士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

給与計算実務能力検定の独学勉強方法や勉強時間、いきなり1級など

Hupro Magazine編集部 剱持
給与計算実務能力検定の独学勉強方法や勉強時間、いきなり1級など

給与計算実務能力検定試験は、企業や団体における経理や総務や人事で求められる幅広い能力を測るためのものです。

この給与計算実務能力検定が取得できれば、就職や転職の際に有利になるでしょう。

本記事では、給与計算実務能力検定の勉強方法と検定の具体的な概要について解説していきます。

給与計算実務能力検定とは、どのような資格?

給与計算実務能力検定とは、内閣府や一般社団法人職業技能振興会が認定した試験です。

多くの資格は、取得をしても専門分野以外でアピールすることが難しいものですが、給与計算はどのような業種であっても行う業務なので、さまざまな企業に対しての就職や転職に有利になります。

給与計算実務検定は、単に給与計算ができることが証明される資格ではありません。この資格の内容には、給与計算の仕組みから、労務コンプライアンスに渡る幅広い知識が含まれています。

そのため取得できれば、企業で起こり得る予期せぬトラブルを防ぐことができるうえ、無知ゆえに引き起こすミスなども避けることができ、企業のリスク管理に貢献できる人材といえます。つまり、経理部門のみならず、総務でも人事でも活躍できるスキルを身につけられるのです。

まさに人事労務のプロフェッショナルといえるでしょう。

給与計算実務能力検定の試験概要

以下では給与計算実務能力検定の試験概要について紹介していきます。

試験日程

2級…3月と11月
1級…11月のみ

受験資格

特になし

試験会場

北海道、宮城、栃木、埼玉(2会場)、千葉、東京(2会場)、神奈川(2会場)、新潟、石川、長野、静岡(2会場)、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、香川、福岡、長崎、熊本、大分、鹿児島、沖縄

受験料

2級…8,000円
1級…10,000円

試験時間

2・1級ともに120分

合格基準

2級…70点以上
1級…70点以上かつ計算問題で6割以上の正答率

給与計算実務能力検定のオススメの勉強法〜独学は可能?~

給与計算実務能力検定は基本的に独学で検定合格を目指します。

この検定を運営している「実務能力開発支援協会」が公式試験対策講座という最短で合格したい人のために講座を開いています。

ただ、この協会が出版している公式テキストを行うことで基本的には合格できるようになっているので、このテキストを徹底的に行いましょう。

オススメの勉強法としては、まずインプットを行いましょう。公式のテキストでは、一番最後の演習問題以外はすべてインプットする章となっていて、知識の足りない方は特にここを周回しましょう。

ある程度知識がついてきたと感じたら、次は演習問題に移りましょう。できない問題を洗い出して、そこを完璧にすることで検定に余裕を持って合格することができるでしょう。

一方で1つ注意点があります。それは、計算問題を苦手だからと捨ててはいけない点です。

知識問題が70点分、計算問題が30点分あります。知識問題が占めている割合が多いため計算問題が軽視されがちですが、給与計算実務能力検定の合格に必要な点数は70点以上です。なので、どちらも気を引き締めて勉強に取り組むようにしましょう。

給与計算実務能力検定の合格率

合格率は以下の通り。

2025年3月16日2級:76.41%
2024年11月24日2級:72.63%/1級:37.41%
2024年3月17日2級:69.16%
2023年11月23日2級:66.82%/1級:47.95%
2023年3月19日2級:74.17%
2022年11月23日2級:69.45%/1級:47.85%
2022年3月20日2級:74.55%
2021年11月23日2級:70.67%/1級:51.94%
2021年3月21日2級:81.73%
2020年11月29日2級:74.34%/1級:56.91%
2020年5月31日2級:86.65%
2019年11月17日2級:72.47%/1級:46.23%
2019年3月21日2級:75.42%
2018年11月23日2級:70.55%/1級:59.19%
2018年3月18日2級:74.41%
2017年11月5日2級:76.88%/1級:35.28%
2017年3月20日2級:82.00%
2016年10月30日2級:65.99%/1級:27.48%
2016年3月21日2級:60.40%
2015年11月29日2級:63.87%/1級:69.52%
2015年3月22日2級:66.57%
2014年11月9日2級:70.74%/1級:65.52%
2014年3月2日2級:82.23%

出典:給与計算実務能力検定試験®とは

例年、2級の合格率は60~90%、1級の合格率は、60%を超える年もありましたが過去3回の中では30%~50%となっています。

なお、3級に関しては公式HPで合格率が記載されていませんでした。

給与計算実務能力検定の合格に必要な勉強時間

給与計算実務能力検定2級の合格に必要な勉強時間は50時間といわれています。1日2時間取れれば1カ月で合格できるので、取得しやすいでしょう。

また、1級の合格に必要な勉強時間は、2級の勉強にプラスして50〜100時間いわれています。この検定は1年間に何度も行われているわけではないので、逆算しながら計画を立てることが重要となっています。

検定を取得するメリット

この給与計算実務能力検定を取得すると得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。大きなメリットは、2つあります。

1つめは、就職に有利な点です。経理や人事・労務などで働きたいと考えている場合、給与計算実務能力検定を取得していることがプラスに働きます。

この検定に合格していることで、実務の土台にあたる一般的な給与計算や明細の作成かつ労務のコンプライアンスについて正しく理解していることが採用担当者に伝わります。

2つめとしては、社会労務士といった他の難関と言われている国家資格の勉強に役立つという点です。

社会保険や税法のように試験内容が重複している部分があり、実際に社会保険労務士の資格を目指している人が給与計算実務能力検定を受験することも珍しくありません。検定合格後に社労士の試験を視野に入れてみることをオススメします。

給与計算実務能力検定はいきなり1級取得は可能か

給与計算実務能力検定に関して、いきなり1級の試験を受験することは可能です。

しかし、いきなり1級から受験するよりは、2級に合格してからの1級受験をオススメします。その理由として、1級の範囲を合格できる知識を得るためには、どちらにせよ2級の知識を保有している必要があるからです。

一方で、最短で1級に合格したい方や、次の試験期間までが長い方もいるでしょう。特に1級の試験日は年に1回しかないため一度逃してしまうと、期間がとても空いてしまいます。

このように次の試験で1級に合格したい場合は、2級と1級の同時受験をオススメします。同時受験に関して規制はありませんし、たとえ1級に落ちてしまっても2級に合格することで実績となるからです。

まとめ

本記事では給与計算実務能力検定について解説してきました。この検定の勉強法だけでなく、試験概要や取得するメリットなども理解していただけたら幸いです。

また、この検定を活かして転職活動を考えている方は、先に転職することをオススメします。

このような検定を受ける支援をしている企業があり、検定合格後にそのまま働けるというメリットがあります。

当社ヒュープロでは、士業・管理部門の転職エージェントを運営しています。業界最大級であるため、自身の目的にあった企業を提案させていただいています。興味のある方はぜひ下のリンクから登録してみてください。

この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のライティングなどを担当。大学法学部法律学科卒業後、銀行にてエネルギーや金属など"コモディティ"の取引、司法試験を中心とした資格試験予備校にてWEBマーケターとしての記事ディレクションなどを経て現職。法令や金融、資格試験の知識も活かしつつ、分かりやすくもためになる記事の作成に注力しています!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェント「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:コラム・学び

おすすめの記事