上場直前の会社まで様々な種類があります。また、金銭的な条件についても、IPO準備フェーズや業種によって異なります。
いわゆるユニコーンと呼ばれる企業は、成長性が高くエキサイティングな仕事をしたい方にお勧めです。クラウド会計のFreeeや名刺管理サービスのSansanはユニコーンのままIPOしました。成長性が高ければ高いほど、従業員数の拡大スピードも速く、新しいポストも空きやすくなります。また、成長性の高い企業でストックオプションを支給される場合などは、多額の株式売却益を得られる可能性が高まります。
IPO準備会社は上場会社と比べて財務基盤も弱く、一度経営が傾いた際には破綻してしまうリスクもあります。転職する際に、安定性も重視したい場合には、会社規模はもちろんのこと、差別化できる強みを持っているかどうかを確認しておくべきです。独自の技術などを持っているIPO準備会社は市場競争に巻き込まれづらくお勧めです。
IPOの達成をできるだけ早く味わいたい方は、IPO直前の企業で働くのがオススメです。
しかし、IPOをするタイミングについては事前に公表されているわけではないので、IPO直前の企業を様々な情報から見極める必要があります。
それでは、どうすれば上場直前かどうかを把握できるのでしょうか。
IPOをする際には、市場進出や新規事業の開始に伴う初期費用の発生、また事業拡大による運転資金の増大の影響で、大きな金額の資金調達が必要になります。その履歴である資金調達履歴で、過去に何度も資金調達をしており、かつシリーズD、シリーズEといった資金調達ラウンドであれば、IPOに近いと言えるでしょう。
IPOをするには監査法人や、証券会社の公開引受部門との折衝、社内管理体制の整備、上場準備書類の取りまとめなど、多くの対応が必要になり、それを社内で統括するのが上場準備責任者です。このポジションの有無によっても上場のフェーズが把握できます。
IPO準備が始まると同時に監査法人がショートレビューという予備調査を行います。まずこれが行われているかどうかでも、準備の段階が分かります。またショートレビューが実施された企業の中でも、レビューの指摘事項の多さや重さの程度によって、上場までの道のりが推測できます。
IPO準備会社に転職することで得られるメリットはほかの会社では味わいにくいものばかりです。主なメリットを3つ紹介していきます。
IPOができる会社の共通点は、社内に熱気や活気があることです。上場企業にありがちなドンヨリした空気があっては上場などすることはできません。熱気をもって一生懸命仕事をし、その分成長したい方には大きなメリットとなります。
IPOできる会社は、年に100社~200社程度です。日本には数多くのスタートアップがありますが、実際にIPOできる会社は限られているのです。IPO準備会社に転職し実際にIPOを体験することができれば、一生にあるかないかのことであり、得難い体験となること間違いなしです。
転職後、ストックオプションをもらえることができれば、上場した際に多額の株式売却益が手に入る可能性があります。ただし、転職してすぐにストックオプションが付与されるケースは稀で、継続して勤務することなどが付与の条件として付されることが通常です。そのため、ストックオプションによる報酬を狙うのであれば、IPO直前期の会社よりも、少しIPOに時間がかかる会社の方がお勧めです。IPO準備会社にすぐに転職し、継続勤務し、高いバリュエーションによりIPOされれば、一攫千金も夢ではありません。
IPO準備会社に転職することで、上記のとおり、大きなメリットを享受できる可能性があります。一方で、IPO準備会社ならではのデメリットも見逃せません。メリットとデメリットをよく検討したうえで、IPO準備会社への転職を進めるようにしてください。
IPO準備会社は、上場企業に比べて資金力が弱く、儲けも多くはありません。そのため、人件費に多くの予算をかけることができません。そのため、必然的にベース報酬は低く設定されるケースが多くなります。
IPO準備会社といえども、例えば新型コロナウィルスのような有事の際は、大きな影響を受け、追加の資金調達ができなければ破産に追い込まれるリスクがあります。安定的な雇用を望むのであれば、デメリットの方が大きいため、IPO準備会社への転職は基本的にはお勧めできません。
IPO準備会社に転職したのは良いものの、実際にIPOできる保証はどこにもありません。IPOできない場合は、低成長のまま経営を続ける、他企業にM&Aされる、破産してしまうといった選択肢がありますが、IPOを比べるとどれもハッピーではありません。どの企業も転職面接の際には、IPOに自信を持っていると言われるかもしれませんが、自分の目で確かめてIPOの可能性を冷静に見極めるようにしましょう。
IPO準備企業は事業の拡大と企業の管理体制の整備を、同時かつ猛スピードで行っています。ですので、バックオフィスとよばれる管理部門にもフロントオフィスと呼ばれる事業部門にも、ニーズにマッチした人材をどんどん増やしたいのです。では、IPO準備企業はどんな人を求めているのか、各部門ごとにで見ていきましょう。
上場前企業の管理部門は未経験の社員が担当していることも多く、上場企業に比べると管理体制がもろいことがあります。また、企業としても上場に向けて事業を成長させていくことを優先すべく、管理部門の採用が後回しになってしまいがちです。
ですが、管理体制が整っていないと担当の監査法人や証券会社からのゴーサインが出ないので、結果的には上場が遠のいてしまいます。そんな中、管理部門の経験者、特にIPO準備から達成までの経験を既にしている方はどのIPO準備企業も喉から手が出るほど獲得したいと思っているのです。
事業部門では同業種の経験よりもポテンシャルを重視することが多いです。経験はなくても、未来のリーダーを担えるような人柄や、数字にコミットできると判断できる経歴がある人を特に求めています。また、会社の成長とともに自分の成長が感じられる反面、ハードワークになることにも懸念が無いかは重視しています。
いかがでしたでしょうか。
IPO準備企業はそこでしか味わえないやりがいやメリットがあります。全ての方にマッチしているとは言えないかもしれませんが、もし興味があるなら一度は働いてみるのをオススメします。
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