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給与計算は経理の仕事?総務や人事で行う場合も

HUPRO 編集部
給与計算は経理の仕事?総務や人事で行う場合も

お金にまつわる計算は全て経理部で行うようようなイメージがありますが、給与計算はどうなのでしょうか?本記事では、給与計算がどの部門で行われるかについて解説していきます。

給与計算とはどんな仕事?

従業員の給与支給額を計算する給与計算。計算だけしているようなイメージがありますが、実際には法律や雇用契約にまつわる就業規則などの知識も必要な緻密な業務です。
具体的には以下の流れで業務を行います。

(1)残業代や各種手当を基本給に加えた総支給金額を計算
(2)税金や社会保険料などの控除額を計算
(3)(1)から(2)を指し引いて手取り金額を計算
(4)賃金台帳や給与明細などを作成
(5)従業員への給与振り込み
(6)社会保険料や源泉徴収税などの納付

「計算」といっても、計算業務については、現在は会計ソフトがやってくれることがほとんどですが、手当や税金、社会保険料は従業員ごとに金額が異なりますので、きちんと間違わないように入力、チェックする必要があります。
どの工程でもミスが許されない、正確な対応が求められる業務です。

給与計算に関わる部門とは

給与計算において、必要な業務を担当する部門は主に以下の3つの部門です。会社によって担当業務は異なることがありますが、一般的な例を示します。

(1)経理

お金にまつわる全般の業務を行うのが経理業務。会社の予算策定から決算、社員の立替精算、そして給与振り込みも経理の仕事とされることが多いです。

(2)総務

給与を計算する元になる勤怠管理。残業などの時間数によって給与は大きく変わります。また、社会保険などを含む労務管理を行うのは福利厚生業務を担う、総務の仕事である場合が多いです。

(3)人事

給与の元となる基本給や報酬の金額を決める人事規定。毎年の人事考課により昇進・昇格が生じれば、翌年の給与も変わります。
また、転勤や引っ越しがあれば住宅手当や通勤手当の金額が変わることも。
こうした人事データの管理は人事担当の仕事である場合が多いです。

給与計算をどの部署で行うかは会社によって違う

給与計算にまつわる業務は経理・総務・人事でそれぞれ分けて担当していることが多いため、給与計算自体をどの担当で行うかは会社によって異なります。
以下に各担当が行う場合を解説しましょう。

(1)経理で行う場合

経理部、人事部、総務部といった部門が別れておらず、人事労務全般を同じ部署で行っている場合、給与計算も経理が行うことがあります。
しかし経理部と人事や総務部門が別れている場合、よくあるケースとしては、計算は別部門で行い、以下の支払における業務、つまり出納を経理で行うというのが一般的です。
その場合は、経理部門では以下の業務を担当することになります。
・総務や経理部門で計算された給与について各従業員の口座に振り込む
・各種税金や社会保険料などをそれぞれ税務署や社会保険事務所に支払う

(2)総務で行う場合

勤怠管理を含めた労務管理全般が総務の仕事となっているような会社では、給与計算を総務担当が行うことがあります。
この場合も振込みは経理担当であることが多いです。

(3)人事で行う場合

社会保険などの福利厚生を人事部門が担当しているような場合、給与計算を人事担当が行うこともあります。
総務で行う場合と同様、この場合も振込みは経理担当であることが多いです。

給与計算業務は需要が高い仕事

給与を間違いなくきちんと支払うためには給与計算の業務が不可欠です。
給与計算は「給与計算実務能力検定試験」という資格があるほど、専門的な知識とスキルが求められる仕事となっています。

参考:給与計算実務能力検定1級2級の勉強方法を紹介!

給与計算は簿記全般の知識が広く求められる経理業務の中でもある意味ニッチな業務です。が、給与の支払いはどの会社にもあることと、近年は労務管理をアウトソースするための専門会社もあることから、需要は高い業務といえます。
また、所得税や社会保険の知識が身につくため、その後の転職にも役立つ業務経験です。

給与計算の担当者になりたい場合はどの部門に応募すべき?

給与計算の担当者になりたい場合は、どの部門の募集に応募すべきなのでしょうか。
会社によって給与計算の担当業務がまちまちで、募集要項にはっきりと「給与計算」と書いてあれば応募はしやすいですが、そうでないことも多いものです。
というのも、人数の多い大企業であれば、給与計算だけ専門の業務として行うこともありますが、基本的には経理業務+給与計算や、労務管理の一環として経理業務を行うことがほとんどでしょう。

あるいは、給与計算をアウトソーシングで受注している労務管理の会社の求人に応募するという手もあります。
給与計算の基本的な入力業務については、経理の日次業務と同様に未経験者でもチャレンジしやすい業務なので、これから人事労務関連や経理業務全般に携わりたいという方にもおすすめの職種です。

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