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社会保険労務士試験対策。雇用保険法は苦手?その理由と攻略法!

HUPRO 編集部
社会保険労務士試験対策。雇用保険法は苦手?その理由と攻略法!

社会保険労務士試験の受験科目で雇用保険法は、平均点が高い割に苦手という人が多い科目です。理由として、用語が難解なことと暗記すべき数値が多いことが挙げられますが、それだけでしょうか?雇用保険法が苦手な理由とその攻略法を解説します。

雇用保険法の平均点と得点目標

最初に、過去の雇用保険法の平均点を見ていきましょう。

科目別の得点状況(平均点)

過去5年間の科目別得点状況をみると、雇用保険法の平均点は労働基準法と労働災害保険法に次いで3番目に高い点数となっています。社会保険の科目より平均点は高いが、労働保険の科目の中ではやや低めです。

雇用保険法の平均点と得点目標

雇用保険法の得点目標

社会保険労務士試験の得点目標は、最低でも総得点の65%、出来れば70%です。雇用保険法は基本的な問題が多く苦手を克服できれば高得点が狙えますので、試験では70%以上の得点を狙っていきたいところです。

雇用保険法が苦手な理由は?

雇用保険法が苦手な理由は、次の通りです。

・雇用保険法で使われる用語が難しい
・雇用保険法は暗記すべき数値が多い
・雇用保険法の全体像が見えにくい

雇用保険法で使われる用語が難しい

苦手な理由の1つ目は、用語が難しいことです。主な原因は次の2つです。

よく似た用語が多い

雇用保険法ではよく似た用語が多く使われているため、早く慣れないと混乱して学習が進みません。たとえば、「被保険者であった期間」「被保険者期間」「算定対象期間」「算定基礎期間」「支給単位期間」などです。用語だけでなく意味と計算方法も理解しなければいけないので、用語をしっかり区分して理解する必要があります。

用語の数が多い

覚える用語の数が多いことも、雇用保険法の特長です。雇用保険法学習のメインとなる失業等給付だけでも20種類以上の給付があり、すべてが出題の可能性があるため手を抜くことができません。

雇用保険法は暗記すべき数値が多い

苦手な理由の2つ目は、雇用保険法は暗記すべき数値が多いことです。失業等給付の支給要件と、支給される給付金だけでもかなりの量になります。用語の理解が曖昧なまま数値だけを暗記しようすると、混乱に拍車がかかることにもなりかねません。

雇用保険法の全体像が見えにくい

苦手な理由の3つ目は、雇用保険法の全体像が見えていないことです。数多くの給付金を学習するために、学習単元が細分化されているためです。失業等給付を、整理・分類せずに用語と数値を暗記するのは非効率で、学習も嫌になるでしょう。

雇用保険法の攻略法

雇用保険法の攻略法は、次の3ステップです。

体系化(整理・分類)して全体像を理解する
「誰がどんな種類の給付を受けるのか」を中心に条文を理解する
重要な数値を優先して暗記していく
(全科目共通)過去問を中心に学習する
雇用保険法の攻略法

体系化(整理・分類)して全体像を理解する

最初にすることは、雇用保険法学習の中心となる失業等給付の体系化(整理・分類)です。
20種類以上ある失業等給付を給付の目的別、対象別に分類します。

まず目的別に、失業者の生活を守るための「求職者給付」、失業者の就職を支援するための「就業促進給付」、全労働者のスキルアップを目的とした「教育訓練費」、現在仕事をしている人の雇用を守るための「雇用継続給付」の4つに分類できます。

次に対象別に分類します。たとえば、求職者給付の場合は「一般の失業者」「65歳以上の失業者」「短期雇用の失業者」「日雇い労働の失業者」に分類します。

求職者給付

・一般被保険者 
1 基本手当(延長給付)
2 技能習得手当(受講手当・通所手当)
3 寄宿手当
4 傷病手当

・高年齢被保険者
5 高年齢失業等給付

・短期雇用特例被保険者
6 特例一時金

・日雇労働被保険者
7 日雇労働者失業等給付(普通給付・特例給付)

就業促進給付

・就業促進手当
8 就業手当
9 再就職手当
10 就業促進定着手当
11 常用就職支度手当

・移転費
12 移転料・着後手当

・求職活動支援費
13 広域求職活動費
14 短期訓練受講費
15 求職活動関係役務利用費

教育訓練費

16 教育訓練給付金
17 教育訓練支援給付金

雇用継続給付

・高年齢雇用継続給付
18 高年齢雇用継続基本給付金
19 高年齢再就職給付金

・介護休業給付
20 介護休業給付金

・育児休業給付
21 育児休業給付金(※)改正により失業等給付から分離

雇用保険法の条文を読むと上記のように分類されてますが、市販のテキストでは「基本手当」を1単元として、その他を2-3単元に分類されることが多いため、テキストの単元ごとに各給付を分類して学習すると、全体像が見えませんので注意しましょう。

制度の全体像が分かれば、求職者給付の「②技能習得手当」と「教育訓練費⑯教育訓練給付金」の違いなどが、明確になります。

「誰がどんな種類の給付を受けるのか」を確認しながら条文を理解する

全体像をつかんだうえで、各給付の条文の理解を図ります。気をつけるのは、給付の目的と対象を意識しながら学習することです。「誰がどんな種類の給付を受けるのか」を確認しながら条文を理解することが、ポイントです。

重要な数値等を優先して暗記していく

最後は数値等の暗記になりますが、重要な数値等を優先して暗記していくことが重要です。一度に覚えようとしてもボリュームが多く、他の学習にも支障が出ます。試験までに少しずつ覚えれば大丈夫ですし、結果的に学習効率も高くなるでしょう。

優先して暗記するのは、「被保険者の区分」「基本手当の受給要件」「基本手当の日額と所定給付日数」などです。

(全科目共通)過去問を中心に学習する

全体像の把握と条文の理解が一通り終わった、次は過去問に入ります。数値などの暗記は、過去問と並行して進めていきましょう。

過去問は少なくとも3回以上は繰り返します。何回繰り返しても間違うところは同じなので、出来るところと出来ないところが明確になります。

まとめ

社労士試験合格に向けた雇用保険法の目標は、総得点の70%以上です。苦手を克服できれば高得点が狙える科目です。

雇用保険法が苦手な理由は、用語が難解なことと暗記すべき数値が多いことのほかに、制度の全体像が見えていないことです。制度を体系化して理解するために、給付の目的と対象を意識して学習を進めましょう。
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この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験

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